交通事故による脊椎圧迫骨折の原因、症状、治療法、後遺症、慰謝料、そして鍼治療の有効性

交通事故のあとに背中や腰へ強い痛みがあり、医療機関で「脊椎圧迫骨折」と診断されることがあります。

脊椎圧迫骨折は、背骨を構成する椎骨のうち、前方にある椎体が強い力で押し潰されるように骨折するケガです。

交通事故では、追突や正面衝突、車両の横転、バイクや自転車からの転落などにより、背骨へ大きな力が加わることで発生する可能性があります。

脊椎圧迫骨折を負った方の中には、

「コルセットを着けているが、いつまで痛みが続くのか」

「リハビリが終わっても背中や腰が痛い」

「足のしびれが残っている」

「後遺障害の対象になるのか」

「慰謝料はいくら受け取れるのか」

「残った痛みに鍼治療を受けてもよいのか」

と悩む方も少なくありません。

脊椎圧迫骨折は、骨折の場所、椎体の潰れ方、神経への影響、骨粗鬆症などの既往症によって治療方法や回復期間が異なります。

強いしびれや筋力低下、歩行障害、排尿・排便障害がある場合は、神経が圧迫されている可能性があるため、早急な医療対応が必要です。

この記事では、交通事故による脊椎圧迫骨折の原因、症状、検査、治療方法、後遺症、慰謝料、後遺障害認定、鍼治療を検討する際の注意点について解説します。

脊椎圧迫骨折とは?

