交通事故による腰椎破裂骨折とは?原因・症状・治療法・後遺症・慰謝料を解説

交通事故による腰椎破裂骨折は、腰の骨に非常に強い圧力が加わり、椎体が押し潰されるだけでなく、複数の方向へ砕けるように損傷する重い骨折です。

骨折した骨片が脊柱管内へ飛び出すと、神経を圧迫し、足のしびれや麻痺、筋力低下、排尿・排便障害などを引き起こす可能性があります。

そのため、交通事故後に強い腰痛がある場合や、足に力が入らない、感覚がおかしい、尿が出にくいといった症状がある場合は、整骨院や鍼灸院へ行く前に、救急対応ができる医療機関を受診しなければなりません。

腰椎破裂骨折は、事故の衝撃や骨折の形、神経症状の有無、脊椎の安定性によって治療方法が異なります。

軽度で神経障害がなく、脊椎が安定している場合は、コルセットや装具による固定とリハビリを中心とした保存療法が選ばれることがあります。

一方で、骨のずれが大きい、脊柱管が狭くなっている、神経症状がある、脊椎が不安定になっている場合は、固定術や神経の圧迫を取り除く手術が検討されます。

この記事では、交通事故による腰椎破裂骨折の原因、症状、検査、治療法、後遺症、慰謝料や後遺障害認定、鍼治療を受ける際の注意点について詳しく解説します。

腰椎破裂骨折とは?

