交通事故による足の骨折|症状・治療・リハビリ・後遺症・補償を解説

交通事故では、車内で足を強くぶつける、バイクや自転車から転倒する、車両に足を挟まれるなどの強い衝撃によって足を骨折することがあります。「事故後から足が腫れて歩けない」「骨折は治ったと言われたのに歩くと痛い」「リハビリが終わったのにしびれや違和感が残っている」という方も少なくありません。
足の骨折は骨がつけば治療終了というわけではありません。長期間の固定によって筋力が低下したり、関節が硬くなったり、神経や周囲の軟部組織へのダメージによって歩行痛やしびれが残ることがあります。
この記事では、交通事故による足の骨折で起こる症状、検査、治療、リハビリ、後遺症、後遺障害、交通事故の補償について詳しく解説します。
交通事故で足を骨折する原因
交通事故では身体に日常生活では加わらない非常に大きな力がかかります。特に足は車内の部品や路面などから直接衝撃を受けやすく、さまざまな部位で骨折が起こる可能性があります。
自動車事故ではダッシュボードやペダル周辺に足をぶつけたり、衝突時にブレーキを強く踏み込んだ状態で大きな力が伝わったりすることがあります。バイクや自転車事故では、転倒して足を路面へ強く打ちつけたり、車体と道路の間に挟まれたりすることで骨折する場合があります。
また、歩行中に自動車と衝突した場合には、バンパーなどが足へ直接当たることで下腿や足関節周囲を骨折するケースがあります。
交通事故で起こりやすい足の骨折
「足の骨折」といっても、骨折する場所によって症状や治療方法は異なります。
交通事故では、すねの部分にある脛骨や腓骨、足首周辺の内果・外果、かかとの踵骨、足の甲にある中足骨、足の指の趾骨などを骨折することがあります。
特に足首周辺は複数の骨と靭帯によって構成されているため、強い衝撃やねじれが加わると骨折と靭帯損傷が同時に起こることがあります。
交通事故による足の骨折でみられる症状
足を骨折すると、骨折した場所や骨のずれの程度によって症状は異なりますが、強い痛み、腫れ、皮下出血、足をついたときの痛み、歩行困難、関節を動かしたときの痛みなどが現れます。
重度の骨折では外見上の変形がみられたり、足をまったく地面につけられなくなることもあります。
事故後に「歩けるから骨折ではない」と自己判断するのは危険です。骨のずれが少ない骨折やヒビのような骨折では、受傷直後に歩ける場合もあります。
「ヒビ」も骨折に含まれる
一般的に「骨にヒビが入った」と説明されることがありますが、医学的にはヒビも骨折の一種です。
骨が完全に離れていなくても、一部に骨折線が入っている状態は不全骨折などと呼ばれることがあります。
事故後に強い痛みや腫れが続いている場合には、「ヒビだから軽い」と考えず、医師の指示に従って固定や経過観察を行うことが重要です。
レントゲンで足の骨折を確認する
交通事故後に骨折が疑われる場合は、整形外科などの医療機関で診察を受け、レントゲン検査を行うことが基本です。
レントゲンによって骨折の場所や骨のずれなどを確認します。ただし、骨のずれが少ない場合や骨折部位によっては、通常のレントゲンでは骨折が分かりにくい場合があります。
そのようなケースではCT検査などを追加して詳しく確認することがあります。
日本整形外科学会でも、通常のX線検査だけでは確認しにくい骨折ではCT検査が役立つとされています。
足首の骨折ではCT検査を行うこともある
交通事故では足首をひねりながら強く衝撃を受けることがあります。
