交通事故による半月板損傷とは?原因・症状・治療法・後遺症・慰謝料を解説

交通事故の後から膝が痛み、整形外科で「半月板損傷」と診断されることがあります。

半月板は、膝関節の中で大腿骨と脛骨の間にある軟骨状の組織です。膝の内側と外側に1つずつあり、衝撃を吸収しながら膝を安定させる役割を担っています。

交通事故によって半月板を損傷すると、次のような症状が現れる可能性があります。

・膝の内側または外側が痛む
・膝が腫れる
・膝に水がたまる
・曲げ伸ばしの途中で引っかかる
・膝が完全に伸びない
・歩行中に膝が崩れる
・階段の上り下りがつらい
・膝を動かすと音が鳴る
・正座やしゃがむ動作ができない

半月板損傷の状態は、損傷した場所、裂け方、年齢、靱帯損傷の有無などによって異なります。

軽度の場合は、薬物療法や運動療法などの保存療法で改善を目指します。一方、膝がロックして動かない、断裂した半月板が関節内へ挟まっている、保存療法を続けても症状が改善しない場合などは、関節鏡を用いた手術が検討されます。

この記事では、交通事故による半月板損傷の原因、症状、検査、治療法、回復期間、後遺症、慰謝料や後遺障害認定、鍼治療を検討する際の注意点について詳しく解説します。

半月板とは?

半月板は、膝関節の中にある線維軟骨です。

膝の内側にあるものを「内側半月板」、外側にあるものを「外側半月板」と呼びます。

主な役割は次のとおりです。

・歩行や着地時の衝撃を吸収する
・大腿骨と脛骨にかかる圧力を分散する
・膝関節を安定させる
・膝の動きを滑らかにする
・関節軟骨を保護する

半月板が損傷すると、衝撃を分散する機能が低下し、膝の軟骨へ大きな負担がかかる可能性があります。

交通事故で半月板を損傷する原因

膝をひねる

交通事故の衝撃で足が床や車体に固定された状態のまま、身体だけが回転すると、膝へ強いひねりが加わります。

膝を曲げた状態でひねりが加わると、半月板が大腿骨と脛骨の間に挟まれ、断裂することがあります。

ダッシュボードへ膝をぶつける

正面衝突で身体が前方へ移動し、膝をダッシュボードへ強く打ち付けることで、半月板や靱帯を損傷する場合があります。

ダッシュボード損傷では、半月板だけでなく、後十字靱帯、膝蓋骨、股関節などを同時に傷める可能性があります。

側面衝突で膝に横方向の力が加わる

側面から衝突されると、膝の内側や外側へ強い力が加わります。

その結果、半月板だけでなく、内側側副靱帯、外側側副靱帯、前十字靱帯などを同時に損傷することがあります。

バイクや自転車から転倒する

転倒時に足を地面へつき、膝をひねることで半月板を損傷する可能性があります。

膝を路面へ直接ぶつけた場合は、骨折、打撲、靱帯損傷なども疑われます。

歩行者事故で膝を強く打つ

車や自転車と接触して転倒し、膝を路面へ打ち付けたり、足が地面に残った状態で身体が回転したりすると、半月板へ大きな負担がかかります。

事故前から半月板が弱っていた

年齢や過去のスポーツ歴などによって半月板に変性がある場合は、比較的小さな衝撃でも損傷する可能性があります。

ただし、MRIで半月板の変性や断裂が確認されても、それがすべて交通事故によって新しく発生したとは限りません。

交通事故との因果関係を判断する際は、次の内容が重要になります。

・事故前に膝の症状があったか
・事故直後から膝が痛んだか
・事故の衝撃方向と損傷部位が一致しているか
・初診までの期間
・MRI画像の所見
・腫れや関節血症の有無
・靱帯損傷を併発しているか

