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ぶつけられたのに過失割合をとられることに納得がいかない

過失割合とは、「交通事故発生の原因がどちらにあったか?」を数字で表すものです。

停車している車にぶつかった場合、明らかにぶつかった方が悪いので10:0になります。

交差点や曲がり角、駐車場から道路に出る時など、どちらの車も動いている場合、過失割合を決めるのが難しくなります。

少しでも納得のいく補償が受けられるように、過失割合について解説していきます。

過失割合は誰が決めるの?

警察は、実況見分や事故証明書を発行するので過失割合を出しているのも警察と思いがちですが、そうではありません。

警察が作成した調書と過去の判例を元に保険会社が過失割合を決めています

過失割合の役目

破損した車の修理代やケガをした人の治療費など、交通事故によって生じた損害費用を誰がどれぐらい負担するかを決める際に過失割合が使われます。

例えば、車の修理代や治療費で100万円かかった場合の過失割合

例1) Aさん10:Bさん0の場合

Aさん→100万円を全額負担 Bさん→負担なし

例2) Aさん7:Bさん3の場合

Aさん→100万円のうち、70万円分を負担 Bさん→100万円のうち、30万円を負担

『ぶつけられたのにこっちも支払いをしないといけないの?』と思うかもしれませんが、相手がぶつかってきたとしても、こちらも車が動いていれば過失を問われるのが日本の法律です。

ただし状況を精査して明らかに過失がないと分かれば車が動いていても10:0になるケースもあります。

過失割合の決め方

過失割合は次の基準に従い、保険会社が決定します。

〇民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準

〇交通事故損害額算定基準(青い本)

〇損害賠償額算定基準(赤い本)

これらの文献に書かれている過失割合を参考にして、事故ごとの過失割合を決めます。

青い本は全国が対象で、赤い本は主に首都圏が対象になっています。

上記の本には、事故発生状況別に過去の裁判例などから詳細に過失割合の決め方が記載されています。

例えば、「15キロ以上の速度違反」をした場合は過失が5%~20%高くなる。

また、「著しいハンドルまたはブレーキの操作ミス」「右折の際、中央に寄らないで行う右折」など、細かく過失の増減方法の基準が書かれています。

同乗者に過失は発生しない

交通事故の際、運転手のハンドル操作ミスなどが原因で事故が起きた場合、基本的には、助手席や後部座席に乗車していた人(同乗者)に過失は発生しません。

たとえ過失100%の車であっても、同乗者が過失を問われることはありません。

ただし、飲酒運転であることを知っていたにもかかわらず同乗した場合や、運転手を煽るような行為を行った場合には、同乗者も損害賠償責任を負う事ことがあります。

接触していない交通事故

たとえ接触していなくても、被害者が危険を避けるために転倒などでケガをしたなら、加害者に対して損害賠償請求ができる場合が多いです。

しかし加害者の立場からすると「相手が勝手に転んだだけ。言いがかりだ。」というような状況もあります。

確かに被害者の過剰な反応が原因で事故になたっというケースも存在しており、 損害賠償を請求できないケースもあります。

しかし、加害者の運転によって、被害者の過剰反応による事故が起こった、と認められれば、加害者に1割~2割の過失が認められます。

車両が動いている時の過失割合

自分の車両が動いている時に交通事故が起きた場合、過失が発生すると思っている人が多いようですが、全てのケースで当てはまるわけではありません。

自分の車両が動いている時でも交通事故の際過失がゼロになるケースを解説します。

車両が動いていても交通事故の過失がゼロになる事例

〇交通違反をしていない

〇交通事故を予見できない状況

〇交通事故を回避できない状況

この3つを満たしたときに過失がゼロになる可能性があります。

ケース1

【車で道路を走行中に対向車がセンターラインをはみ出してぶつかってくる】

・交通違反もない。

・対向車がぶつかってくると予見をするのは難しい。

・突然の事なので回避も難しい。

適切な運転をしているのに相手の交通違反が原因で起きた交通事故の過失はすべて相手にあります。

ケース2

【駐車場から出るときに隣の停車してある車のドアが急に開いてぶつかる】

・交通違反もない。

・急にドアが開くことを予見をするのは難しい。

・突然の事なので回避も難しい。

基本的にドアを開ける時は「後方確認」をする必要があり、この場合は隣の車が後方確認を怠ったと認識され過失はすべて相手にあります。

子供の飛び出し事故の過失割合

こどもの交通事故は、自宅から半径1キロ圏内での事故が80%以上を占めています。

子供の事故原因

  1. 子供の「飛び出し」 37%
  2. 子供の「横断違反」 16%
  3. 運転手の「前方不注意」「信号無視」 39%

スクールゾーン、公園の近くをスピードを出して運転するドライバーがいる為にこのような事故が後を絶ちません。

子供の飛び出し事故」の場合には、子供にも過失が認められるのか?過失割合はどうなるのでしょうか?

