交通事故による脳梗塞の原因、症状、治療法、後遺症、慰謝料、そして鍼治療の有効性

交通事故の後に、突然手足が動かしにくくなったり、言葉が出なくなったりすることがあります。

このような症状が現れた場合は、事故による疲れやむちうちだと自己判断してはいけません。交通事故の衝撃によって首の血管が傷つき、脳梗塞を発症している可能性があるからです。

交通事故による脳梗塞は頻度が高いものではありませんが、発見や治療が遅れると、片麻痺、言語障害、高次脳機能障害などの重大な後遺症が残る可能性があります。

特に注意したいのが、事故直後には大きな異常がなくても、数時間後から数日後に脳梗塞の症状が現れるケースです。

交通事故後に次の症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼んでください。

・顔の片側が下がる
・片方の腕や足に力が入らない
・ろれつが回らない
・言葉が出ない
・相手の話を理解できない
・突然の激しい頭痛がある
・強いめまいで立てない
・物が二重に見える
・意識がぼんやりする

この記事では、交通事故によって脳梗塞が起こる原因、症状、検査、急性期治療、後遺症、慰謝料や後遺障害認定、鍼治療を検討する際の注意点について詳しく解説します。

脳梗塞とは?

脳梗塞とは、脳へ血液を送る血管が詰まり、脳の一部へ酸素や栄養が届かなくなる病気です。

血流が止まった状態が続くと、脳の神経細胞が損傷します。

損傷した場所によって、次のような症状が現れます。

・片側の手足の麻痺
・顔の麻痺
・言葉が出ない
・ろれつが回らない
・視野が欠ける
・めまい
・歩行障害
・意識障害
・記憶力や判断力の低下

脳梗塞は、治療開始までの時間がその後の回復に大きく影響する緊急疾患です。

交通事故で脳梗塞が起こることはある?

交通事故の衝撃によって首の血管が損傷し、その結果として脳梗塞を発症することがあります。

主な原因となるのが、頸動脈解離や椎骨動脈解離です。

頸動脈と椎骨動脈は、首から脳へ血液を送る重要な血管です。

交通事故で首が強く伸ばされたり、ひねられたりすると、血管の内側が裂けることがあります。

この状態を「動脈解離」といいます。

頸部動脈解離は比較的若い人の脳梗塞原因としても重要で、外傷後に発症することがあります。

交通事故による脳梗塞の主な原因

頸動脈解離

頸動脈は、首の前側から脳へ血液を送る血管です。

交通事故の衝撃で首が急激に伸びたり回転したりすると、頸動脈の内膜が裂けることがあります。

裂けた部分に血液が入り込むと、血管が狭くなったり、血栓が作られたりします。

その血栓が脳の血管へ流れて詰まると、脳梗塞を発症します。

椎骨動脈解離

椎骨動脈は、首の骨に沿って脳の後方へ血液を送る血管です。

追突事故などで首が前後へ強く振られたり、不自然に回転したりすると損傷する可能性があります。

椎骨動脈解離では、次のような症状が現れる場合があります。

・後頭部の強い痛み
・首の片側の痛み
・めまい
・ふらつき
・物が二重に見える
・飲み込みにくい
・ろれつが回らない

血管内に血栓ができる

交通事故によって血管の内側が損傷すると、その部分に血小板などが集まり、血栓が作られることがあります。

作られた血栓によって血管が狭くなる、または血栓が脳へ流れて血管を塞ぐことで、脳梗塞を発症します。

血圧低下や出血

重い交通事故では、大量出血やショックによって血圧が大きく低下することがあります。

脳へ十分な血液が届かなくなり、脳梗塞を起こす可能性があります。

心臓や大動脈の損傷

交通事故によって心臓や大動脈が損傷し、血栓が形成されることがあります。

その血栓が脳へ流れ、脳梗塞を起こす可能性もあります。

事故前からあった病気が影響する場合

事故前から次の病気やリスク要因がある場合、交通事故をきっかけに脳梗塞が起こったのか、もともとの病気によって発症したのかが問題になることがあります。

・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・心房細動
・動脈硬化
・喫煙習慣
・過去の脳梗塞
・血液が固まりやすい病気