腰椎は、背骨の下部にある5つの骨で、上から順に第1腰椎から第5腰椎まであります。

腰椎には、上半身の重さを支え、身体を曲げる、反らす、ひねるといった動きを可能にする役割があります。

腰椎破裂骨折は、腰椎に上下方向から非常に強い圧縮力が加わり、椎体が複数方向へ砕けるように骨折した状態です。

単純に骨の前方が潰れるだけではなく、骨片が後方の脊柱管へ押し出される場合があります。

脊柱管の中には、脊髄から続く神経が通っています。骨片が神経を圧迫または損傷すると、足のしびれや麻痺などの重い神経症状につながります。

圧迫骨折と破裂骨折の違い

腰椎圧迫骨折と腰椎破裂骨折は、どちらも椎体が潰れる骨折ですが、損傷の範囲と重症度が異なります。

腰椎圧迫骨折

圧迫骨折では、主に椎体の前方が押し潰され、くさび形に変形します。

骨粗しょう症がある人では、転倒や軽い衝撃でも発生することがあります。

骨折の程度によっては神経症状を伴わず、装具固定などの保存療法が選ばれます。

腰椎破裂骨折

破裂骨折では、椎体全体が強く押し潰され、複数方向へ骨片が広がります。

骨片が脊柱管内へ飛び出し、神経を圧迫する可能性があるため、圧迫骨折より重症になりやすい骨折です。

交通事故や高所からの転落など、強いエネルギーが身体へ加わった際に起こりやすい特徴があります。

交通事故で腰椎破裂骨折が起こる原因

車同士の強い衝突

正面衝突や側面衝突などで車体が急停止すると、身体には強い慣性力が加わります。

シートへ押し付けられたり、上半身が前方へ大きく曲げられたりすることで、腰椎へ強い圧縮力と曲げる力が加わります。

高速走行中の事故

速度が高いほど、衝突時に身体へ加わるエネルギーも大きくなります。

高速道路上の事故や大きな速度差がある追突事故では、腰椎だけでなく、胸椎、骨盤、内臓なども同時に損傷する可能性があります。

車両から投げ出される事故

バイク事故、自転車事故、車外放出などによって地面へ強く叩き付けられると、腰椎へ上下方向の強い力が加わります。

足やお尻から地面へ落ちた場合も、衝撃が骨盤を通じて腰椎へ伝わることがあります。

シートベルトによる強い負荷

シートベルトは命を守る重要な安全装置ですが、大きな事故ではベルトによって身体が固定される一方、上半身が前方へ大きく曲がる場合があります。

このとき腰椎へ強い屈曲力や圧縮力が加わり、骨折や靱帯損傷を起こす可能性があります。

シートベルトを着用しない方が安全という意味ではありません。未着用の場合は車外放出や頭部外傷など、さらに重い被害につながる危険があります。

骨粗しょう症などの影響

骨粗しょう症や骨を弱くする病気がある場合、同じ衝撃でも骨折しやすくなります。

ただし、交通事故による腰椎破裂骨折は、骨の弱い人だけに起こるものではありません。

健康な若い人でも、強い衝撃が加われば発生する可能性があります。

腰椎破裂骨折の主な症状

激しい腰痛

事故直後から腰に強い痛みが現れます。

身体を起こす、寝返りを打つ、立ち上がるなどの動作によって痛みが増すことがあります。

重症の場合は、わずかに身体を動かしただけでも激痛が生じます。

腰を動かせない

骨折部の痛みや不安定性によって、腰を曲げる、反らす、ひねるといった動作が困難になります。

無理に動かすと骨片がずれ、神経症状を悪化させる危険があります。

足のしびれ・感覚異常

骨片や腫れによって神経が圧迫されると、太もも、すね、ふくらはぎ、足先などにしびれが現れることがあります。

次のような感覚異常が起こる場合もあります。

・足に電気が走る
・皮膚の感覚が鈍い
・触られても分かりにくい
・左右で温度の感じ方が違う
・焼けるように痛む

足の筋力低下・麻痺

神経の損傷が重い場合は、足に力が入らなくなることがあります。

・膝を伸ばせない
・足首を動かせない
・つま先が上がらない
・立てない
・歩けない

このような症状がある場合は、緊急の検査と治療が必要です。

排尿・排便障害

腰椎の下部には、排尿や排便、下肢の運動、会陰部の感覚に関わる馬尾神経があります。

馬尾神経が圧迫されると、次の症状が現れることがあります。

・尿が出にくい
・尿意を感じない
・尿や便を漏らす
・肛門周辺や会陰部の感覚がない
・両足がしびれる
・両足に力が入らない

これらは馬尾症候群を疑う緊急症状です。

すぐに救急車を呼ぶか、救急医療機関を受診してください。胸腰椎骨折で神経が影響を受けると、しびれ、筋力低下、排尿・排便障害が起こり得ます。

腹部や背中の腫れ・内出血

大きな衝撃によって腰や背中に腫れ、圧痛、皮下出血が現れる場合があります。

シートベルトの跡が腹部へ強く残っている場合は、腰椎だけでなく、腹部臓器の損傷も疑う必要があります。

事故直後に動けても骨折している可能性がある

腰椎破裂骨折があっても、神経損傷がなければ事故直後に歩ける場合があります。

「歩けるから骨折していない」とは判断できません。

事故後に強い腰痛や背部痛がある場合は、無理に歩いたり、自分で腰をひねったりせず、医療機関で検査を受けてください。

救急受診が必要な症状

次の症状がある場合は、整骨院や鍼灸院ではなく、救急医療機関を優先してください。

・事故後から腰に激痛がある
・身体を起こせない
・足に力が入らない
・立てない、歩けない
・両足がしびれる
・しびれや麻痺が悪化している
・尿が出ない
・尿や便を漏らす
・股の間や肛門周辺の感覚がない
・意識がぼんやりしている
・強い腹痛がある
・呼吸が苦しい

