
交通事故を起こした直後、相手から「大丈夫です」「ケガはありません」「車にもほとんど傷がないので警察は呼ばなくていいです」と言われることがあります。
相手が大丈夫だと言っていると、「それなら警察を呼ばなくても問題ないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、交通事故が発生した場合は、相手が「大丈夫」と言っていても、当事者だけの判断でその場を離れず、警察へ事故を報告することが重要です。
道路交通法第72条では、交通事故が起きた場合、運転者などに車両の停止、負傷者の救護、道路上の危険防止、警察への報告を求めています。相手が「警察を呼ばなくていい」と言ったからといって、この報告義務がなくなるわけではありません。
また、事故直後は緊張や興奮によって痛みに気づかず、帰宅後や翌日に首の痛み、腰痛、頭痛、吐き気、しびれなどが出ることがあります。警察へ届け出ず当事者同士だけで別れると、後から事故の事実や損傷内容を説明しにくくなり、保険手続きでも問題になる可能性があります。元原稿でも、この「事故直後は症状が分からない」「警察へ届けないと後でトラブルになりやすい」という点が明確に整理されています。
この記事では、被害者が「大丈夫です」と言っていても警察を呼ぶべき理由、軽い接触事故や物損事故でも警察へ連絡する必要がある理由、相手がその場から帰ってしまった場合の対応、交通事故証明書や保険手続きとの関係について解説します。
- 1 相手が「大丈夫」と言っても警察を呼ぶべき?
- 2 なぜ事故直後に「大丈夫です」と言ってしまうの?
- 3 軽い接触事故でも警察を呼ぶ必要がある?
- 4 物損事故でも警察への報告は必要?
- 5 相手が「警察を呼ばないで」と言ったらどうする?
- 6 相手が大丈夫と言って帰ったら「ひき逃げ」になる?
- 7 相手が立ち去ってしまった場合はどうする?
- 8 なぜ警察へ届け出ることが重要なの?
- 9 警察を呼ばなかった場合に起こり得るトラブル
- 10 事故直後に痛みがなくても病院へ行くべき?
- 11 「大丈夫」と言っていても救急車を呼ぶべき場合
- 12 交通事故が起きたときの正しい対応
- 13 その場で示談しない
- 14 よくある質問
- 15 交通事故後に首や腰が痛む方へ
- 16 まとめ
相手が「大丈夫」と言っても警察を呼ぶべき?
結論からいうと、交通事故が起きた場合は警察へ報告してください。
相手が「ケガはない」「警察は呼ばなくていい」「急いでいるから帰りたい」と言っていても、当事者間の合意だけで警察への報告を省略することはできません。
道路交通法第72条では、交通事故が起きた場合に運転者などが直ちに車両を停止し、負傷者を救護し、道路上の危険を防止するなど必要な措置を取ったうえで、事故の日時・場所、死傷者や損壊物の状況などを警察へ報告することを定めています。
したがって、
「相手が大丈夫と言った=警察を呼ばなくてよい」
ではありません。
なぜ事故直後に「大丈夫です」と言ってしまうの?
交通事故の被害者が「大丈夫です」と言っていても、本当にケガがないとは限りません。
事故直後には緊張や動揺が強く、自分の身体の状態を正確に把握できないことがあります。その場では痛みがなくても、時間が経ってから首や肩の痛み、腰痛、頭痛、吐き気、めまい、手足のしびれなどが出る場合があります。
また、警察を呼ぶと時間がかかるため、「急いでいるから」「大ごとにしたくないから」という理由で警察を呼ばなくてよいと言う人もいます。
しかし、事故が軽く見えることや当事者が急いでいることは、警察へ報告しなくてよい理由にはなりません。
軽い接触事故でも警察を呼ぶ必要がある?
軽い事故でも、交通事故が発生した場合は警察へ報告してください。
たとえば、駐車場で隣の車へドアをぶつけた、低速で前の車へ追突した、ミラー同士が接触した、自転車と軽く接触した、ガードレールへぶつかったといった事故です。
外見上はほとんど傷がないように見えても、車内部の部品やセンサーなどが損傷している場合があります。
また、人についても、事故直後には症状がなくても後から痛みが出る可能性があります。
そのため、「傷が小さいから警察は不要」と自己判断しないことが大切です。
物損事故でも警察への報告は必要?