慰謝料や損害賠償を請求する際は、交通事故と脳梗塞との因果関係を医学的に証明する必要があります。

交通事故後すぐに発症するとは限らない

交通事故による血管損傷では、事故直後に脳梗塞を発症する場合もあれば、数時間後から数日後に症状が現れることもあります。

外傷性の頸部動脈解離を調べた報告では、外傷から脳梗塞までに時間差が生じた症例が確認されています。

そのため、事故直後の検査で大きな異常が見つからなかった場合でも、後から神経症状が現れたらすぐに再受診する必要があります。

交通事故による脳梗塞の症状

顔の片側が下がる

笑ったときに口角の高さが左右で違う、片側の顔が動きにくいなどの症状が現れます。

片方の腕や足に力が入らない

突然、右半身または左半身が動かしにくくなることがあります。

次のような症状も要注意です。

・箸を落とす
・コップを持てない
・片方の腕が上がらない
・足を引きずる
・まっすぐ歩けない

手足や顔のしびれ

身体の片側に、突然しびれや感覚低下が現れることがあります。

むちうちでも腕や手のしびれが出ることがありますが、顔を含む片側の手足に突然症状が出た場合は、脳梗塞を疑う必要があります。

ろれつが回らない

言葉が不明瞭になったり、本人は話しているつもりでも相手が聞き取れなくなったりします。

言葉が出ない・理解できない

話したい言葉が出てこない、相手の話を理解できない、文字が読めないなどの症状が現れる場合があります。

これは失語症と呼ばれます。

視野が欠ける

視界の右半分または左半分が見えない、片目が突然見えにくくなるなどの症状が現れる場合があります。

物が二重に見える

脳幹や小脳への血流が障害されると、物が二重に見えることがあります。

強いめまい・ふらつき

立っていられないほどのめまい、歩けない、身体が一方へ傾くなどの症状が現れる場合があります。

交通事故後のめまいを、むちうちや疲れだけだと判断してはいけません。

突然の激しい頭痛や首の痛み

動脈解離では、脳梗塞の症状に先行して、突然の強い頭痛や首の片側の痛みが現れることがあります。

意識障害

呼びかけへの反応が鈍い、急に眠り込む、会話が成立しない場合は、重い脳梗塞の可能性があります。

FASTで脳梗塞を確認する

脳梗塞が疑われる場合は「FAST」を確認します。

F:Face

笑ってもらい、顔の片側が下がっていないか確認します。

A:Arm

両腕を前へ上げてもらい、片方の腕が下がってこないか確認します。

S:Speech

簡単な言葉を話してもらい、ろれつが回っているか、言葉が正しく出ているか確認します。

T:Time

1つでも異常があれば、発症時刻を確認してすぐに救急車を呼びます。

症状が一度消えた場合でも、一過性脳虚血発作の可能性があるため、救急受診が必要です。

むちうちと脳梗塞を見分けるポイント

むちうちでは、首や肩の痛み、頭痛、めまい、腕のしびれなどが現れることがあります。

脳梗塞と症状が重なるため注意が必要です。

次の症状がある場合は、むちうちより脳梗塞を強く疑います。

・顔を含む身体の片側に症状がある
・突然症状が始まった
・言葉が出ない
・ろれつが回らない
・片腕や片脚に力が入らない
・視野が欠ける
・物が二重に見える
・立てないほどふらつく
・意識がぼんやりする