半月板損傷の主な症状

膝の内側または外側の痛み

内側半月板を損傷すると膝の内側、外側半月板を損傷すると膝の外側に痛みが出る傾向があります。

次の動作で痛みが強くなることがあります。

・歩く
・階段を上る、下りる
・立ち上がる
・しゃがむ
・正座する
・膝をひねる
・車へ乗り降りする
・方向転換する

膝の腫れ

損傷によって関節内に炎症が起こると、膝が腫れることがあります。

事故直後には歩けても、数時間から数日後に腫れや痛みが強くなる場合もあります。

膝に水がたまる

関節内の炎症によって関節液が増えると、膝が膨らみ、曲げ伸ばしがしにくくなります。

繰り返し水がたまる場合は、半月板や関節軟骨に問題が残っている可能性があります。

引っかかり感

膝を曲げ伸ばしした際に、関節の中で何かが引っかかるような感覚が出ることがあります。

断裂した半月板の一部が関節内で動くことが原因になる場合があります。

ロッキング

ロッキングとは、膝が途中で引っかかり、伸ばせない、または曲げられなくなる状態です。

断裂した半月板が関節の間へ挟まっている可能性があります。

膝が完全に動かない状態を無理に戻そうとすると、半月板や関節軟骨をさらに傷つける可能性があります。

早めに整形外科を受診してください。

クリック音や異常音

膝を動かした際に、コキッ、ゴリッといった音が鳴ることがあります。

音だけで半月板損傷と診断することはできませんが、痛みや引っかかりを伴う場合は検査が必要です。

膝崩れ・不安定感

歩行中に膝が突然抜ける、支えられないように感じることがあります。

半月板の機能低下だけでなく、前十字靱帯などの損傷を併発している可能性もあります。

膝の可動域制限

痛み、腫れ、ロッキングなどによって、膝を完全に曲げたり伸ばしたりできなくなる場合があります。

半月板損傷でしびれは出る?

半月板そのものには、足先までつながる神経はありません。

そのため、半月板損傷の代表的な症状は、痛み、腫れ、引っかかり、ロッキング、膝崩れなどです。

交通事故後に膝の痛みとともに足のしびれがある場合は、次の原因も考えられます。

・腰椎の神経圧迫
・坐骨神経の損傷
・腓骨神経の損傷
・膝周辺の強い腫れ
・血管損傷
・コンパートメント症候群

しびれ、麻痺、足の冷感などがある場合は、半月板損傷だけと考えず、整形外科で神経と血流の検査を受けてください。

直ちに受診すべき症状

次の症状がある場合は、早急に整形外科または救急医療機関を受診してください。

・膝がロックして動かない
・膝が大きく変形している
・体重をかけられない
・急激に膝が腫れた
・膝や足に強いしびれがある
・足に力が入らない
・足が冷たい、青白い
・強い痛みが続いている
・膝から大量に出血している
・発熱と膝の腫れがある

半月板損傷は何科を受診する?

半月板損傷が疑われる場合は、整形外科を受診します。

可能であれば、膝関節やスポーツ整形を専門とする医師がいる医療機関が適しています。

整骨院や鍼灸院では、MRI検査や半月板断裂の医学的診断はできません。

交通事故後に膝の痛みや引っかかりがある場合は、最初に整形外科で診断を受けてください。

半月板損傷の検査

問診

医師は次の内容を確認します。

・事故の状況
・膝へ加わった衝撃の方向
・膝をひねったか
・膝を直接ぶつけたか
・症状が出た時期
・膝のどこが痛むか
・ロッキングや膝崩れがあるか
・事故前にも膝の症状があったか