解説していきましょう。

「幼児」と「児童」の過失割合

子供は、「幼児」と「児童」では過失が変わるので注意が必要です。

幼児は「6歳未満のこども」、児童は「6歳以上13歳未満のこども」となっています。

交通事故では大人に比べ、幼児はマイナス10〜20%、児童はマイナス5〜10%の割合で過失が低くなります。

こどもの過失割合は「事理弁識能力」の有無がポイント

『事理弁識能力』とは、自らが行った行為の結果、何らかの法的な責任が生じるということを認識できるの能力のことです。

簡単に言うと、道路に飛び出してしまった場合、それが良いことか悪いことかを分かって行動したかどうか?です。

子どもの飛び出しなどの交通事故の場合、この事理弁識能力によって過失を問うことになります。子供自身に責任能力がない場合過失を問うことはできません。

最高裁判所では「未成年者の過失については、その未成年者に事理を弁識する知能(事理弁識能力)があれば足りる」つまり、「自分の行為で何かが起きた時、その責任を自分が負う事を理解できる力があれば、過失を問われる」と判断されています。

これは子供が物事の善し悪しを判断できるかがポイントになり、5~6歳頃で備わるというのが裁判所の判断です

ただし、年齢で必ず決まるわけではなく、子どもに事理弁識能力が備わっているのなら年齢は関係なく、過失相殺の割合はどの程度かが検討されます。

横断歩道や信号機の有無で過失割合が違ってくる

信号機のある横断歩道での交通事故

〇 青信号
青信号を渡っている歩行者は大人と子供による差はなく、過失は一切発生しません。

〇 黄色信号
黄色信号 の意味合いを誤解している人が多いようです。
黄色信号は「注意して進め」ではありません。しかし、歩行者の判断として「速やかに渡る・引き返す・ 渡らない」の3つの選択肢があるようです。
黄色信号は原則「止まれ」の意味です。
そのため、幼児で最大20%、児童で最大30%の過失が発生する可能性があります。

〇  赤信号
歩行者が赤信号を渡って交通事故が起きた場合は、歩行者の過失が大きくなります。
なぜなら、ドライバーは赤信号であるにも関わらず、交通違反をして横断歩道に飛び出して来た歩行者を予見する義務がないからです。
そのため、幼児の過失が50%、児童の過失が60%になり、子供であっても非常に大きい過失になります。

信号機のない横断歩道での交通事故

信号機のない横断歩道では、基本的に歩行者に過失は発生しません。

これは、ドライバーは「横断歩道の手前で停止できる速度で走行する義務」があるからです。
ドライバーは横断しようとしている人がいれば必ず停止しなくてはいけません。

例えば、子供が急に道路に飛び出して来た為に、子供に過失が発生した場合でも、子供の場合は10~20%過失割合が減るため、結果的に子供の過失はゼロになります。

横断歩道のない道路での交通事故

ドライバーは横断歩道のない道路でも歩行者を優先させる義務があります。

ただし、横断歩道がない道路への飛び出しは子供であっても過失が発生し、0〜25%の過失割合になることが多いです。

過失割合に納得がいかないとき

保険会社が決めた過失割合が絶対正しいとは限りません

相手方の主張に納得ができない場合には、反論し相手方を説得出来れば過失割合が修正される事があります

双方の言い分が食い違う場合は、警察が作成する実況見分調書が重要な証拠になります。

また、ドライブレコーダーも重要な記録になるので自分の主張を裏付ける証拠になります。

もし過失割合に納得がいかなかったときは、当院にご相談下さい。

交通事故に強い弁護士を紹介させて頂きます。

過失割合を有利にするためのドライブレコーダー

交通事故の当事者の証言と、目撃者や事故現場の状況を元に保険会社が過失割合を決めます。

事故当時の事を正確に伝えられれば良いのですが、事故の衝撃で記憶が曖昧になって肝心なところを伝えられなかったり、自分が有利になるように事実とは違った証言をする方もいるようです。

そのため、事故当時の状況を正確に記録できるドライブレコーダーがあると有効です。

映像を第三者に見せることが出来れば理不尽な過失割合になる事もないでしょう。

万が一に備えてドライブレコーダーを車に搭載していると心強いです。

まとめ

「自分は普通に運転していただけなのになぜ過失を問われるの?」

交通事故では必ずしも納得のいく裁定が下るわけではない為、しっかりと知識を付けることが大切です。

知識がないために損をしてしまっている人も多いように思います。

かと言って勉強をするのも大変です。そんな時は、交通事故の専門家に相談しましょう。

当院では交通事故に強い弁護士を紹介することができます。

交通事故初期から治療の専門家と法律の専門家にアドバイスを受けることで示談交渉でもめることも少なくなります。