脊椎とは、一般に背骨と呼ばれる部分です。

背骨は、首の頚椎、胸部の胸椎、腰部の腰椎など、複数の椎骨が積み重なって構成されています。

それぞれの椎骨の前方には「椎体」と呼ばれる部分があり、上半身の重さや外部から加わる衝撃を支えています。

脊椎圧迫骨折とは、この椎体に強い圧力が加わり、前方部分などが潰れるように変形する骨折です。

胸椎と腰椎の境目付近は力が集中しやすく、圧迫骨折が起こりやすい部位の一つです。

交通事故で脊椎圧迫骨折が起こる原因

交通事故では、身体がシートや地面へ強く押し付けられたり、背骨が急激に曲げられたりすることで圧迫骨折が発生します。

主な事故状況には次のようなものがあります。

正面衝突

車両が正面から衝突すると、身体が前方へ投げ出されるような力を受けます。

シートベルトで身体が固定されていても、上半身が急激に前へ曲がることで胸椎や腰椎に大きな圧力が加わる可能性があります。

追突事故

後方から強く追突されると、身体が前後へ急激に揺さぶられます。

一般的には首のむちうちが知られていますが、衝撃の強さや座席の状態によっては胸椎や腰椎にも負担がかかることがあります。

車両の横転・転落

車が横転したり、高い場所から転落したりした場合は、背骨へ上下方向の強い圧力が加わります。

複数の椎骨を骨折する可能性や、他の臓器・骨の損傷を伴う可能性もあります。

バイクや自転車からの転倒

バイクや自転車から投げ出され、尻もちをついたり背中から地面へ落下したりすると、衝撃が骨盤から背骨へ伝わり、圧迫骨折が起こることがあります。

歩行者事故

車にはねられて路面へ強く打ち付けられた場合も、背骨へ大きな衝撃が加わります。

骨粗鬆症があると骨折しやすい

骨粗鬆症などによって骨が弱くなっている方は、健康な骨では耐えられる程度の衝撃でも圧迫骨折を起こすことがあります。

特に高齢者や閉経後の女性では、事故前から骨密度が低下している可能性があります。

ただし、骨粗鬆症があったからといって、事故後の治療費や慰謝料が必ず補償されないわけではありません。

交通事故によって骨折が発生した、または事故前の状態が悪化したことが認められれば、事故と相当因果関係のある範囲が損害賠償の対象になる可能性があります。

既往症が損害の拡大に影響した場合は、その程度を踏まえて賠償額が調整されることがあります。

脊椎圧迫骨折の主な症状

脊椎圧迫骨折の症状は、骨折した場所や神経への影響によって異なります。

背中や腰の強い痛み

骨折した部分を中心に、鋭い痛みや重い痛みが現れます。

次の動作で痛みが強くなることがあります。

・起き上がる
・寝返りを打つ
・立ち上がる
・歩く
・身体を前後へ曲げる
・咳やくしゃみをする
・深く呼吸する

安静時は痛みが軽くても、身体を動かしたときに強く痛むケースもあります。

背中や腰の圧痛

骨折部分を押すと強い痛みを感じることがあります。

ただし、自己判断で何度も強く押し、痛みを確認することは避けてください。

身体を動かしにくい

痛みによって、起き上がり、歩行、着替え、入浴などの日常動作が難しくなることがあります。

長時間座った姿勢や立った姿勢を保てなくなる場合もあります。

身長の低下や背中の丸まり

椎体が潰れて変形すると、身長が低くなったり、背中が丸くなったりする可能性があります。

複数の圧迫骨折がある場合や変形が大きい場合は、姿勢への影響が目立つことがあります。

圧迫骨折によって椎体が潰れると、背部痛、身長低下、前かがみの姿勢につながることがあります。

足のしびれ・感覚異常

骨折した骨片や変形した椎体が神経を圧迫すると、腰から足にかけてしびれや痛みが現れることがあります。

筋力低下

足に力が入りにくい、つまずきやすい、階段を上れないなどの症状が現れる場合があります。

排尿・排便障害

尿が出にくい、尿や便を漏らす、排尿や排便の感覚が分かりにくいといった症状は、重大な神経障害の可能性があります。

このような症状がある場合は、直ちに医療機関へ相談してください。

すぐに救急受診すべき症状

次の症状がある場合は、無理に歩いたり整骨院へ移動したりせず、救急医療機関を受診してください。

・背中や腰に非常に強い痛みがある
・事故後に立てない、歩けない
・両足にしびれがある
・足に力が入らない
・しびれや麻痺が急激に悪化している
・排尿や排便ができない
・尿や便を漏らしてしまう
・股の周囲の感覚が鈍い
・呼吸が苦しい
・意識障害がある
・発熱を伴っている