徒手検査

膝を曲げ伸ばししたり、ひねったりしながら、痛みやクリックの有無を確認します。

半月板損傷では、マックマレーテストなどが行われることがあります。

ただし、徒手検査だけで確定診断することはできません。

レントゲン検査

半月板はレントゲンには写りません。

レントゲンは、骨折、脱臼、変形性膝関節症などの有無を確認するために行われます。

MRI検査

半月板損傷の診断ではMRIが重要です。

MRIでは次の内容を確認できます。

・半月板を損傷した場所
・断裂の形
・損傷の大きさ
・半月板の変性
・前十字靱帯などの損傷
・関節軟骨の損傷
・骨挫傷

順天堂大学医学部附属順天堂医院も、症状や徒手検査から半月板損傷が疑われる場合にMRIを行い、靱帯損傷の合併などを評価すると説明しています。

関節鏡検査

膝関節へ細いカメラを入れ、半月板や軟骨の状態を直接確認する方法です。

現在は検査だけでなく、縫合や部分切除などの手術と同時に行われることが一般的です。

交通事故による半月板損傷の治療

半月板損傷があるからといって、必ず手術が必要になるわけではありません。

治療方法は、次の内容を考慮して決めます。

・損傷部位
・断裂の形
・損傷の大きさ
・ロッキングの有無
・膝の安定性
・靱帯損傷の有無
・年齢
・仕事や生活への影響
・保存療法による改善状況

保存療法

膝がロックしておらず、損傷が比較的小さい場合などは、保存療法から開始することがあります。

安静と活動量の調整

急性期は、痛みを強くする歩行、階段、しゃがみ込み、膝をひねる動作などを控えます。

完全に動かさない状態を長く続けると、筋力低下や関節拘縮につながる可能性があります。

活動量は医師や理学療法士と相談しながら調整してください。

冷却

腫れや熱感がある場合は、タオルで包んだ保冷剤などを用いて膝を冷やします。

NHSでは、受傷初期に運動を中止して膝を休ませ、タオルで包んだアイスパックを最長20分程度使用する方法などを案内しています。

圧迫と挙上

弾性包帯やサポーターで軽く圧迫し、足を心臓より高い位置へ上げることで腫れを抑える方法があります。

きつく締めすぎると血流を妨げるため注意してください。

薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、鎮痛薬や消炎鎮痛薬などが処方される場合があります。

薬によって痛みが減っても、断裂した半月板が修復されたとは限りません。

装具・サポーター

膝の不安定感や痛みを軽減するために、サポーターや装具を使用する場合があります。

リハビリテーション

半月板損傷の保存療法では、運動療法が重要です。

主に次の目的で行います。

・膝の可動域を回復する
・太ももの筋力を保つ
・膝関節を安定させる
・歩行動作を整える
・膝へかかる負担を減らす
・仕事やスポーツへの復帰を目指す

大腿四頭筋、ハムストリングス、臀部の筋肉などを、膝の状態に合わせて鍛えます。

関節内注射

症状に応じて、関節内注射が検討される場合があります。

ただし、注射で断裂した半月板を元の形へ戻すことはできません。

手術療法

次のような場合は、手術が検討されます。

・膝がロッキングしている
・断裂した半月板が関節内へ挟まっている
・保存療法を続けても症状が改善しない
・繰り返し膝が腫れる
・強い引っかかりが続く
・修復可能な外傷性断裂がある
・靱帯損傷の手術と同時に治療する必要がある

半月板縫合術

断裂した半月板を縫い合わせ、できるだけ半月板を残す手術です。

半月板の外側には血流があるため、損傷部位や断裂の形によっては縫合による修復が期待できます。

半月板を温存できれば、将来の関節軟骨への負担を抑えられる可能性があります。

ただし、縫合した部分が安定するまで体重をかける量や膝の曲げ伸ばしが制限され、リハビリ期間が長くなる傾向があります。

半月板部分切除術

修復が難しい損傷部分のみを切除し、引っかかりやロッキングを改善する方法です。

症状が早く改善する場合がありますが、切除する範囲が大きいほど、膝の衝撃吸収機能が低下する可能性があります。

そのため、可能な限り正常な半月板を残すことが重要です。

手術後のリハビリ

手術後は、手術方法に応じたリハビリが必要です。

半月板縫合術では、縫合部を保護するために、荷重や膝の曲げる角度を段階的に増やします。

部分切除術では比較的早く歩行を開始できることもありますが、自己判断で運動量を増やしてはいけません。

半月板損傷の回復期間

回復期間は、損傷の程度や治療方法によって異なります。

軽度の損傷を保存療法で治療する場合でも、痛みや腫れが落ち着き、筋力や歩行機能が回復するまで数週間から数か月を要することがあります。

手術を受けた場合は、部分切除術よりも縫合術の方が、半月板を保護する期間が長くなる傾向があります。

次の状態だけで治ったと判断してはいけません。

・安静にしていれば痛くない
・痛み止めを飲めば歩ける
・膝の腫れが少し減った
・仕事には戻れた
・MRIを再度受けていない

運動や仕事へ戻る時期は、主治医や理学療法士へ確認してください。

半月板損傷で残る可能性がある後遺症

慢性的な膝の痛み

治療後も、歩行、階段、しゃがみ込みなどで膝の痛みが残る場合があります。

膝の可動域制限

腫れ、痛み、癒着、筋力低下などによって、膝を完全に曲げたり伸ばしたりできなくなることがあります。

ロッキングや引っかかり

損傷部分が残っている場合は、膝の引っかかりやロッキングが続く可能性があります。

膝崩れ・不安定感

半月板の機能低下や靱帯損傷によって、歩行中に膝が抜けるような感覚が残る場合があります。

筋力低下

痛みや安静によって太ももの筋肉が低下すると、膝を安定させにくくなります。

変形性膝関節症

半月板の衝撃吸収機能が低下すると、関節軟骨へかかる負担が増え、将来的に変形性膝関節症が進行する可能性があります。

日本整形外科学会も、半月板損傷の関連疾患として変形性膝関節症や膝靱帯損傷を挙げています。

半月板損傷で請求できる損害

交通事故と半月板損傷との因果関係が認められれば、次の損害を請求できる可能性があります。

・診察費
・MRIなどの検査費
・手術費
・入院費
・薬代
・装具費
・リハビリ費
・通院交通費
・付添看護費
・休業損害
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・将来の治療費