このような場合は整骨院や鍼灸院へ行かず、救急車を呼んでください。

交通事故による脳梗塞の検査

頭部CT検査

脳出血の有無や、脳の状態を確認します。

発症直後の脳梗塞はCTで確認しにくい場合もあります。

頭部MRI検査

脳梗塞の位置や範囲を詳しく確認します。

拡散強調画像では、発症早期の脳梗塞を確認できる場合があります。

MRA・CTA

脳や首の血管を画像で確認します。

頸動脈解離、椎骨動脈解離、血管の狭窄、閉塞などを調べます。

頸動脈エコー

首の血管の状態や血流、血栓の有無などを確認します。

血管造影検査

カテーテルを血管内へ入れて、血管の形や閉塞部位を詳しく確認します。

血栓回収術などの血管内治療と同時に行われることがあります。

心電図・心臓超音波検査

心房細動や心臓内の血栓など、心臓から血栓が飛んだ可能性を確認します。

血液検査

血糖値、コレステロール、血液の固まりやすさ、炎症などを調べます。

交通事故による脳梗塞の治療法

脳梗塞の治療は、発症からの時間、詰まった血管の場所、出血の有無、外傷の状態などによって異なります。

交通事故後の場合は、脳梗塞だけでなく、頭部外傷や内出血も同時に確認する必要があります。

静注血栓溶解療法

血栓を溶かす薬を点滴で投与する治療です。

発症から一定時間以内で、検査によって適応があると判断された場合に行われます。

ただし、交通事故後は体内に出血している可能性があるため、通常の脳梗塞以上に慎重な判断が必要です。

機械的血栓回収療法

カテーテルを血管内へ入れ、脳の太い血管を塞いでいる血栓を直接取り除く治療です。

太い血管が閉塞している重症例で検討されます。

抗血小板療法

血小板が集まって血栓を作るのを抑える薬を使用します。

脳梗塞の再発予防などを目的に行われます。

抗凝固療法

血液が固まる働きを抑える薬を使用します。

動脈解離や心房細動など、脳梗塞の原因に応じて検討されます。

頸部動脈解離後の抗血栓治療については、患者ごとの出血リスクや画像所見を考慮して選択する必要があります。

血圧・血糖・体温管理

脳梗塞後は、血圧、血糖値、体温、呼吸状態などを慎重に管理します。

血管内ステント治療

動脈解離による狭窄や閉塞が重く、薬物療法だけでは対応できない場合などに、ステント治療が検討されることがあります。

リハビリテーション

全身状態が安定した後は、できるだけ早い段階からリハビリを開始します。

主に次の専門職が関わります。

・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・医師
・看護師
・医療ソーシャルワーカー

理学療法

起き上がる、座る、立つ、歩くなどの基本動作を練習します。

作業療法

着替え、食事、トイレ、入浴、家事などの日常生活動作を練習します。

言語聴覚療法

失語症、ろれつの問題、飲み込みにくさなどに対するリハビリを行います。

高次脳機能リハビリ

注意力、記憶力、判断力、感情のコントロールなどに問題がある場合に、専門的な訓練を行います。

交通事故による脳梗塞の後遺症

片麻痺

身体の右側または左側の手足が動かしにくくなる症状です。

重い場合は、車椅子や介助が必要になることがあります。

感覚障害

手足のしびれ、痛み、温度を感じにくいなどの症状が残ることがあります。

痙縮

筋肉が過剰に緊張し、腕や足が曲がったまま伸ばしにくくなる状態です。

歩行障害

足に力が入らない、バランスを保てないなどにより、歩行が難しくなることがあります。

失語症

言葉を話す、理解する、読む、書くことが難しくなる症状です。

構音障害

口や舌を動かしにくくなり、ろれつが回らなくなる症状です。

嚥下障害

食べ物や飲み物を飲み込みにくくなります。

誤嚥性肺炎の原因になる可能性があります。

視野障害

視界の片側が見えなくなる半盲などが残る場合があります。

高次脳機能障害

身体が動いても、次のような問題によって日常生活や仕事に支障が出る場合があります。

・記憶できない
・注意を続けられない
・計画を立てられない
・感情を抑えられない
・同時に複数のことができない
・自分の障害を認識できない

精神・情緒面の変化

脳梗塞後に、抑うつ、不安、意欲低下、怒りやすさ、性格の変化などが現れることがあります。

てんかん

脳の損傷によって、後からてんかん発作が起こる場合があります。

日常生活で介護が必要になる

重い麻痺や高次脳機能障害が残ると、食事、排泄、入浴、移動などで家族や介護職の支援が必要になります。

交通事故と脳梗塞の因果関係

交通事故後に脳梗塞を発症しても、事故が原因であることが自動的に認められるわけではありません。

次の資料が重要になります。

・事故状況
・車両の損傷状況
・首や頭へ加わった衝撃
・事故直後の症状
・初診時の診療記録
・症状が現れた時刻
・MRIやMRA、CTAの画像
・頸動脈または椎骨動脈解離の所見
・既往歴
・事故前の健康状態
・医師の意見書