神経症状がある脊椎骨折では、治療の遅れが回復へ影響する可能性があります。

脊椎圧迫骨折の検査

交通事故後に圧迫骨折が疑われる場合は、整形外科や救急医療機関で検査を受けます。

レントゲン検査

椎体の潰れや変形、骨折の位置などを確認します。

ただし、骨折直後や変形が小さい場合は、レントゲンだけでは分かりにくいことがあります。

CT検査

骨折線、骨片、椎体の潰れ方、脊柱管への影響などを詳しく確認できます。

交通事故による強い外力が疑われる場合や、複雑な骨折の評価に使用されることがあります。

MRI検査

骨折が新しいものか、古いものかを判断する材料になります。

また、脊髄、神経、椎間板、靱帯などの状態を確認する場合にも用いられます。

事故前から圧迫骨折があった可能性がある場合、MRI所見が事故との因果関係を検討する資料になることがあります。

骨密度検査

骨粗鬆症が疑われる場合は、骨密度検査を行うことがあります。

骨の弱さが確認された場合は、骨折治療と併せて骨粗鬆症の治療を行うことが重要です。

脊椎圧迫骨折の治療方法

治療方法は、骨折の場所、椎体の潰れ方、脊椎の安定性、神経症状、年齢、全身状態などを確認して決めます。

治療は大きく保存療法と手術療法に分かれます。

保存療法

神経障害がなく、脊椎の安定性が保たれている場合は、手術をせずに治療することがあります。

コルセット・装具

コルセットなどの装具で背骨を支え、骨折部分へかかる負担を抑えます。

装着期間や使用方法は骨折の状態によって異なります。

自己判断で外したり、長期間着け続けたりせず、医師の指示に従ってください。

薬物療法

痛みの程度に応じて鎮痛薬や消炎鎮痛薬などが処方されます。

痛みを適切に管理することは、睡眠を確保し、必要な動作やリハビリへ移行するためにも重要です。

短期間の安静

骨折直後に強い痛みがある場合は、一定期間の安静が必要になることがあります。

ただし、長期間寝たきりになると、筋力低下、関節の硬さ、血栓、肺機能低下などの問題が生じる可能性があります。

医師の指示に従って、可能な時期から座る、立つ、歩くなどの動作へ段階的に移行します。

骨粗鬆症治療

骨粗鬆症がある場合は、再骨折を防ぐために薬物療法、栄養指導、運動指導などを行います。

リハビリテーション

骨折の状態が安定してきたら、理学療法士などの指導でリハビリを行います。

目的は次のとおりです。

・歩行能力を回復する
・体幹や下肢の筋力を維持する
・関節の硬さを防ぐ
・日常生活動作を取り戻す
・転倒や再骨折を防ぐ
・身体へ負担の少ない動作を身につける

多くの脊椎圧迫骨折は手術を行わずに治療され、一定期間で痛みが軽減することがありますが、回復期間には個人差があります。

手術療法

次のような場合は、手術が検討されることがあります。

・強い痛みが長期間続いている
・椎体の潰れや変形が大きい
・脊椎が不安定になっている
・骨片が神経を圧迫している
・足のしびれや筋力低下が進行している
・排尿・排便障害がある
・保存療法で改善がみられない

椎体形成術

骨折した椎体へ骨セメントなどを注入し、椎体を安定させる治療です。

代表的な方法には、経皮的椎体形成術やバルーン椎体形成術があります。

椎体形成術は、骨折した椎体へ骨セメントを注入し、脊椎を安定させて痛みの軽減を図る治療です。

すべての圧迫骨折に適応されるわけではなく、期待できる効果と合併症を確認して決定します。

除圧術

骨片や変形によって神経が圧迫されている場合は、神経への圧迫を取り除く手術を行うことがあります。

脊椎固定術

脊椎の不安定性や大きな変形がある場合は、金属製のスクリューやロッドなどで脊椎を固定する手術が検討されます。

脊椎圧迫骨折の回復期間

回復期間は、骨折の重症度や年齢、骨粗鬆症の有無、神経症状、治療方法などによって異なります。

数週間から数か月で痛みが軽くなる方もいますが、椎体の変形や神経への影響が残る場合は、長期間にわたり症状が続くことがあります。

「3か月たてば必ず治る」「6か月で治療終了」と一律に判断することはできません。

医師の診察と画像検査を受けながら、骨の状態と症状の変化を確認することが大切です。

脊椎圧迫骨折で残る可能性がある後遺症

適切な治療を受けても、骨折の程度によっては後遺症が残る場合があります。

慢性的な背中・腰の痛み

椎体の変形、周辺筋肉への負担、姿勢の変化などにより、骨が癒合した後も痛みが残る可能性があります。

脊柱の変形

椎体が潰れた状態で固まると、背中が丸くなる後弯変形などが残ることがあります。

変形が大きい場合は、立位や歩行、長時間の座位が難しくなることがあります。

脊柱の運動制限

背骨を曲げる、反らす、ひねる動作が制限される場合があります。

固定術を受けた場合も、固定した部分の動きが制限されます。

足のしびれや神経痛

神経への圧迫や損傷が残ると、足のしびれ、痛み、感覚低下などが続く可能性があります。

筋力低下・歩行障害

神経障害や長期安静によって、下肢の筋力低下や歩行能力の低下が残る場合があります。

排尿・排便障害

脊髄や神経への重大な損傷がある場合は、排尿・排便機能に障害が残る可能性があります。

仕事や日常生活への影響

重い物を持つ仕事、長時間の運転、立ち仕事、介護、建設作業などが難しくなる場合があります。

家事、育児、入浴、着替えなどの日常生活へ影響することもあります。

交通事故の慰謝料は請求できる?

交通事故によって脊椎圧迫骨折を負った場合は、事故との因果関係と治療の必要性が認められれば、損害賠償を請求できる可能性があります。

主な請求項目は次のとおりです。

・治療費
・入院費
・通院交通費
・付添看護費
・装具代
・休業損害
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
・後遺障害逸失利益
・将来介護費
・住宅や車両の改造費

自賠責保険では、傷害による損害について、治療費や慰謝料、休業損害などを合わせて被害者1人につき最高120万円が限度です。後遺障害が認定された場合は、等級に応じて最高75万円から4,000万円の範囲で支払限度額が定められています。