入通院慰謝料

入通院慰謝料は、交通事故で負傷し、入院や通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する補償です。

金額は主に次の要素によって異なります。

・治療期間
・実通院日数
・入院期間
・手術の有無
・損傷の程度
・過失割合
・適用される算定基準

半月板損傷だから一律にいくらと決まるものではありません。

休業損害

半月板損傷によって仕事を休み、収入が減った場合は、休業損害を請求できる可能性があります。

特に次の仕事では、膝の症状が大きな支障になりやすいです。

・建設作業
・介護職
・看護職
・配送業
・運転業務
・工場作業
・飲食業
・営業職
・立ち仕事
・階段移動が多い仕事

仕事の内容と、歩行、しゃがみ込み、階段などで困っていることを医師へ具体的に伝えてください。

後遺障害慰謝料

治療後も膝の可動域制限、痛み、不安定感などが残り、後遺障害等級に認定された場合は、後遺障害慰謝料を請求できる可能性があります。

逸失利益

後遺障害によって仕事に制限が残り、将来の収入が減少すると判断された場合は、逸失利益を請求できる可能性があります。

半月板損傷と後遺障害認定

半月板損傷後に症状が残った場合は、主に次の後遺障害が問題になります。

・膝関節の可動域制限
・膝関節の不安定性
・膝の慢性的な痛み
・神経症状

国土交通省の後遺障害等級表には、下肢の関節に機能障害を残す場合や、局部に神経症状を残す場合などの項目があります。実際の認定は、可動域、画像所見、靱帯の状態、症状の一貫性などを基に個別に判断されます。

後遺障害認定で重要な資料

・事故状況
・初診時の診断書
・MRI画像
・関節鏡の画像
・手術記録
・膝の可動域測定
・膝の不安定性検査
・リハビリ記録
・症状の経過
・仕事や日常生活への支障
・後遺障害診断書

事故前から変性があった場合

MRIでは、事故前から存在した可能性のある半月板変性が確認される場合があります。

その場合、保険会社から「加齢性の損傷であり、事故が原因ではない」と主張される可能性があります。

因果関係を判断する際は、次の内容が重要です。

・事故前には膝の症状がなかった
・事故直後から一貫して膝が痛む
・事故の態様と損傷部位が一致する
・早期に整形外科を受診している
・膝の腫れや可動域制限が記録されている
・MRIで外傷性の所見が確認されている
・医師が事故との関連を認めている

後遺障害診断書は医師が作成する

後遺障害診断書は整形外科の医師が作成します。

整骨院や鍼灸院では作成できません。

膝の痛み、引っかかり、可動域制限、不安定感などが残っている場合は、症状固定前から主治医へ具体的に伝えてください。

症状固定とは?

症状固定とは、治療を続けても大幅な改善が期待しにくいと医学的に判断された状態です。

症状固定の時期は、保険会社が一方的に決めるものではありません。

MRI所見、手術後の状態、膝の可動域、筋力、不安定性などを確認して主治医が判断します。

半月板損傷に鍼治療は有効?

鍼治療を受ける場合は、その役割と限界を理解する必要があります。

鍼治療で断裂した半月板は元に戻せない

鍼治療によって、裂けた半月板を縫い合わせたり、関節内に挟まった半月板を元の位置へ戻したりすることはできません。

ロッキングの原因となる半月板断裂や、手術が必要な損傷に対しては、整形外科での治療が必要です。

急性期は整形外科での診断を優先する

事故直後に膝の腫れ、強い痛み、ロッキング、膝崩れがある場合は、鍼治療より先に整形外科を受診してください。

骨折、靱帯損傷、血管・神経損傷などを確認する必要があります。

補助的な施術として検討する

半月板の状態が確認され、主治医から許可を得た後であれば、膝をかばったことで緊張した太もも、ふくらはぎ、臀部などの筋肉に対する補助的な施術として鍼治療を検討する場合があります。