事故現場では、負傷者をむやみに起こしたり、腰を曲げたりしないでください。

車両火災や二次衝突など、救出のために移動させなければならない場合を除き、救急隊の指示に従います。

腰椎破裂骨折の検査

問診・神経学的検査

医師は事故の状況、痛みの場所、しびれ、筋力、排尿・排便状態などを確認します。

神経学的検査では、次の項目を調べます。

・足の筋力
・皮膚の感覚
・腱反射
・肛門周辺の感覚
・排尿・排便機能
・歩行能力

レントゲン検査

腰椎の潰れ方、骨の配列、変形の程度などを確認します。

ただし、細かな骨片や脊柱管内への突出、靱帯損傷などはレントゲンだけでは十分に確認できない場合があります。

CT検査

CTでは、骨折の形、骨片の位置、脊柱管へ入り込んだ骨の状態などを詳しく確認できます。

腰椎破裂骨折の診断や手術計画を立てるうえで重要な検査です。

MRI検査

MRIでは、神経、椎間板、靱帯、脊髄周辺の組織などを確認できます。

後方の靱帯複合体が損傷しているかどうかは、脊椎の安定性や治療方法を判断するうえで重要です。

近年の研究でも、MRIによって胸腰椎骨折の分類や、保存療法から手術へ治療方針が変更されることがあると報告されています。

ほかの損傷も確認する

交通事故による腰椎破裂骨折では、次の損傷を伴うことがあります。

・胸椎骨折
・骨盤骨折
・肋骨骨折
・頭部外傷
・腹部臓器損傷
・肺損傷
・手足の骨折

腰だけに注目せず、全身の状態を確認する必要があります。

腰椎破裂骨折の治療法

治療方針は、骨折の形だけで決まるものではありません。

次の内容を総合的に評価して決定します。

・神経症状の有無
・脊椎の安定性
・骨片の突出
・椎体の潰れ方
・後方靱帯の損傷
・変形の程度
・年齢
・骨の状態
・ほかの外傷
・日常生活や仕事の内容

胸腰椎骨折では、骨折形態、神経症状、靱帯損傷などを組み合わせた分類が、治療方針の判断に用いられます。完全型の破裂骨折や靱帯損傷を伴う骨折では、手術が選択される割合が高いと報告されています。

保存療法

神経障害がなく、骨折が比較的安定しており、大きな変形や靱帯損傷がない場合は、保存療法が選ばれることがあります。

安静

急性期には、骨折部へ大きな負荷をかけないようにします。

ただし、長期間の寝たきりは、筋力低下、血栓、肺炎、便秘などの合併症につながります。

医師の管理のもとで、状態に応じて早期離床を進めます。

コルセット・装具固定

腰椎を支えるコルセットや胸腰仙椎装具を装着し、骨折部の動きを抑えます。

装具の必要性や装着期間は、骨折の形や治療方針によって異なります。

自己判断で外したり、長期間使い続けたりせず、医師や装具担当者の指示に従ってください。

保存療法における装具の有効性については、骨折の種類や患者の状態によって評価が分かれており、一律に必要または不要とはいえません。

薬物療法

痛みの程度に応じて、鎮痛薬や消炎鎮痛薬などが処方されます。

痛み止めには、痛みを抑えて身体を動かしやすくする役割がありますが、骨折そのものを治す薬ではありません。

経過観察

定期的にレントゲンやCTなどを行い、骨の潰れや後弯変形が進んでいないか確認します。

当初は保存療法でも、変形が進行したり、神経症状が現れたりした場合は、手術が検討されることがあります。

手術療法

次のような場合は、手術が検討されます。

・足の麻痺や筋力低下がある
・神経症状が悪化している
・排尿・排便障害がある
・骨片が脊柱管を強く圧迫している
・脊椎が不安定である
・後方靱帯が損傷している
・椎体の潰れや変形が大きい
・保存療法で変形や痛みが進行する
・早期離床が必要である

脊椎固定術

スクリューやロッドなどの金属を用いて、骨折した腰椎と周囲の椎骨を固定します。

脊椎を安定させ、変形の進行を防ぐことが目的です。

神経除圧術

骨片などが神経を強く圧迫している場合は、圧迫を取り除く手術を行うことがあります。

神経症状があるから必ず除圧術を行うとは限りません。画像所見、神経障害の程度、骨折形態などから医師が判断します。

低侵襲手術

症例によっては、小さな切開でスクリューを挿入する経皮的固定術などが選択されることがあります。

低侵襲手術には出血や筋肉への負担を抑えられる可能性がありますが、すべての骨折へ適用できるわけではありません。

手術方法は、骨折部位、神経症状、骨の状態などによって異なります。

手術と保存療法はどちらがよい?

