
交差点で発生する交通事故の中でも、特に多いのが右折事故です。
右折しようとした車と直進車が衝突する「右直事故」をはじめ、右折車と歩行者、自転車、バイクとの接触事故など、さまざまなケースがあります。
右折事故に遭うと、
- 「右折した自分が必ず悪いの?」
- 「直進車がスピードを出していた場合は?」
- 「バイクとの右直事故では過失割合はどうなる?」
- 「保険会社から提示された割合に納得できない」
といった疑問を持つ方も少なくありません。
結論からお伝えすると、右折事故では直進車が優先されることが多いため、右折車の過失が大きく判断される傾向があります。
ただし、直進車の速度超過や信号無視など、事故状況によって過失割合が修正されるケースもあります。
この記事では、
- 右折事故の過失割合
- 右直事故の考え方
- バイクや歩行者との事故
- 過失割合が修正されるケース
- 保険会社との対応
- 交通事故後の通院方法
について分かりやすく解説します。
右折事故の過失割合とは?
右折事故とは、車が右折する際に他の車両や歩行者、自転車などと接触する交通事故のことです。
交差点では直進車が優先されることが多いため、右折車には安全確認を十分に行う義務があります。
そのため、右折車が対向車線を横切る際に事故が起きた場合は、右折車の過失が大きくなることが一般的です。
ただし、事故の状況によっては直進車側にも過失が認められる場合があります。
過失割合とは?
過失割合とは、交通事故が発生した原因について、それぞれの当事者にどの程度の責任があるのかを割合で示したものです。
例えば、
- 車80%:相手20%
- 車70%:相手30%
- 車100%:相手0%
のように表されます。
過失割合は、車両の修理費だけでなく、治療費や慰謝料などにも影響するため、交通事故では非常に重要です。
警察が過失割合を決めるわけではない
「警察が過失割合を決める」と思われる方もいますが、実際には警察は過失割合を決定しません。
警察は、
- 現場検証
- 実況見分
- 交通違反の確認
- 当事者からの事情聴取
などを行います。
その後、保険会社が事故状況や判例をもとに過失割合を提示します。
提示された割合に納得できない場合は、根拠を確認することが大切です。
右直事故とは?
右直事故とは、右折する車と直進する車・バイクが衝突する交通事故です。
交差点事故の中でも特に多く発生しています。
一般的には、直進車が優先されるため、右折車の責任が大きくなるケースが多く見られます。
右折車の注意義務
右折車は、
- 対向車線の安全確認
- バイクの見落とし防止
- 横断歩道の歩行者確認
- 自転車の確認
など、多くの安全確認を行う必要があります。
特に夜間や雨天時はバイクが見えにくくなるため、慎重な運転が求められます。
直進車が優先される理由
道路交通法では、交差点では原則として直進車が優先されます。
そのため、右折車は直進車の進行を妨げないよう注意しながら右折しなければなりません。
右折を急いだ結果、直進車と接触した場合は、右折車の過失が大きく判断される傾向があります。
右折事故で右折車の過失が大きくなりやすいケース
事故状況によっては、右折車の責任が大きくなることがあります。
対向車を見落として右折した
対向車が接近しているにもかかわらず右折した場合、十分な安全確認を怠ったと判断される可能性があります。
特に、
- 夜間
- 雨天
- 見通しの悪い交差点
では、慎重な確認が必要です。
バイクを見落とした
右折事故では、「車は見えたけれどバイクは見えなかった」というケースが少なくありません。
バイクは車体が小さいため距離感を誤りやすく、右直事故につながることがあります。
しかし、「見えなかった」ことだけでは過失がなくなるわけではありません。
右折前には対向車線全体を十分に確認する必要があります。
横断歩道の歩行者を見落とした
右折時は対向車だけでなく、横断歩道を渡る歩行者や自転車にも注意しなければなりません。
横断歩道を横断している歩行者と接触した場合、右折車の責任が大きく判断されることがあります。
右折を急いだ
対向車が近づいているにもかかわらず、「間に合うだろう」と判断して右折した結果、事故が発生するケースがあります。
このような場合は、安全確認不足と判断されることがあります。
交通事故の過失割合について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 交通事故の過失割合でもめたらどうする?納得できないときの対処法を解説【千葉市】
https://kamataki-seikotsu.net/trivia/kasitsu-momeru/
右折事故でも右折車だけが悪いとは限らない
右折事故では、右折車の過失が大きく判断されることが一般的ですが、必ず右折車だけに責任があるわけではありません。
直進車やバイクにも事故の発生につながる事情がある場合は、過失割合が修正されることがあります。
そのため、保険会社から提示された過失割合をそのまま受け入れるのではなく、事故状況を確認することが大切です。
直進車が速度超過をしていた場合
交差点では直進車が優先されますが、制限速度を大きく超えて走行していた場合には、直進車にも一定の過失が認められることがあります。
例えば、
- 制限速度40km/hの道路を70km/h以上で走行していた
- 著しい速度超過により右折車が接近を予測できなかった
- 速度超過によって事故を回避できなかった