必要です。
警察への報告義務は、人が負傷した人身事故だけに限定されているわけではありません。
車、塀、ガードレールなど物が損傷した事故についても、交通事故として警察へ報告する必要があります。
「修理代はこちらで払います」「連絡先だけ交換しましょう」と当事者同士で済ませるのではなく、まず警察へ事故を届けてください。
相手が「警察を呼ばないで」と言ったらどうする?
相手が警察への通報を嫌がった場合でも、事故が起きた以上は警察へ連絡します。
「後からトラブルにならないように警察へ連絡します」「事故なので正式に届け出ます」と落ち着いて伝えましょう。
相手が帰ろうとしても、無理に身体をつかんだり、車の前へ立って進路をふさいだりすることは避けてください。
相手が立ち去った場合には、自分までその場を離れず、安全を確保したうえで110番し、相手が「大丈夫」と言って立ち去ったこと、相手の特徴、車両ナンバー、車種、色、進行方向など分かる範囲の情報を警察へ伝えます。
相手が大丈夫と言って帰ったら「ひき逃げ」になる?
「大丈夫」と言われて現場を離れたからといって、すべてのケースで自動的にひき逃げが成立するわけではありません。
事故の状況、相手が実際に負傷していたか、運転者が負傷を認識できたか、停止・救護を行ったか、警察へ報告したかなどによって個別に判断されます。
ただし、人の死傷を伴う交通事故で必要な救護などをせずに立ち去った場合には、道路交通法上の救護義務違反が問題となる可能性があります。
重要なのは、相手が「大丈夫」と言ったことだけを理由に、自分の判断で現場から立ち去らないことです。
相手が立ち去ってしまった場合はどうする?
相手が「大丈夫なので帰ります」と言って立ち去ってしまっても、自分まで帰ってはいけません。
まず安全な場所へ車を止め、警察へ事故の状況を報告します。
伝えられる範囲で、事故の日時・場所、接触状況、相手が立ち去ったこと、相手の特徴、車両や自転車の特徴、ナンバー、進行方向、車や物の損傷状況などを説明します。
ドライブレコーダーの映像がある場合は、上書きされないよう保存してください。
なぜ警察へ届け出ることが重要なの?
警察へ届け出る重要な理由の一つが、交通事故が発生した事実を記録として残すためです。
自動車安全運転センターでは、警察から提供された資料に基づいて交通事故証明書を交付しています。
そして、同センターは明確に、
警察への届出がない事故については交通事故証明書を発行できない
と案内しています。
交通事故証明書は、自動車保険の保険金請求などで利用される重要な書類です。
警察を呼ばなかった場合に起こり得るトラブル
警察へ事故を届けずに当事者同士だけで別れると、後から事故の事実や状況について意見が食い違う可能性があります。
「事故は起きていない」「その傷は事故前からあった」「そんなに強くぶつかっていない」「相手が急に飛び出した」などの主張が出てくることも考えられます。
さらに、警察への届出がなければ交通事故証明書を取得できず、保険手続きが複雑になる可能性があります。自動車安全運転センターも、証明を希望する事故が警察に届け出られていることを交通事故証明書の申請条件としています。
事故直後に痛みがなくても病院へ行くべき?