神経障害がない胸腰椎破裂骨折では、すべての患者に手術が必要とは限りません。

保存療法と手術療法を比較した研究では、対象となる骨折や評価項目によって結果が異なり、個々の状態に合わせた治療選択が必要とされています。

手術には脊椎を早期に安定させられる可能性がある一方で、感染、出血、神経損傷、金属の不具合、再手術などのリスクがあります。

保存療法では手術の負担を避けられますが、骨の変形が進行する可能性や、装具による生活制限があります。

画像と神経症状を確認し、脊椎外科の医師と相談して決めることが重要です。

腰椎破裂骨折のリハビリ

リハビリは、骨折した直後に強く腰を動かすものではありません。

骨折の安定性や手術内容を確認し、安全な範囲で段階的に行います。

急性期のリハビリ

全身状態が安定した後、次の内容から始めます。

・呼吸練習
・足首を動かす運動
・血栓を予防する運動
・寝返りや起き上がりの練習
・装具を着けた状態での座位練習
・立位練習
・歩行練習

回復期のリハビリ

骨折部の安定が確認された後は、次の内容を進めます。

・腰や股関節の可動域訓練
・体幹筋のトレーニング
・下肢筋力の強化
・バランス訓練
・歩行訓練
・階段昇降
・日常生活動作
・仕事へ戻るための動作練習

自己流のストレッチは避ける

骨が十分に癒合していない段階で、腰を強く曲げる、反らす、ひねるストレッチを行うと、骨折部へ負担がかかる可能性があります。

運動やストレッチは、医師や理学療法士の指示を受けて行ってください。

腰椎破裂骨折の治療期間

治療期間は、骨折の程度、神経損傷、手術の有無、年齢、骨の状態などによって大きく異なります。

骨の癒合には数か月を要することがあり、その後も筋力や可動域を回復させるためのリハビリが必要です。

神経損傷がある場合は、半年から1年以上にわたってリハビリが続くこともあります。

「何か月で必ず治る」と一律には判断できません。

交通事故による腰椎破裂骨折の後遺症

慢性的な腰痛

骨が癒合した後も、腰の痛みや重だるさが残ることがあります。

骨の変形、筋力低下、関節の硬さ、手術後の瘢痕、神経損傷など、複数の原因が関係します。

腰の可動域制限

腰を曲げる、反らす、ひねる動きが制限される場合があります。

脊椎固定術を受けた場合は、固定した範囲の動きが減少します。

脊柱の変形

椎体の潰れによって、腰が後方へ曲がる後弯変形が残る場合があります。

変形が大きいと、姿勢の崩れ、慢性痛、疲れやすさなどにつながる可能性があります。

足のしびれ・神経痛

神経が損傷すると、骨の圧迫が取り除かれた後も、足のしびれや電気が走るような痛みが残る場合があります。

筋力低下・麻痺

神経損傷が重い場合は、足の筋力低下や麻痺が残り、杖、装具、車椅子などが必要になることがあります。

排尿・排便障害

馬尾神経の損傷によって、排尿・排便のコントロールが難しくなる場合があります。

生活への影響が大きく、介護や継続的な医療管理が必要になることもあります。

隣接椎間障害

脊椎固定術を受けると、固定した部分の上下へ負担が集中し、将来的に隣接する椎間板や関節へ変性が起こる場合があります。

精神的な影響

長期間の入院、仕事への復帰困難、慢性的な痛みなどによって、不安、抑うつ、睡眠障害などが起こることがあります。

精神面の症状についても、医師へ相談することが大切です。

腰椎破裂骨折で請求できる可能性がある損害

交通事故と腰椎破裂骨折との因果関係が認められれば、次の損害を請求できる可能性があります。

・救急搬送費
・検査費
・入院費
・手術費
・治療費
・薬代
・装具費
・リハビリ費
・通院交通費
・付添看護費
・休業損害
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・将来介護費
・住宅改修費
・車椅子などの福祉用具費

入通院慰謝料

入院や通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する補償です。

入院・通院期間、治療内容、手術の有無、過失割合、算定基準などによって金額が変わります。

休業損害

事故によるケガや治療のために仕事を休み、収入が減少した場合に請求できる可能性があります。

会社員だけでなく、自営業者、主婦・主夫なども、条件を満たせば対象になる場合があります。

後遺障害慰謝料

治療を続けても腰の変形、運動障害、神経症状、麻痺などが残り、後遺障害等級に認定された場合に請求できます。

逸失利益

後遺障害によって仕事を続けられない、できる仕事が制限される、収入が減少すると判断された場合に請求できる可能性があります。

将来介護費

重い麻痺や排尿・排便障害などによって、将来にわたり介護が必要な場合は、将来介護費が問題になります。

自賠責保険では、神経系統の障害により介護が必要な重度後遺障害について、別枠の等級と支払限度額が設けられています。

腰椎破裂骨折の後遺障害認定

腰椎破裂骨折では、残った症状によって次の後遺障害が問題になる可能性があります。

・脊柱の変形障害
・脊柱の運動障害
・神経症状
・下肢の麻痺
・排尿・排便障害
・介護を必要とする神経障害

国土交通省の後遺障害等級表には、脊柱に著しい変形または運動障害を残すものなどが定められています。

ただし、腰椎を骨折しただけで自動的に後遺障害認定を受けられるわけではありません。

後遺障害認定で重要な資料

・事故直後の診療記録
・レントゲン画像
・CT画像
・MRI画像
・手術記録
・神経学的検査
・筋力検査
・感覚検査
・腰の可動域
・排尿・排便機能の検査
・リハビリ記録
・仕事や生活への支障
・後遺障害診断書