といった場合には、直進車側の過失割合が修正される可能性があります。
直進車が信号無視をしていた場合
右折車が青信号で右折を開始したにもかかわらず、対向車が赤信号を無視して進入してきた場合は、直進車側の責任が大きくなることがあります。
このような事故では、ドライブレコーダー、防犯カメラ、目撃者の証言などが重要な証拠になります。
信号無視事故については、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 信号無視の交通事故は過失割合10対0になる?例外・証拠・保険会社対応を解説【千葉市】
https://kamataki-seikotsu.net/trivia/ignoringtrafficlight/
直進車がスマートフォンを見ながら運転していた場合
スマートフォンを操作しながら運転していた場合や、前方不注意が認められる場合には、直進車側にも過失が認められる可能性があります。
交差点では、優先道路を走行していても周囲の安全確認を行う義務があります。
右折事故の代表的なパターン
右折事故にはさまざまなパターンがあります。
事故の状況によって過失割合の考え方も異なります。
右折車と直進車(右直事故)
最も多い右折事故です。
交差点で右折しようとした車が、対向車線を直進してきた車と衝突する事故です。
一般的には直進車が優先されるため、右折車の責任が大きく判断される傾向があります。
しかし、直進車の速度超過、信号無視、前方不注意などがある場合には、直進車側にも過失が認められることがあります。
右折車とバイクの事故
右折事故では、バイクとの事故も多く発生しています。
バイクは車体が小さいため、「遠くにいると思った」「見落としてしまった」という理由で右折を開始し、衝突するケースがあります。
しかし、右折車には対向車全体を確認する義務があります。
また、バイク側も
- 著しい速度超過
- 危険な追い越し
- 信号無視
などがある場合には、過失割合へ影響することがあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
▶ バイク事故の過失割合とは?事故パターン別の目安や修正されるケースを解説【千葉市】
https://kamataki-seikotsu.net/trivia/baikukasitsu/
右折車と自転車の事故
交差点では、自転車が横断歩道や自転車横断帯を通行していることがあります。
右折時に確認不足で自転車と接触した場合、右折車側の責任が大きく判断されることがあります。
特に、子ども、高齢者との事故では、慎重な安全確認が必要です。
右折車と歩行者の事故
右折先の横断歩道では、歩行者が優先されます。
そのため、歩行者が横断中にもかかわらず右折した場合には、右折車側の過失が大きくなることがあります。
夜間や雨の日など、歩行者が見えにくい状況でも、十分な確認が求められます。
右折車同士の事故
交差点で双方が右折しようとして接触する事故もあります。
どちらが先に右折を開始したのか、進行方向、安全確認の状況などによって過失割合が判断されます。
右折事故で過失割合が変わるポイント
事故状況によっては、基本の過失割合が修正されることがあります。
ドライブレコーダー
右折事故では、「相手が速かった」「信号は青だった」「急に右折してきた」など、双方の主張が食い違うことがあります。
ドライブレコーダーがあれば、
- 信号の色
- 車両の速度
- ブレーキのタイミング
- 車線位置
などを客観的に確認できます。
事故後はデータが上書きされないよう保存しましょう。
防犯カメラ
交差点付近の店舗や施設の防犯カメラに事故状況が映っていることがあります。
防犯カメラの映像は一定期間で削除されることが多いため、早めに確認することが重要です。
目撃者の証言
第三者の証言は、信号の色や事故状況を確認する重要な資料になることがあります。
目撃者がいる場合は、連絡先を確認しておくと安心です。
事故現場の写真
事故直後は、
- 車両の位置
- ブレーキ痕
- 信号機
- 道路標示
- 損傷箇所
などを写真に残しておきましょう。
事故状況を客観的に確認する資料になります。
保険会社から提示された過失割合に納得できない場合
右折事故では、「直進車がスピードを出していたのに考慮されていない」「相手の信号無視が反映されていない」など、提示された過失割合に納得できないことがあります。
そのような場合は、まず保険会社へ次の点を確認しましょう。
- どの判例を参考にしたのか
- どの証拠をもとに判断したのか
- 自分に過失がある理由
- 相手の過失をどのように評価したのか
必要に応じて、
- ドライブレコーダー
- 防犯カメラ映像
- 写真
- 目撃者の証言
などを提出することで、過失割合が見直される可能性があります。
過失割合でもめた場合の対処法については、こちらの記事をご覧ください。
▶ 交通事故の過失割合でもめたらどうする?納得できないときの対処法を徹底解説【千葉市】
https://kamataki-seikotsu.net/trivia/kasitsu-momeru/
右折事故で多いケガ
右折事故は交差点内で発生することが多く、側面衝突(出会い頭事故)や右直事故では身体に強い衝撃が加わります。
事故直後は症状が軽く感じられても、時間が経ってから痛みやしびれなどが現れることも少なくありません。
特に次のような症状が多くみられます。
むちうち(頚椎捻挫)