交通事故後に首や腰などへ少しでも痛みや違和感がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
事故直後には何ともなくても、帰宅後や翌日になって首の痛み、腰痛、頭痛、吐き気、めまい、しびれなどが出ることがあります。
症状が出た場合は、受診時に「交通事故後から症状が出た」ことと、事故が発生した日時、身体のどこへどのような衝撃が加わったかを医師へ伝えましょう。
「大丈夫」と言っていても救急車を呼ぶべき場合
相手本人が「大丈夫」と言っていても、意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応がおかしい、頭を強く打っている、激しい頭痛がある、繰り返し吐いている、呼吸が苦しい、胸や腹部に強い痛みがある、大量に出血している、手足に力が入りにくい、立てない、けいれんしているなどの症状がある場合には119番へ連絡してください。
負傷者をむやみに動かすと状態を悪化させる可能性があります。車両火災や後続車による衝突など、その場にいること自体が危険な場合を除き、救急隊の指示を受けながら対応してください。
交通事故が起きたときの正しい対応
事故が起きたら、基本的には次の順番で対応します。
- 直ちに車を停止する
- 負傷者の状態を確認し、必要なら119番する
- 二次事故を防ぐ
- 110番して警察へ事故を報告する
- 相手の氏名・連絡先・車両情報・保険情報を確認する
- 車両や事故現場を写真・動画で記録する
- 目撃者がいれば連絡先を確認する
- 自分の保険会社へ事故を報告する
- 身体に違和感があれば早めに医療機関を受診する
事故直後は混乱しているため、この順番を覚えておくと対応しやすくなります。
その場で示談しない
事故現場で「警察には言わず修理代を払います」「これで終わりにしてください」「病院へ行かないと約束してください」と言われても、その場で示談を成立させるのは避けましょう。
事故直後には、身体の症状、車の修理費、休業の有無などが分からないためです。
特に、「今後一切請求しない」という内容に合意すると、後から損害が判明した場合でも追加請求が難しくなる可能性があります。
まず警察と保険会社へ連絡し、必要に応じて交通事故に詳しい弁護士へ相談してください。
よくある質問
相手が「大丈夫」と言えば警察を呼ばなくてもいいですか?
いいえ。交通事故が発生した場合、運転者には停止、負傷者の救護、危険防止、警察への報告などの義務があります。相手が「大丈夫」と言っていても警察へ報告してください。
車に傷がなければ警察を呼ばなくてもいいですか?
外見上の傷が確認できなくても、接触事故が発生した場合は警察へ報告してください。後から車両内部の損傷や身体の症状が判明することがあります。
軽い接触事故でも110番していいですか?
交通事故が発生した場合は警察へ連絡し、事故場所、負傷者の有無、車両の損傷などを伝えて指示を受けてください。
相手がその場から帰ってしまったらどうしますか?
自分まで立ち去らず、警察へ事故の状況と相手が立ち去ったことを報告してください。相手の特徴、ナンバー、車種、色、進行方向など、分かる範囲で伝えます。
物損事故でも警察への報告は必要ですか?
必要です。人身事故だけでなく、車や物が損傷した事故についても警察への報告が必要です。
事故直後に痛みがなくても病院へ行った方がいいですか?
事故後に少しでも痛みや違和感がある場合は、早めに医療機関を受診してください。その場で症状がなくても、後から首や腰の痛みなどが出た場合には速やかに受診しましょう。
警察へ届け出なければ交通事故証明書はもらえませんか?
自動車安全運転センターは、警察へ届け出られていない事故については交通事故証明書を発行できないと案内しています。
警察が過失割合を決めてくれますか?
警察が民事上の過失割合を決定するわけではありません。過失割合は事故状況や証拠などをもとに、保険会社間の交渉や裁判などで判断されます。
交通事故後に首や腰が痛む方へ
交通事故直後は「大丈夫」と思っていても、帰宅後や翌日になって首や腰の痛み、頭痛、しびれなどが出ることがあります。
事故後に首や肩の痛み、腰痛、頭痛、吐き気、めまい、手足のしびれなどが現れた場合は、まず整形外科などの医療機関を受診してください。
鍼灸整骨院かまたきでは、千葉市で交通事故後の首や腰の痛み、むちうちなどについてご相談を受け付けています。整形外科での診断内容を確認しながら、整形外科との併用や施術の進め方についてご案内します。
救急性のある症状、頭部や胸部への強い衝撃、強いしびれや麻痺などがある場合には、整骨院ではなく医療機関を優先してください。
まとめ
交通事故で相手から「大丈夫です」「警察は呼ばなくていいです」と言われても、当事者だけの判断で事故現場から立ち去るべきではありません。
道路交通法第72条では、交通事故が発生した場合、運転者などに停止、負傷者の救護、危険防止、警察への報告を求めています。相手の「大丈夫」という言葉だけで、これらの義務がなくなるわけではありません。
また、警察へ届け出ていない事故については、原則として交通事故証明書が発行されません。保険手続きや事故後のトラブルを避けるためにも、事故が起きたら警察へ報告することが重要です。

