交通事故による動揺関節とは?原因・症状・治療・後遺障害・慰謝料と鍼治療を解説

交通事故のあと、「膝がグラグラする」「歩いていると膝がガクッとする」「階段を降りるのが怖い」「治療を続けても関節の不安定感が残っている」といった症状がある場合、関節の安定性が低下している可能性があります。
そのような状態の一つが「動揺関節」です。
動揺関節は単に関節が痛い状態ではなく、靭帯など関節を支えている組織が損傷することで、関節に異常な動きや不安定性が生じている状態を指します。特に膝関節では、前十字靭帯や後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯などの損傷によって関節の安定性が低下することがあります。
交通事故後に関節のグラつきが続いている場合は、痛みだけを我慢するのではなく、まず整形外科などの医療機関で原因を調べることが重要です。
鍼灸整骨院かまたきでは、交通事故後に医療機関で治療やリハビリを受けたものの、痛みや筋肉の緊張などが残っている方について、ご相談を受けています。
交通事故による動揺関節とは?
動揺関節とは、関節を安定させる機能が低下し、関節が通常より大きく動いたり、本来動かない方向へ動いたりする状態です。
分かりやすく言えば、
「関節がグラグラして安定しない状態」
です。
特に膝は、大腿骨と脛骨を複数の靭帯で支えています。これらの靭帯が交通事故によって断裂・損傷すると、大腿骨と脛骨の位置関係を正常に保ちにくくなり、膝が前後・左右へ異常に動くことがあります。
その結果、歩行中に膝がガクッとする、踏ん張れない、階段が怖い、スポーツができないなど、日常生活にも支障が出ることがあります。
交通事故で動揺関節になる原因
交通事故による動揺関節では、事故時に関節へ強い外力が加わり、靭帯などが損傷することが大きな原因になります。
膝を強く打った
自動車事故では、衝突した際に膝をダッシュボードなどへ強くぶつけることがあります。
膝に強い衝撃が加わることで、膝関節周辺の靭帯などを損傷する可能性があります。
バイク・自転車事故で転倒した
バイクや自転車事故では、転倒したときに膝や肩などへ直接大きな力が加わることがあります。
さらに、足が地面に接地した状態で身体だけがひねられると、膝関節に強いねじれが加わり、靭帯を損傷することがあります。
膝関節の靭帯を損傷した
膝には主に、前十字靭帯(ACL)、後十字靭帯(PCL)、内側側副靭帯(MCL)、外側側副靭帯(LCL)などがあります。
これらは膝関節を安定させる重要な組織です。
交通事故によって靭帯が損傷・断裂すると、膝関節の安定性が失われ、動揺関節につながる可能性があります。
骨折や脱臼を伴っている
交通事故による骨折や脱臼によって、関節周囲の構造そのものが損傷する場合もあります。
動揺関節は靭帯性だけでなく、骨性や神経性など原因によって分類されることがあります。
動揺関節で起こりやすい症状
代表的なのは「関節が安定しない」という症状です。
特に膝では、歩行中に膝がガクッとする、膝が左右にグラグラする、階段を降りるのが怖い、走ると膝が不安定になる、片脚で立ちにくい、踏ん張れないなどの症状がみられることがあります。
さらに、原因となった靭帯や周囲組織の損傷によって、痛み、腫れ、可動域制限などを伴う場合もあります。
「事故から時間が経ったから大丈夫」と判断せず、不安定感が続いている場合には医療機関で評価してもらうことが大切です。
動揺関節はどうやって調べる?
交通事故後に動揺関節が疑われる場合には、症状だけでなく、画像検査や関節の不安定性などを総合的に確認します。
MRI検査
MRIは靭帯や半月板など、レントゲンでは確認しにくい軟部組織を評価するために利用されます。
交通事故後に膝の不安定性が残っている場合、どの靭帯が損傷しているのかを確認するうえで重要な検査となります。
ストレス撮影
関節に一定方向の力を加えながら撮影し、正常側と比較するなどして関節の異常な動きを確認する方法があります。
後遺障害の評価でも、MRIだけではなくストレス撮影などによる客観的な所見が重要になることがあります。
徒手検査
医師が関節を動かし、前後・左右などの不安定性を確認する検査もあります。
特に膝では、どの靭帯が損傷しているかによって異なる方向への不安定性が現れます。
交通事故による動揺関節の治療
治療方法は、損傷している部位、靭帯損傷の程度、年齢、仕事内容、スポーツ活動などによって異なります。
保存療法
比較的軽度の場合には、装具などで関節を保護しながら、リハビリテーションを行うことがあります。
炎症や痛みが強い時期には安静や薬物療法などを行い、その後、状態を確認しながら筋力や関節機能の回復を目指します。
リハビリテーション
関節を安定させるには、周囲の筋肉を適切に働かせることも重要です。
膝の場合には、大腿四頭筋やハムストリングスなどの筋力回復、関節可動域の改善、バランス訓練などが行われます。
手術療法
靭帯が完全に断裂している場合や、強い不安定性が残り日常生活・仕事・スポーツなどに大きな支障がある場合には、靭帯再建術などの手術が検討されることがあります。
治療方針については、整形外科医による診断を受けて決定することが重要です。
治療しても膝のグラつきが残ったら?