ただし、鍼治療だけで半月板損傷を治すことはできません。

運動療法や筋力訓練など、医師や理学療法士が指示したリハビリを続けることが重要です。

手術後に鍼治療を受ける際の注意点

手術後に鍼治療を検討する場合は、次の条件を確認してください。

・手術創が治っている
・感染がない
・関節内の腫れが落ち着いている
・主治医から許可を得ている
・術式とリハビリ制限を施術者へ伝える
・抗凝固薬の服用を伝える
・膝へかけられる荷重量を確認する

手術創や強く腫れている膝へ、安易に鍼を行ってはいけません。

しびれがある場合は原因を確認する

足のしびれがある場合は、半月板損傷以外の神経・血管障害が疑われます。

鍼治療を開始する前に、整形外科で原因を確認してください。

自賠責保険で鍼治療を受けられる?

交通事故後の鍼灸施術費が補償対象になるかは、施術の必要性、医師の指示や同意、保険会社の判断などによって異なります。

施術を始める前に次の確認を行ってください。

1.主治医へ鍼治療を受けてもよいか相談する
2.半月板損傷と膝の状態を確認する
3.施術対象となる症状を明確にする
4.保険会社へ事前に連絡する
5.整形外科への通院とリハビリを続ける

事前確認をせずに通院すると、施術費が補償されない可能性があります。

鍼灸整骨院かまたきでの対応

鍼灸整骨院かまたきでは、断裂した半月板そのものを治療することはできません。

半月板損傷の診断、MRI検査、関節内注射、手術、術後管理は整形外科で行います。

当院で相談を受け付けるのは、原則として次の条件を満たす方です。

・整形外科で半月板損傷の診断を受けている
・MRIなど必要な検査を受けている
・手術の必要性について医師の判断を受けている
・主治医から施術を禁止されていない
・膝に感染や強い炎症がない
・整形外科での経過観察とリハビリを続けている
・保険会社への確認が済んでいる
・膝をかばったことによる周辺筋肉の緊張などが残っている

次の症状がある場合は、当院への来院より整形外科を優先してください。

・膝がロックして動かない
・膝が急に大きく腫れた
・歩けない
・膝崩れが頻繁に起こる
・足に強いしびれがある
・足に力が入らない
・足が冷たい、青白い
・手術創が赤い、腫れている
・発熱している
・膝から膿が出る

よくある質問

半月板損傷とは何ですか?

膝関節内で衝撃を吸収し、膝を安定させる半月板が裂けたり傷ついたりした状態です。

交通事故で半月板を損傷することはありますか?

膝への直接的な衝撃、膝を曲げた状態でのひねり、転倒などによって損傷することがあります。

半月板損傷の主な症状は何ですか?

膝の痛み、腫れ、引っかかり、ロッキング、膝崩れ、可動域制限などがあります。

半月板損傷で足がしびれることはありますか?

しびれは代表的な症状ではありません。腰や腓骨神経、血流障害など別の原因が考えられるため、整形外科で確認してください。

ロッキングとは何ですか?

断裂した半月板などが関節内へ挟まり、膝が途中から伸びない、または曲げられなくなる状態です。

膝がロックしたら自分で伸ばしてもよいですか?

無理に動かすと半月板や軟骨を傷める可能性があります。早めに整形外科を受診してください。

半月板損傷は何科を受診しますか?

整形外科を受診します。可能であれば膝関節を専門とする医師へ相談してください。

半月板損傷はレントゲンで分かりますか?

半月板はレントゲンには写りません。レントゲンは骨折や変形性膝関節症などを確認するために行われます。

半月板損傷はMRIで分かりますか?

MRIは半月板の損傷部位、断裂の形、靱帯損傷の有無などを確認するために重要な検査です。

MRIに半月板断裂があれば事故が原因ですか?

必ずしも事故が原因とは限りません。事故前の症状、受診時期、事故態様、画像所見などを総合的に判断します。

半月板損傷は自然に治りますか?

半月板の外側など血流がある部分では修復が期待できる場合がありますが、損傷部位や断裂の形によって異なります。

半月板損傷は必ず手術しますか?

必ずではありません。ロッキングがなく、症状が軽い場合などは保存療法から始めることがあります。

半月板損傷の保存療法では何をしますか?

活動量の調整、冷却、薬物療法、装具、運動療法などを組み合わせます。

どのような場合に手術が必要ですか?

ロッキングがある、断裂部分が関節内へ挟まっている、保存療法で改善しない場合などに検討されます。

半月板縫合術とは何ですか?

断裂した半月板を縫い合わせ、半月板をできるだけ温存する手術です。

半月板部分切除術とは何ですか?