腰痛やしびれだけでなく、立ち続けられない、重い物を持てない、靴下を履けない、長時間座れないなど、日常生活や仕事への影響も医師へ具体的に伝えてください。

後遺障害診断書は医師が作成する

後遺障害診断書は医師が作成します。

整骨院や鍼灸院では作成できません。

症状固定の時期や後遺障害申請を検討する場合は、主治医や交通事故に詳しい弁護士へ相談してください。

示談を急いではいけない

腰椎破裂骨折では、骨が癒合した後も神経症状や運動制限が残ることがあります。

治療途中で示談すると、後から判明した後遺症、再手術、介護費などを追加請求できなくなる可能性があります。

症状固定、後遺障害申請、将来の治療や介護の必要性を確認してから示談を検討してください。

腰椎破裂骨折に鍼治療は有効?

鍼治療を考える場合は、骨折そのものの治療と、治癒後に残った症状への補助的な施術を分けて考える必要があります。

急性期の骨折を鍼で治すことはできない

鍼治療によって砕けた腰椎を元の形へ戻したり、骨片による神経圧迫を取り除いたりすることはできません。

事故直後や骨折が不安定な時期は、整形外科や脊椎外科での治療が最優先です。

骨が安定する前の施術は避ける

骨折部が安定していない段階で、腰へ強い刺激を加えたり、身体をひねったりすると、骨折や神経症状を悪化させる可能性があります。

主治医の許可なく鍼治療、マッサージ、整体、ストレッチを受けないでください。

補助療法として検討される症状

骨の癒合が確認され、急性期治療が終了し、主治医から許可を得た後であれば、次の症状に対する補助療法として鍼治療が検討される場合があります。

・腰や背中の筋肉の緊張
・長期間の安静による筋肉のこわばり
・リハビリ後の筋肉痛
・臀部や下肢の二次的な痛み
・慢性的な腰痛

ただし、効果には個人差があり、鍼治療によって必ず症状が改善するとは限りません。

神経損傷を治す治療ではない

鍼治療によって切断または重度に損傷した神経が再生する、麻痺が必ず治ると断定することはできません。

しびれや麻痺がある場合は、脊椎外科や神経を専門とする医師の管理が必要です。

手術後に鍼治療を受ける際の注意点

手術後は次の内容を必ず施術者へ伝えてください。

・手術日
・固定した腰椎の範囲
・使用している金属
・傷の状態
・感染の有無
・主治医から禁止されている動作
・服用している薬
・骨粗しょう症の有無
・神経症状
・抗凝固薬や抗血小板薬の使用

手術創の周辺や感染が疑われる部分への施術は避けなければなりません。

血液をサラサラにする薬を服用している場合

手術後や血栓予防のために、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している場合があります。

鍼を刺した場所から出血しやすくなったり、内出血が広がったりする可能性があるため、薬の名前を主治医と鍼灸師へ必ず伝えてください。

自己判断で薬を中止してはいけません。

鍼灸整骨院かまたきでの対応

鍼灸整骨院かまたきでは、腰椎破裂骨折の診断、骨の整復、手術、急性期治療はできません。

当院で相談を受け付けるのは、原則として次の条件を満たす方です。

・整形外科や脊椎外科で診断を受けている
・必要な手術または保存療法が行われている
・骨折部の安定または骨癒合が確認されている
・主治医から施術を禁止されていない
・急激に悪化する神経症状がない
・病院でのリハビリを継続している
・服用している薬を確認できる

医療機関でのリハビリを続けても腰や背中の筋肉の緊張、二次的な痛みなどが残っている場合に、主治医の治療方針を妨げない範囲で補助的な施術を検討します。

次の症状が新たに現れた場合は、当院へ来院せず救急医療機関を受診してください。

・足のしびれが急に強くなった
・足に力が入らない
・歩けなくなった
・尿が出ない
・尿や便を漏らす
・股の間の感覚がない
・発熱と強い腰痛がある
・手術した場所が赤く腫れている

よくある質問

腰椎破裂骨折とは何ですか?

腰椎に強い圧縮力が加わり、椎体が複数方向へ砕けるように骨折した状態です。

腰椎圧迫骨折との違いは何ですか?

圧迫骨折では主に椎体の前方が潰れますが、破裂骨折では椎体全体が砕け、骨片が脊柱管へ飛び出す可能性があります。

腰椎破裂骨折は歩けますか?