治療やリハビリを続けても、
「歩くと膝がガクッとする」
「階段で膝が不安定になる」
「装具がないと怖くて歩けない」
「事故前のように走れない」
といった症状が残る場合があります。
こうした症状が残った場合には、交通事故の後遺障害が問題になることがあります。
大切なのは「本人がグラグラすると感じる」という自覚症状だけではなく、事故による靭帯などの損傷と関節の不安定性を医学的・客観的に確認できる資料です。
動揺関節は後遺障害に認定される可能性がある?
交通事故によって動揺関節が残った場合、その程度によって後遺障害として評価される可能性があります。
実務上、動揺関節については8級・10級・12級が問題となるケースがあります。
ただし、
「膝がグラグラするから12級」
「装具を使っているから10級」
と単純に決まるものではありません。
動揺関節そのものの程度、画像所見、ストレス撮影、靭帯損傷の状態、装具の必要性などを含めて判断されます。
そのため、後遺障害申請を検討している場合には、症状固定になってから慌てて資料を集めるのではなく、治療中から検査結果や症状の経過を記録しておくことが重要です。
動揺関節で請求できる可能性がある補償
交通事故による動揺関節では、事故状況や損害内容に応じて、治療費、通院交通費、休業損害、入通院慰謝料などが損害として問題になります。
さらに、後遺障害が認定された場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益などが問題になる可能性があります。
ただし、実際に請求できる項目や金額は、事故状況、過失割合、治療期間、収入、後遺障害等級などによって異なります。
動揺関節の慰謝料はいくら?
交通事故の慰謝料は「動揺関節だから一律○万円」と決まるわけではありません。
治療期間中については入通院慰謝料、後遺障害が認定された場合には後遺障害慰謝料などが問題になります。
また、後遺障害によって仕事に支障が生じ、将来の収入減少が認められる場合には逸失利益が問題になることもあります。
後遺障害等級によって賠償額が大きく変わる可能性があるため、重い関節不安定性が残っている場合には交通事故に詳しい弁護士へ相談することも選択肢になります。
リハビリが終わっても痛みが残っている方へ
動揺関節そのものは、靭帯や骨などの構造的な問題によって起こるため、鍼治療によって断裂した靭帯を元通りにしたり、関節の構造的な不安定性そのものを治したりするものではありません。
この点は非常に重要です。
一方で、交通事故後には関節をかばって生活することで、膝周囲や太もも、腰などの筋肉に負担がかかり、痛みや筋緊張などが残る場合があります。
そのような症状については、医療機関で状態を確認したうえで、鍼治療などを補完的な施術として検討することがあります。
鍼灸整骨院かまたきでは、交通事故後にリハビリへ通っているものの痛みがなかなか改善しない方や、リハビリ終了後も痛みなどが残っている方のご相談を受けています。
まずは整形外科などで靭帯損傷や関節不安定性の状態を確認し、その診断・治療方針を踏まえながら身体の状態に合わせた施術を検討することが大切です。
よくある質問
動揺関節とはどのような状態ですか?
関節の安定性が低下し、通常より大きく動いたり、本来とは異なる方向へ動いたりする状態です。交通事故では、特に膝の靭帯損傷などによって生じることがあります。
交通事故後に膝がグラグラするのは動揺関節ですか?
可能性はありますが、症状だけでは判断できません。靭帯損傷や半月板損傷など別の問題が隠れている可能性もあるため、整形外科などで検査を受けることが重要です。
レントゲンで異常なしでも動揺関節になることはありますか?
靭帯などの軟部組織は通常のレントゲンだけでは評価が難しい場合があります。そのため、症状に応じてMRIやストレス撮影などが検討されます。
動揺関節は治りますか?
損傷の程度によって異なります。保存療法やリハビリで改善を目指す場合もあれば、強い不安定性が残る場合には手術が検討されることもあります。
動揺関節は後遺障害になりますか?
事故による損傷との因果関係があり、治療後も一定の関節不安定性が残っている場合には、後遺障害として評価される可能性があります。ただし、自覚症状だけで認定されるわけではありません。
後遺障害認定では何が重要ですか?
MRIなどによる靭帯損傷の所見、ストレス撮影による関節不安定性の確認、診療記録、装具の必要性など、客観的な医学資料が重要になります。
動揺関節に鍼治療はできますか?
鍼治療で断裂した靭帯を修復したり、構造的な関節不安定性そのものを治したりするものではありません。ただし、事故後に残った周囲筋の緊張や痛みなどに対して、医療機関での治療と併用しながら補完的に検討する場合があります。
まとめ
交通事故による動揺関節は、靭帯など関節を安定させる組織が損傷することで、膝などの関節に異常な動きや不安定性が生じる状態です。特に「膝がグラグラする」「歩いているとガクッとする」「階段が怖い」「装具がないと不安」といった症状が続いている場合には注意が必要です。
交通事故後の動揺関節では、まず医療機関で正確な診断を受け、必要に応じてMRIやストレス撮影などで損傷状態を確認することが重要です。治療後も関節不安定性が残った場合には、後遺障害認定が問題になる可能性もあります。
また、リハビリを続けても周囲の筋肉の痛みや緊張などが残っている場合には、状態によって鍼治療などを補完的に検討することがあります。
交通事故後のリハビリを続けても痛みが改善しない方、リハビリ終了後も症状が残っている方は、鍼灸整骨院かまたきへご相談ください。