事故から受診まで時間が空くほど、事故との関係を証明しにくくなる可能性があります。

頭痛、首の痛み、めまい、しびれなどがある場合は、事故後できるだけ早く医療機関を受診してください。

交通事故による脳梗塞で請求できる損害

事故と脳梗塞との因果関係が認められれば、次の損害を請求できる可能性があります。

・救急搬送費
・検査費
・入院費
・治療費
・薬代
・リハビリ費
・通院交通費
・付添看護費
・介護費
・装具・車椅子費用
・住宅改修費
・休業損害
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・将来介護費
・将来治療費

入通院慰謝料

入院や通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する補償です。

金額は、入院期間、通院期間、治療内容、過失割合、算定基準などによって異なります。

休業損害

治療やリハビリによって仕事を休み、収入が減少した場合に請求できる可能性があります。

後遺障害慰謝料

麻痺、言語障害、高次脳機能障害などが残り、後遺障害等級に認定された場合に請求できます。

逸失利益

後遺障害によって仕事を続けられない、収入が減少する場合に請求できる可能性があります。

将来介護費

重い後遺症によって将来にわたり介護が必要な場合は、介護費を請求できる可能性があります。

住宅改修費・福祉用具費

車椅子で生活するための段差解消、手すりの設置、浴室やトイレの改修などが必要な場合は、相当な範囲で請求できる可能性があります。

脳梗塞と後遺障害認定

脳梗塞後の後遺障害は、主に次の観点から審査されます。

・身体性機能障害
・麻痺
・高次脳機能障害
・言語障害
・視野障害
・嚥下障害
・介護の必要性
・仕事や日常生活への影響

脳損傷による高次脳機能障害では、症状の程度に応じて複数の等級が問題になります。国土交通省の資料では、高次脳機能障害が自賠責の後遺障害等級表の複数等級に該当し得ることが示されています。

後遺障害認定で重要な資料

・頭部MRI画像
・MRAやCTA画像
・神経学的検査
・麻痺の程度
・関節可動域
・筋力検査
・高次脳機能検査
・言語機能検査
・日常生活状況報告
・家族からの報告
・リハビリ記録
・後遺障害診断書

高次脳機能障害は外見から分かりにくいため、家族が事故前後の変化を記録しておくことも重要です。

後遺障害診断書は医師が作成する

後遺障害診断書は医師が作成します。

鍼灸院や整骨院では作成できません。

症状固定前から、麻痺、しびれ、言語障害、記憶障害、仕事や生活への支障を医師へ具体的に伝えてください。

示談を急いではいけない

脳梗塞後は、回復まで長い期間が必要になることがあります。

治療途中で示談すると、その後に判明した後遺症や介護費を追加請求できなくなる可能性があります。

次の内容を確認してから示談を検討します。

・急性期治療が終了している
・リハビリの経過が確認できている
・症状固定の判断を受けている
・後遺障害申請の必要性を確認している
・将来の介護や治療の必要性を確認している

交通事故による脳梗塞に鍼治療は有効?

鍼治療を検討する場合は、急性期治療と後遺症に対する補助療法を明確に分ける必要があります。

脳梗塞の急性期に鍼治療を優先してはいけない

顔の麻痺、片側の手足の脱力、言葉が出ないなどの症状がある場合は、鍼灸院や整骨院へ行ってはいけません。

救急車を呼び、脳卒中に対応できる医療機関を受診してください。

鍼治療によって血栓を溶かしたり、詰まった脳血管を再開通させたりすることはできません。

標準的なリハビリの代わりにはならない

脳梗塞後の回復では、理学療法、作業療法、言語聴覚療法などのリハビリが中心です。

鍼治療は、これらの代わりになるものではありません。

後遺症への補助療法として検討される場合がある

全身状態が安定し、主治医から許可を得た後であれば、次の症状に対する補助療法として鍼治療が検討される場合があります。

・脳卒中後の筋肉の緊張
・痙縮
・肩や腰の二次的な痛み
・動かしにくさに伴う筋肉痛
・リハビリ後の疲労

2024年の複数の研究では、鍼治療を通常のリハビリへ追加することで運動機能や日常生活動作が改善する可能性が報告されています。ただし、研究の質や治療方法にばらつきがあり、より質の高い研究が必要とされています。