入通院慰謝料

入通院慰謝料は、骨折による痛みや、入院・通院を余儀なくされた精神的苦痛に対する補償です。

金額は主に次の内容で変わります。

・入院期間
・通院期間
・実際の通院日数
・骨折の程度
・手術の有無
・治療内容
・被害者側の過失割合
・適用する慰謝料基準

慰謝料の算定基準には、自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準・裁判基準があります。

一般的には弁護士基準が最も高くなる傾向がありますが、事故状況や治療経過によって金額は異なります。

休業損害

脊椎圧迫骨折によって仕事を休み、収入が減少した場合は、休業損害を請求できる可能性があります。

会社員、公務員、パート・アルバイト、自営業者だけでなく、家事従事者も家事へ従事できなかった期間や程度に応じて対象になる場合があります。

ただし、休んだ日がすべて無条件に認められるわけではありません。

骨折の状態、仕事内容、医師の指示、実際の減収などを確認して算定されます。

脊椎圧迫骨折と後遺障害認定

治療を続けても脊柱の変形、運動制限、痛み、しびれなどが残り、医師が症状固定と判断した場合は、後遺障害等級認定を申請できる可能性があります。

後遺障害は、圧迫骨折と診断されただけで自動的に認定されるものではありません。

次の内容などが審査されます。

・事故状況
・骨折の部位
・椎体の圧潰率や変形
・レントゲン、CT、MRIの画像
・脊柱の後弯や側弯
・脊柱の可動域
・神経学的検査
・残っている痛みやしびれ
・治療経過
・仕事や日常生活への影響
・後遺障害診断書の内容
・事故前の骨粗鬆症や既往症

後遺障害等級表には、脊柱の著しい変形・運動障害、脊柱の変形、神経症状などに関する項目があります。具体的な等級は画像所見や機能障害の程度によって判断されます。

後遺障害が認定された場合の補償

後遺障害等級が認定されると、主に次の損害を請求できる可能性があります。

後遺障害慰謝料

背骨の変形、運動制限、神経症状などが残った精神的・肉体的苦痛に対する補償です。

逸失利益

後遺障害によって労働能力が低下し、将来得られたはずの収入が減少することに対する補償です。

後遺障害が認定されると、等級に応じた慰謝料や逸失利益が損害賠償の対象になります。

症状固定後の治療費

症状固定とは、治療を続けても大きな改善が期待できない状態をいいます。

一般的に、症状固定後の治療費は、事故の相手へ請求できる治療費の対象から外れることがあります。

ただし、症状固定の時期は保険会社だけが決めるものではありません。

主治医へ現在の骨の状態、今後の治療効果、追加検査の必要性などを確認することが重要です。

後遺障害申請で大切なこと

脊椎圧迫骨折による後遺障害申請を検討する場合は、次の点が重要です。

・事故後できるだけ早く医療機関を受診する
・医師の指示に従って治療する
・必要な画像検査を受ける
・痛みやしびれを具体的に伝える
・仕事や日常生活への影響を記録する
・自己判断で通院を中断しない
・症状固定前に示談しない
・後遺障害診断書を医師に作成してもらう

後遺障害診断書は医師が作成します。

整骨院や鍼灸院では、後遺障害診断書を作成できません。

脊椎圧迫骨折に鍼治療は有効?

脊椎圧迫骨折に対する鍼治療の位置づけには注意が必要です。

骨折そのものを治す治療ではない

鍼治療によって、潰れた椎体を元の高さへ戻したり、骨折部分を接合したりすることはできません。

脊椎圧迫骨折の治療の中心は、整形外科で行う次の治療です。

・画像検査
・コルセットなどによる固定
・薬物療法
・リハビリテーション
・骨粗鬆症治療
・必要に応じた手術

鍼治療は、これらの治療へ置き換わるものではありません。

骨折が安定する前は行わない

骨折直後や椎体が不安定な時期、神経症状が進行している時期に、整骨院や鍼灸院の施術を優先してはいけません。

まず整形外科で骨折の安定性や神経への影響を確認する必要があります。

残った筋緊張や慢性痛への補助的な施術

骨折が癒合または安定し、医師から運動や施術の許可が出た後であれば、周辺筋肉の緊張や慢性的な痛みに対し、補助的な方法として鍼治療を検討する場合があります。

ただし、効果には個人差があり、すべての痛みやしびれに有効とは限りません。

神経の圧迫や脊椎の不安定性が原因の場合は、鍼治療で根本的に解決できない可能性があります。

しびれがある場合は再検査を優先する

リハビリ終了後も足のしびれ、筋力低下、歩行障害などが残っている場合は、鍼治療を始める前に整形外科へ相談してください。

骨片、椎体変形、椎間板、脊柱管などによる神経圧迫が残っている可能性があります。

必要に応じてMRIやCTなどの再検査が検討されます。

整形外科と鍼灸整骨院を併用する場合

脊椎圧迫骨折後の症状について鍼灸整骨院を併用する場合は、次の手順で進めてください。

1.整形外科で骨折の診断と治療を受ける
2.骨折が安定しているか確認する
3.医師へ鍼治療を受けてもよいか相談する
4.保険会社へ費用が補償対象になるか確認する
5.整形外科での定期的な診察を継続する
6.症状が悪化したら施術を中止して医師へ相談する