神経損傷がなければ歩ける場合もありますが、歩けるから軽傷とは限りません。強い腰痛があれば医療機関で検査を受けてください。

腰椎破裂骨折の主な症状は何ですか?

強い腰痛、動作制限、足のしびれ、筋力低下、麻痺、排尿・排便障害などです。

足のしびれがある場合は危険ですか?

骨片や腫れによって神経が圧迫されている可能性があります。早急に整形外科や脊椎外科を受診してください。

尿が出にくい場合はどうすればよいですか?

馬尾神経が圧迫されている可能性があるため、直ちに救急医療機関を受診してください。

腰椎破裂骨折はレントゲンだけで分かりますか?

レントゲンで確認できる場合がありますが、骨片や脊柱管の状態を詳しく確認するにはCT、神経や靱帯の確認にはMRIが必要になる場合があります。

腰椎破裂骨折は手術が必要ですか?

神経症状、脊椎の不安定性、骨の変形、靱帯損傷などによって異なります。すべての患者に手術が必要なわけではありません。

保存療法では何をしますか?

装具による固定、痛み止め、経過観察、状態に応じた早期離床とリハビリなどを行います。

手術では何をしますか?

スクリューやロッドを用いた固定術、神経圧迫を取り除く除圧術などが検討されます。

コルセットはいつまで着けますか?

骨折の状態や骨癒合によって異なります。自己判断で外さず、主治医の指示に従ってください。

腰椎破裂骨折はどのくらいで治りますか?

骨の癒合には数か月を要することがあり、その後も筋力や動作を回復させるリハビリが必要です。

腰椎破裂骨折で後遺症が残ることはありますか?

慢性腰痛、可動域制限、脊柱変形、足のしびれ、麻痺、排尿・排便障害などが残る可能性があります。

腰椎破裂骨折は後遺障害になりますか?

脊柱の変形や運動障害、神経症状、麻痺などが残り、所定の基準を満たせば認定される可能性があります。

後遺障害診断書は整骨院で書けますか?

書けません。後遺障害診断書は医師が作成します。

腰椎破裂骨折で慰謝料を請求できますか?

交通事故との因果関係が認められれば、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料を請求できる可能性があります。

仕事を休んだ場合は補償されますか?

事故によるケガで休業の必要性があり、実際に収入が減少した場合は、休業損害を請求できる可能性があります。

将来の介護費も請求できますか?

麻痺や排尿・排便障害などにより将来にわたり介護が必要な場合は、請求できる可能性があります。

治療途中で示談してもよいですか?

後遺症や再手術の必要性が確定していないため、治療途中での示談は慎重に判断してください。

腰椎破裂骨折に鍼治療は有効ですか?

骨折そのものを治すことはできません。骨が安定した後に、筋肉の緊張や二次的な痛みへの補助療法として検討される場合があります。

骨折直後に鍼治療を受けてもよいですか?

受けるべきではありません。整形外科や脊椎外科での急性期治療を優先してください。

手術後に鍼治療を受けられますか?

骨折部と手術創が安定し、主治医の許可がある場合に検討できます。

鍼治療で麻痺は治りますか?

必ず治るとはいえません。麻痺がある場合は、医療機関での神経評価とリハビリが中心になります。

病院のリハビリと鍼治療は併用できますか?

主治医の許可を得て、病院でのリハビリを続けながら補助的に併用できる場合があります。

まとめ

交通事故による腰椎破裂骨折は、椎体が複数方向へ砕け、骨片が神経を圧迫する可能性がある重い骨折です。

事故後に強い腰痛、足のしびれ、筋力低下、排尿・排便障害などがある場合は、整骨院や鍼灸院ではなく、救急対応ができる医療機関を受診してください。

治療方法は、神経症状、骨折の形、脊椎の安定性、靱帯損傷などによって異なります。

神経障害がなく、骨折が安定していれば保存療法が選ばれる場合がありますが、脊椎が不安定な場合や神経が圧迫されている場合は、固定術や除圧術などの手術が検討されます。

治療後も慢性腰痛、脊柱の変形、可動域制限、足のしびれ、麻痺などが残った場合は、後遺障害申請を検討できる可能性があります。

鍼治療は腰椎破裂骨折そのものを治す治療ではありません。

骨折部の安定や骨癒合が確認され、主治医から許可を得た後に、筋肉の緊張や二次的な痛みへの補助療法として検討することが大切です。