「神経を再生する」とは断定できない

鍼治療によって神経が再生する、脳血流が必ず改善する、麻痺が治ると断定することはできません。

期待できる効果には個人差があり、効果が得られない場合もあります。

抗血栓薬を服用している場合の注意点

脳梗塞後は、抗血小板薬や抗凝固薬を服用することがあります。

これらの薬を服用していると、鍼を刺した場所から出血しやすくなったり、内出血が広がったりする可能性があります。

次の薬を服用している場合は、必ず施術者へ伝えてください。

・アスピリン
・クロピドグレル
・ワルファリン
・直接作用型経口抗凝固薬

薬を自己判断で中止してはいけません。

鍼治療を検討する条件

脳梗塞後に鍼治療を検討する場合は、少なくとも次の条件を確認してください。

・急性期治療が終了している
・全身状態が安定している
・主治医から許可を得ている
・再発を疑う症状がない
・血圧が安定している
・抗血栓薬の内容を伝えている
・病院でのリハビリを続けている
・施術の目的が明確になっている

鍼灸整骨院かまたきでの対応

鍼灸整骨院かまたきでは、脳梗塞の診断や急性期治療はできません。

また、鍼治療によって血栓を除去したり、詰まった脳血管を再開通させたりすることもできません。

当院で相談を受け付けるのは、原則として次の条件を満たす方です。

・脳神経外科や神経内科で治療を受けている
・急性期治療が終了している
・全身状態が安定している
・主治医から鍼治療を禁止されていない
・服用している薬を伝えられる
・病院でのリハビリを続けている
・後遺症による筋肉の緊張や二次的な痛みがある

次の症状が新たに現れた場合は、当院へ来院せず救急車を呼んでください。

・顔の片側が下がった
・片方の腕や足に力が入らない
・ろれつが回らない
・言葉が出ない
・突然の強い頭痛がある
・激しいめまいで立てない
・物が二重に見える
・意識がぼんやりする
・麻痺やしびれが急に悪化した

よくある質問

交通事故が原因で脳梗塞になることはありますか?

交通事故の衝撃で頸動脈や椎骨動脈が解離し、血栓が脳の血管を塞ぐことで脳梗塞になる場合があります。

事故直後に症状がなくても脳梗塞になりますか?

事故から数時間後や数日後に脳梗塞を発症する場合があります。後から神経症状が現れたらすぐに救急受診してください。

頸動脈解離とは何ですか?

首の前側を通る頸動脈の内膜が裂け、血管が狭くなったり血栓が作られたりする状態です。

椎骨動脈解離とは何ですか?

首の骨に沿って脳の後方へ血液を送る椎骨動脈が裂ける状態です。後頭部痛、めまい、複視などが現れる場合があります。

交通事故後の頭痛は脳梗塞の症状ですか?

むちうちなどでも頭痛は起こりますが、突然の激しい頭痛や片側の首の痛みに神経症状を伴う場合は、動脈解離や脳梗塞を疑います。

交通事故後のめまいはむちうちですか?

むちうちでもめまいは起こりますが、歩けないほどのめまい、複視、ろれつの異常などがある場合は脳梗塞の可能性があります。

脳梗塞の主な症状は何ですか?

顔の片側の麻痺、片方の手足の脱力やしびれ、ろれつの異常、失語、視野障害、めまい、意識障害などです。

FASTとは何ですか?

顔、腕、言葉の異常を確認し、1つでも異常があればすぐに救急車を呼ぶための確認方法です。

症状が一度消えたら大丈夫ですか?

一過性脳虚血発作の可能性があります。症状が消えても脳梗塞の前触れである場合があるため、救急受診してください。

脳梗塞はCTで分かりますか?

脳出血の確認には有用ですが、発症直後の脳梗塞がCTでは分かりにくい場合があります。

脳梗塞はMRIで分かりますか?

MRIでは発症早期の脳梗塞や損傷範囲を確認できる場合があります。

動脈解離はどの検査で分かりますか?

MRA、CTA、頸動脈エコー、血管造影検査などで確認します。

脳梗塞の治療は時間が重要ですか?

治療開始が遅れるほど脳の損傷が広がる可能性があるため、発症時刻を確認して速やかに救急搬送することが重要です。

交通事故後でも血栓溶解療法を受けられますか?