鍼灸施術費が自賠責保険や任意保険の対象になるかは、医師の指示、治療の必要性、保険会社の判断などによって異なります。

事前確認をせずに通院を始めると、施術費が補償されない可能性があります。

鍼治療を避けるべき状態

次のような状態では、鍼治療より医療機関での検査・治療を優先してください。

・事故直後で骨折が安定していない
・強い安静時痛がある
・足のしびれが悪化している
・足に力が入らない
・歩行が不安定
・排尿・排便障害がある
・発熱がある
・手術直後である
・傷口が治っていない
・医師から施術を止められている
・抗凝固薬を服用し出血リスクが高い

鍼灸整骨院かまたきでの対応

鍼灸整骨院かまたきでは、交通事故による脊椎圧迫骨折の骨折そのものを治療することはできません。

骨折の診断、画像検査、固定、手術、薬の処方は、整形外科などの医療機関で行います。

当院で相談を受け付けるのは、次の条件を満たす方です。

・整形外科で圧迫骨折の診断を受けている
・医療機関で必要な治療を受けている
・骨折部分が安定している
・主治医から鍼灸や施術を禁止されていない
・リハビリ後も周辺筋肉の張りや痛みが残っている
・保険会社への必要な確認が済んでいる

施術前には、診断内容、骨折部位、手術の有無、神経症状、医師の指示などを確認します。

鍼治療を行う場合も、骨折部へ直接強い刺激を加えるのではなく、身体の状態を確認しながら慎重に対応します。

次の症状がある場合は、当院への来院より医療機関を優先してください。

・足の筋力低下
・歩行障害
・排尿・排便障害
・急激に悪化するしびれ
・強い安静時痛
・発熱
・呼吸困難

慰謝料、後遺障害等級、逸失利益、示談金などの法的判断については、保険会社や交通事故に詳しい弁護士へご相談ください。

よくある質問

交通事故で脊椎圧迫骨折になることはありますか?

正面衝突、追突、車両の横転、バイクからの転倒などで背骨へ大きな力が加わると、椎体が潰れるように骨折する可能性があります。

脊椎圧迫骨折はレントゲンで分かりますか?

レントゲンで椎体の潰れや変形を確認できる場合があります。ただし、骨折直後や変形が小さい場合は、CTやMRIが必要になることがあります。

事故直後に痛くなくても後から痛みますか?

事故直後は興奮状態などによって痛みを感じにくいことがあります。数時間後や翌日以降に背中や腰の痛みが強くなる場合があります。

圧迫骨折でも歩けることはありますか?

骨折の程度によっては歩ける場合があります。歩けるから骨折していないとは限らないため、痛みがある場合は医療機関を受診してください。

圧迫骨折は自然に治りますか?

神経障害がなく安定した骨折では、コルセット、薬物療法、リハビリなどの保存療法で骨の安定を待つことがあります。ただし、すべての骨折が手術なしで改善するわけではありません。

コルセットはいつまで着けますか?

骨折の状態や年齢などによって異なります。自己判断で外さず、主治医の指示に従ってください。

長期間安静にした方がよいですか?

骨折直後は安静が必要になる場合がありますが、長期間の寝たきりは筋力低下などにつながります。医師の指示で段階的に身体を動かします。

圧迫骨折で手術が必要になるのはどのような場合ですか?

神経障害、脊椎の不安定性、大きな変形、強い痛みの持続、保存療法で改善しない場合などに手術が検討されます。

椎体形成術とは何ですか?

骨折した椎体へ骨セメントなどを注入し、椎体を安定させて痛みの軽減を図る治療です。

圧迫骨折で足がしびれることはありますか?

骨片や椎体の変形によって神経が圧迫されると、足のしびれや痛みが現れる可能性があります。

足に力が入らない場合はどうすればよいですか?