足関節は脛骨、腓骨、距骨などから構成され、骨折と靭帯損傷が複合して起こる場合があります。
骨折の状態が複雑な場合にはレントゲンだけでなくCT、特に3D-CTなどによって骨折の状態を詳しく調べることがあります。
交通事故による足の骨折の治療
足の骨折の治療方法は、骨折した場所、骨のずれ、関節への影響、年齢などによって異なります。
大きく分けると「保存療法」と「手術療法」があります。
保存療法
骨のずれが少なく、安定している骨折では、ギプスや装具などを使用して骨折部を固定し、骨がつくのを待つ保存療法が選択されることがあります。
骨折部を適切な位置で固定し、一定期間安静を保ちながら定期的にレントゲンなどで骨の状態を確認します。
骨折した場所によっては、一定期間足に体重をかけないよう指示される場合があります。
手術療法
骨が大きくずれている、不安定性が強い、関節面に骨折が及んでいるなどの場合には手術が検討されます。
手術では骨を適切な位置へ戻し、プレート、スクリュー、髄内釘などを使用して固定する方法があります。
どの治療方法が適しているかは骨折の状態によって大きく異なるため、整形外科の医師による判断が必要です。
足の骨折ではリハビリが重要
骨折治療では「骨がつくこと」だけでなく、事故前のように歩いたり日常生活を送れる状態まで機能を回復させることが重要です。
固定期間が長くなると、足の筋肉が弱くなったり、足首や膝の関節が硬くなったりします。
そのため、骨折の状態を確認しながら、医師やリハビリ担当者の指示に従って徐々に関節を動かしたり、筋力を回復させたりしていきます。
日本整形外科学会も、骨折部が安定している場合には周囲の関節や筋肉を必要以上に安静にし続けることが好ましくない場合があるとしています。
骨がついた後も痛みが残ることがある
交通事故による足の骨折では、レントゲンで「骨はついています」と言われても、歩行時の痛みや違和感が残る場合があります。
これは、骨折そのものだけでなく、固定期間中の筋力低下、関節の可動域低下、周囲の筋肉や腱の緊張、神経へのダメージなどが関係している可能性があります。
また、歩き方が事故前と変化し、足だけでなく膝、股関節、腰などに負担がかかる場合もあります。
足の骨折後に残る可能性がある症状
交通事故による足の骨折後には、歩行時痛、足首や膝の動かしにくさ、腫れ、しびれ、感覚の違和感、筋力低下などが残る場合があります。
特に関節周囲を骨折した場合には、関節の動きが悪くなり、「足首が曲がらない」「正座できない」「階段がつらい」といった症状が残るケースがあります。
また、神経が損傷した場合には、足先のしびれや感覚低下などが残ることもあります。
足の骨折後に歩行障害が残る場合
足の骨折後に関節の動きが悪くなったり筋力が十分に戻らなかったりすると、正常な歩行が難しくなることがあります。
痛みをかばって歩く状態が続くことで、左右の歩幅が変わったり、身体を傾けて歩くようになったりすることもあります。
歩行状態が変化すると膝や股関節、腰など別の場所へ負担がかかる可能性もあるため、骨折後のリハビリでは歩行機能の回復も重要です。
足の骨折後のしびれ
交通事故による強い衝撃では、骨だけでなく周囲の神経を傷めることがあります。
その結果、骨折が治ったあとも足先のしびれ、感覚の鈍さ、ピリピリする違和感などが残ることがあります。
しびれが強くなる場合や筋力低下を伴う場合には、自己判断で放置せず主治医へ相談することが大切です。
足の骨折は後遺障害になる?