体内の出血リスクなどを慎重に確認し、医師が適応を判断します。事故後だから必ず受けられない、または必ず受けられるわけではありません。

血栓回収術とは何ですか?

カテーテルを使い、脳の太い血管を塞いでいる血栓を直接取り除く治療です。

動脈解離ではどのような薬を使いますか?

状態に応じて抗血小板薬や抗凝固薬などが検討されます。

脳梗塞後のリハビリはいつから始めますか?

全身状態が安定した後、医師の管理のもとで早期から開始することがあります。

脳梗塞ではどのような後遺症が残りますか?

片麻痺、感覚障害、歩行障害、失語症、嚥下障害、視野障害、高次脳機能障害などが残る可能性があります。

高次脳機能障害とは何ですか?

記憶、注意、判断、感情のコントロールなどに問題が生じ、仕事や日常生活に支障が出る状態です。

脳梗塞は後遺障害になりますか?

麻痺、高次脳機能障害、言語障害などが残り、所定の基準を満たす場合は後遺障害に認定される可能性があります。

交通事故による脳梗塞で慰謝料を請求できますか?

交通事故と脳梗塞との因果関係が認められれば、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料などを請求できる可能性があります。

事故との因果関係はどのように証明しますか?

事故状況、症状の発症時期、MRIや血管画像、動脈解離の所見、既往歴、医師の意見などによって証明します。

脳梗塞で仕事を休んだ場合は補償されますか?

事故との因果関係と休業の必要性、収入の減少が認められれば、休業損害を請求できる可能性があります。

将来の介護費も請求できますか?

重い後遺症によって将来にわたり介護が必要と認められた場合は、将来介護費を請求できる可能性があります。

脳梗塞後の住宅改修費は請求できますか?

車椅子生活などにより必要かつ相当な改修であると認められれば、請求できる可能性があります。

治療途中で示談してもよいですか?

後遺症や将来介護費が確定していないため、治療途中の示談は避けた方が安全です。

脳梗塞に鍼治療は有効ですか?

急性期の脳梗塞を治療することはできません。全身状態が安定した後に、標準的なリハビリへ加える補助療法として検討される場合があります。

鍼治療で血栓を溶かせますか?

できません。血栓溶解療法や血栓回収術など、医療機関での緊急治療が必要です。

鍼治療で麻痺は治りますか?

改善する可能性を示す研究はありますが、必ず麻痺が治るとはいえません。効果には個人差があります。

脳梗塞の発症直後に鍼治療を受けてもよいですか?

受けてはいけません。救急車を呼び、脳卒中治療ができる医療機関を受診してください。

脳梗塞後はいつから鍼治療を受けられますか?

急性期治療が終了し、全身状態が安定した後に、主治医の許可を得てから検討してください。

血液をサラサラにする薬を飲んでいても鍼治療を受けられますか?

出血や内出血のリスクがあるため、薬の種類を主治医と鍼灸師へ必ず伝えてください。自己判断で薬を中止してはいけません。

鍼治療と病院のリハビリは併用できますか?

主治医の許可を得て、病院のリハビリを継続しながら補助的に併用できる場合があります。

脳梗塞後に新しいしびれが出たら鍼灸院へ行ってよいですか?

再発の可能性があるため、鍼灸院へ行かず救急医療機関を受診してください。

まとめ

交通事故の衝撃によって頸動脈や椎骨動脈が損傷し、脳梗塞を発症することがあります。

事故直後に異常がなくても、数時間後から数日後に症状が現れる場合があるため注意が必要です。

次の症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼んでください。

・顔の片側が下がる
・片方の腕や足に力が入らない
・ろれつが回らない
・言葉が出ない
・視野が欠ける
・激しいめまいがある
・突然の強い頭痛がある
・意識がぼんやりする

脳梗塞は治療開始までの時間が重要です。

鍼治療や整骨院での施術を先に受けるのではなく、脳卒中に対応できる医療機関で検査と急性期治療を受けてください。

鍼治療は、急性期治療が終了して全身状態が安定した後に、病院でのリハビリを補助する目的で検討される場合があります。

ただし、血栓を溶かしたり、詰まった脳血管を再開通させたりする治療ではありません。

交通事故との因果関係や後遺障害、将来介護費などが問題になる場合は、医師や交通事故に詳しい弁護士へ相談してください。