神経障害の可能性があります。鍼灸や整骨院の施術を受ける前に、早急に整形外科や救急医療機関を受診してください。

排尿・排便障害がある場合はどうすればよいですか?

重大な神経障害の可能性があります。直ちに救急医療機関を受診してください。

圧迫骨折の痛みはどれくらい続きますか?

数週間から数か月で軽くなる場合がありますが、骨折の程度や神経への影響によって長期化することがあります。

圧迫骨折で背中が丸くなることはありますか?

椎体が潰れて変形した状態で固まると、後弯変形によって背中が丸くなる可能性があります。

交通事故の圧迫骨折で慰謝料を請求できますか?

事故との因果関係と治療の必要性が認められれば、入通院慰謝料を請求できる可能性があります。

慰謝料はいくらになりますか?

入院・通院期間、治療内容、骨折の重症度、手術の有無、後遺障害、過失割合、使用する算定基準などによって異なります。

圧迫骨折で休業損害を請求できますか?

骨折によって仕事を休み、収入が減少したことを証明できれば、休業損害を請求できる可能性があります。

圧迫骨折は後遺障害になりますか?

脊柱の変形、運動制限、神経症状などが残り、後遺障害等級の要件を満たした場合は認定される可能性があります。

圧迫骨折なら必ず後遺障害が認定されますか?

必ず認定されるわけではありません。画像所見、変形の程度、運動障害、神経症状、治療経過などが審査されます。

後遺障害診断書は整骨院で書けますか?

書けません。後遺障害診断書は医師が作成します。

症状固定は保険会社が決めますか?

症状固定は医学的な判断です。治療経過を確認している主治医へ相談することが重要です。

症状固定後も治療できますか?

治療を続けることは可能ですが、一般的に症状固定後の治療費は、事故の相手へ請求できる治療費の対象外になることがあります。

圧迫骨折に鍼治療は有効ですか?

鍼治療で骨折を接合したり、潰れた椎体を元に戻したりすることはできません。骨折が安定した後に、残った筋緊張や慢性痛への補助的な施術として検討される場合があります。

骨折直後から鍼治療を受けられますか?

骨折が安定していない時期は、医療機関での検査、固定、治療を優先します。主治医の許可なく鍼治療を始めないでください。

リハビリ終了後も痛い場合は鍼治療を受けられますか?

骨折が安定し、医師が施術を禁止していなければ、補助的な方法として検討できる場合があります。ただし、先に痛みの原因を医療機関で確認してください。

しびれが残っている場合も鍼治療を受けられますか?

しびれがある場合は、神経圧迫が残っていないか医療機関で確認することが先です。筋力低下や歩行障害を伴う場合は、鍼治療より再検査を優先してください。

鍼治療費は自賠責保険から支払われますか?

医師の指示や治療の必要性、保険会社の承認などが必要になる場合があります。施術を開始する前に主治医と保険会社へ確認してください。

整形外科と鍼灸整骨院を併用できますか?

主治医と保険会社へ相談し、骨折が安定していることを確認したうえで併用できる場合があります。

示談はいつ行えばよいですか?

治療が終了し、後遺障害申請の必要性を確認して、損害全体が確定してから示談するのが基本です。

まとめ

交通事故による脊椎圧迫骨折は、椎体が強い力で押し潰されるように骨折する重い外傷です。

主な症状には、背中や腰の強い痛み、動作制限、足のしびれ、筋力低下などがあります。

特に、足に力が入らない、歩けない、排尿・排便障害がある場合は、重大な神経障害の可能性があるため、早急な医療対応が必要です。

治療の中心は次のとおりです。

・整形外科での画像検査
・コルセットなどによる固定
・薬物療法
・適切な時期からのリハビリ
・骨粗鬆症治療
・必要に応じた手術

後遺症として脊柱の変形、運動制限、慢性的な痛み、しびれなどが残った場合は、後遺障害等級認定を申請できる可能性があります。

ただし、圧迫骨折と診断されたことだけで自動的に等級が認定されるわけではありません。

鍼治療は、骨折を治したり椎体を元に戻したりする治療ではありません。

骨折が安定し、主治医の許可を得た後に、残った筋肉の緊張や慢性的な痛みに対する補助的な施術として検討するものです。

リハビリ後も痛みやしびれが残っている場合は、最初に整形外科で骨や神経の状態を再確認し、そのうえで鍼灸施術を併用できるか相談しましょう。