右折事故では、衝突の瞬間に首が大きく揺さぶられることで、むちうちになることがあります。
代表的な症状は、
- 首の痛み
- 首が回らない
- 頭痛
- めまい
- 吐き気
- 肩の重だるさ
などです。
事故直後には症状がなくても、翌日や数日後に現れるケースもあるため注意が必要です。
腰痛
シートベルトで身体が固定された状態で衝撃を受けると、腰に大きな負担がかかることがあります。
次のような症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 腰の痛み
- 動き始めの痛み
- 足のしびれ
- 前かがみがつらい
肩・背中の痛み
右折事故では、ハンドル操作や衝撃によって肩や背中の筋肉へ負担がかかることがあります。
事故直後よりも、数日後に筋肉の緊張が強くなり痛みが出るケースもあります。
頭痛・めまい・吐き気
交通事故後の頭痛やめまい、吐き気は、首への衝撃や自律神経への影響によって起こることがあります。
一方で、重大なケガが隠れている可能性もあるため、症状がある場合は自己判断せず医療機関を受診してください。
MRIで異常がないと言われても症状が続くケースについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶ MRIで異常なしと言われたのに首が痛い原因とは?交通事故後によくある症状を解説【千葉市】
https://kamataki-seikotsu.net/trivia/mrinasi/
右折事故後にやるべきこと
事故直後の対応は、その後の保険手続きや治療にも影響します。
慌てず、次の流れで対応しましょう。
1. 安全を確保する
まずは二次事故を防ぐため、安全な場所へ移動します。
ケガ人がいる場合は無理に動かさず、119番へ連絡してください。
2. 警察へ連絡する
物損事故と思っていても、後から痛みが出ることがあります。
事故の大小に関係なく、必ず警察へ連絡しましょう。
事故証明書は保険手続きで必要になることがあります。
3. 相手の情報を確認する
次の情報を確認しておきましょう。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 車のナンバー
- 保険会社
- 保険証券番号
可能であれば、免許証や保険証券の写真も撮影しておくと安心です。
4. 現場を写真で記録する
事故直後は、
- 車両の位置
- 損傷箇所
- ブレーキ痕
- 信号機
- 道路標示
などを撮影しておきましょう。
後から事故状況を確認する際の重要な資料になります。
5. 医療機関を受診する
症状が軽くても、早めに整形外科を受診しましょう。
事故から長期間経って受診すると、事故との因果関係が問題になることがあります。
整形外科と整骨院は併用できる
交通事故後は、整形外科で診察・検査を受けながら、整骨院へ通院するという方法を選ばれる方も多くいらっしゃいます。
整形外科では、
- 診断
- レントゲン
- MRI
- 診断書作成
などが行われます。
一方、整骨院では身体の状態を確認しながら施術を受けることができます。
交通事故後の通院方法について詳しくはこちらをご覧ください。
▶ 交通事故で整形外科と整骨院は併用できる?通院方法と保険会社への対応を解説【千葉市】
https://kamataki-seikotsu.net/accident/jikoheiyoulp/
よくある質問(FAQ)
Q. 右折事故は右折車が必ず悪くなりますか?
A. 必ずではありません。右折車の過失が大きくなる傾向はありますが、直進車の速度超過や信号無視、前方不注意などがある場合は、過失割合が修正されることがあります。
Q. バイクとの右直事故では車の責任が大きくなりますか?
A. バイクは車体が小さく見落とされやすいため、右折車の安全確認不足が認められるケースがあります。ただし、バイク側にも著しい速度超過などがあれば、過失割合へ影響することがあります。
Q. 保険会社から提示された過失割合に納得できません。
A. どの判例や証拠をもとに判断したのか確認しましょう。ドライブレコーダーや防犯カメラ映像、目撃者の証言などによって見直される可能性があります。
Q. 右折事故のあと、翌日に首が痛くなりました。
A. むちうちは事故直後ではなく、翌日以降に症状が現れることがあります。痛みや違和感がある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。
Q. 右折事故でも整骨院へ通院できますか?
A. 症状があり、必要性が認められる場合は整骨院へ通院できるケースがあります。まずは整形外科を受診し、その後に整骨院との併用を検討すると安心です。
まとめ
右折事故では、交差点で直進車が優先されることが多いため、右折車の過失が大きく判断される傾向があります。
しかし、
- 直進車の速度超過
- 信号無視
- 前方不注意
- ドライブレコーダー映像
などの状況によっては、過失割合が修正されることもあります。
また、事故後は首や腰の痛み、頭痛などの症状が数日後に現れるケースも少なくありません。
事故直後は症状が軽くても、自己判断せず医療機関を受診することが大切です。
過失割合に納得できない場合は、証拠を整理したうえで保険会社へ確認し、必要に応じて弁護士などの専門家へ相談することも検討しましょう。
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