縫合が難しい損傷部分のみを切除し、引っかかりやロッキングを改善する手術です。

縫合術と部分切除術はどちらがよいですか?

損傷部位、断裂の形、血流、年齢などによって異なります。半月板を残せる場合は縫合が検討されます。

手術後にリハビリは必要ですか?

必要です。可動域、筋力、歩行機能を回復し、再損傷を防ぐために段階的なリハビリを行います。

半月板損傷はどれくらいで治りますか?

損傷の程度や治療方法によって異なります。保存療法でも数週間から数か月、手術後はさらに長いリハビリが必要になる場合があります。

半月板損傷ではどのような後遺症が残りますか?

慢性痛、膝の可動域制限、ロッキング、膝崩れ、筋力低下などが残る可能性があります。

半月板損傷で変形性膝関節症になりますか?

半月板の機能が低下すると関節軟骨への負担が増え、将来的な変形性膝関節症のリスクが高まる可能性があります。

交通事故の半月板損傷で慰謝料を請求できますか?

事故との因果関係と治療の必要性が認められれば、入通院慰謝料などを請求できる可能性があります。

半月板損傷の慰謝料はいくらですか?

治療期間、入院、手術、後遺症、過失割合、算定基準などによって異なります。

半月板損傷で仕事を休んだ場合は補償されますか?

医師が休業の必要性を認め、実際に収入が減少したことを証明できれば、休業損害を請求できる可能性があります。

半月板損傷は後遺障害になりますか?

膝の可動域制限、不安定性、慢性的な痛みなどが残り、所定の基準を満たす場合は認定される可能性があります。

膝の痛みだけでも後遺障害になりますか?

事故との因果関係、MRIなどの画像所見、症状の一貫性、治療経過などが認められれば審査される可能性があります。

後遺障害診断書は整骨院で書けますか?

書けません。後遺障害診断書は整形外科の医師が作成します。

症状固定は保険会社が決めますか?

症状固定は医学的な判断です。膝の状態や治療経過を確認して主治医が判断します。

半月板損傷に鍼治療は有効ですか?

鍼治療で断裂した半月板を縫い合わせたり、ロッキングを解除したりすることはできません。周辺筋肉の緊張などへの補助的な施術として検討される場合があります。

半月板損傷の直後から鍼治療を受けられますか?

強い腫れ、ロッキング、歩行困難がある場合は、鍼治療より先に整形外科で検査を受けてください。

半月板手術後に鍼治療を受けられますか?

手術創が治り、感染がなく、主治医の許可を得た後であれば補助的な施術として検討できる場合があります。

足のしびれに鍼治療を受けてもよいですか?

先に整形外科で神経損傷や血流障害などの原因を確認してください。

鍼治療費は自賠責保険から支払われますか?

医師の指示や施術の必要性、保険会社の承認などが必要になる場合があります。開始前に確認してください。

整形外科と鍼灸整骨院は併用できますか?

主治医が施術を禁止しておらず、保険会社への確認が済んでいる場合に併用できることがあります。

半月板損傷で整骨院だけへ通ってもよいですか?

半月板損傷にはMRI検査や手術の必要性の判断が必要です。整骨院だけで治療を完結させることはできません。

半月板損傷後の示談はいつ行うべきですか?

治療や手術、リハビリが終了し、膝の可動域や痛み、不安定性などの経過が確定してから示談するのが基本です。

まとめ

交通事故による半月板損傷は、膝へ加わる直接的な衝撃や、足を固定した状態で身体が回転することで発生します。

主な症状は次のとおりです。

・膝の内側または外側の痛み
・膝の腫れ
・膝に水がたまる
・引っかかり感
・ロッキング
・クリック音
・膝崩れ
・可動域制限

特に、膝がロックして動かない、急激に腫れた、体重をかけられない場合は、早急に整形外科を受診してください。

治療は、損傷部位や症状に応じて、薬物療法、装具、運動療法などの保存療法や、関節鏡による半月板縫合術・部分切除術が行われます。

治療後も膝の可動域制限、不安定性、慢性痛などが残った場合は、後遺障害認定を申請できる可能性があります。

鍼治療は、裂けた半月板を元へ戻したり、関節内へ挟まった半月板を取り除いたりする治療ではありません。

整形外科で半月板の状態と手術の必要性を確認し、主治医から許可を得た後に、膝をかばったことで硬くなった周辺筋肉などへの補助的な施術として検討してください。