交通事故による足の骨折で治療を続けても症状が残った場合には、後遺障害等級認定の対象になる可能性があります。
ただし、骨折しただけで後遺障害として認定されるわけではありません。
治療を行ったあとに、関節の可動域制限、変形、足の短縮、神経症状、歩行障害などが残り、その症状と交通事故との因果関係が医学的に認められることが重要です。
後遺障害を検討する場合には、医師による診断、画像検査、治療経過、症状の内容などが重要になります。
後遺障害診断書が重要
交通事故の後遺障害認定では、医師が作成する後遺障害診断書が重要な資料となります。
どの部分にどのような症状が残っているのか、関節の可動域がどの程度制限されているのか、画像上の異常があるかなどが判断材料になります。
症状が残っている場合には自己判断で通院を終了するのではなく、今後の治療方針について主治医と相談することが大切です。
交通事故による足の骨折で受けられる可能性がある補償
交通事故の被害者として足を骨折した場合には、事故状況などによって治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料などが補償の対象になる場合があります。
自賠責保険の傷害による損害では、治療関係費、休業損害、慰謝料などを含め、被害者1人につき120万円が支払限度額となっています。
さらに後遺障害として認定された場合には、障害の程度に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益などが補償の対象となる可能性があります。
後遺障害が認定された場合の補償
自賠責保険の後遺障害は、障害の程度によって第1級から第14級まで分類されています。
介護を必要とする一部の重度後遺障害を除く場合、自賠責保険の支払限度額は第1級3,000万円から第14級75万円までとなっています。
ただし、実際の損害賠償額は後遺障害等級だけで決まるわけではなく、年齢、収入、労働能力への影響などによって異なります。
治療やリハビリの記録を残しておく
交通事故後の補償を考えるうえでも、事故直後から適切な医療機関を受診し、治療を継続することが重要です。
診断書、画像検査、治療内容、リハビリの経過などは、事故によるケガと症状の関係を確認するための資料となります。
事故後に症状があるにもかかわらず受診まで長期間空いてしまった場合には、交通事故と症状との因果関係について問題になることがあります。
整形外科と整骨院を併用できる?
交通事故で足を骨折した場合には、まず整形外科で診断と治療を受けることが重要です。
整骨院ではレントゲンやCTなどの画像検査を行うことはできないため、骨折の診断や骨癒合の確認は医療機関で行います。
骨折が安定し医師による治療やリハビリを受けているものの、周囲の筋肉の緊張、歩行時の違和感などが残っている場合には、状態に応じて整骨院での施術を併用するケースがあります。
交通事故の保険を利用して整骨院へ通院する場合には、医師や保険会社へ確認しておくことも大切です。
足の骨折後の痛みやしびれに鍼治療はできる?
鍼治療によって骨折した骨そのものを元に戻したり、骨癒合を保証したりすることはできません。
そのため、交通事故で骨折した場合には、まず整形外科で骨折の治療を行うことが最優先です。
一方、骨折が安定し、医師による治療やリハビリを受けたあとにも筋肉の緊張、歩行時の痛み、しびれなどが残っている場合には、身体の状態に応じて鍼施術を補助的に検討することがあります。
鍼灸整骨院かまたきでは、交通事故後の足の症状について身体の状態を確認し、必要に応じて鍼施術などを行っています。
「骨折は治ったと言われたけれど歩くとまだ痛い」「リハビリが終了したのに違和感が残っている」「足のしびれが気になる」といった場合はご相談ください。
千葉市で交通事故による足の骨折後の症状にお悩みの方へ
交通事故による足の骨折では、骨折そのものの治療だけでなく、その後の関節の動き、筋力、歩行機能などを回復させていくことが重要です。
骨がついたあとも痛みやしびれ、歩きにくさなどが残っている場合には、その原因を確認しながら適切に対応する必要があります。
鍼灸整骨院かまたきでは、整形外科などで治療を受けている方や、リハビリ終了後も症状が残っている方からのご相談を受けています。
交通事故後の足の痛みや歩行時の違和感などでお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。
まとめ
交通事故では、車内で足をぶつけたり、バイクや自転車から転倒したり、車両に足を挟まれたりすることで足を骨折することがあります。
足の骨折では、痛みや腫れだけでなく、骨折後に関節の動かしにくさ、筋力低下、歩行痛、しびれなどが残る場合があります。
骨折が疑われる場合には整形外科などの医療機関でレントゲンや必要に応じてCTなどの検査を受け、適切な治療を受けることが重要です。
また、治療後も一定の障害が残った場合には後遺障害認定や補償が関係する可能性があります。症状が残っている場合には自己判断で放置せず、主治医と相談しながら治療やリハビリを進めましょう。

