自動車保険の等級はいつ下がる?下がらないケースとの違いを徹底解説

交通事故に遭ったときや車をぶつけてしまったとき、次のように迷う方は少なくありません。

「自動車保険を使うと、いつ等級が下がるのか」

「保険会社へ事故を連絡しただけでも等級は下がるのか」

「相手に過失がある事故でも、自分の車両保険を使うと等級が下がるのか」

「弁護士費用特約を使うと、翌年の保険料は高くなるのか」

自動車保険の等級は、事故を起こした時点や保険会社へ連絡した時点ですぐに下がるものではありません。

一般的には、保険金の支払い対象となった事故の内容に応じて、次回の契約更新時に等級が下がります。

ただし、事故の種類や使った補償によって、次の3つに分かれます。

・3等級ダウン事故
・1等級ダウン事故
・ノーカウント事故

この記事では、自動車保険の等級が下がる時期、3等級下がる事故と1等級下がる事故、保険を使っても等級が下がらないケース、保険を使うか迷ったときの判断方法について詳しく解説します。

目次

自動車保険の等級とは?

自動車保険の等級は、正式には「ノンフリート等級」と呼ばれます。

一般的な個人向け自動車保険では、1等級から20等級までの20段階に分けられており、事故歴などに応じて保険料の割増率・割引率が決まります。

基本的には、等級が高いほど保険料の割引が大きくなり、等級が低いほど保険料が高くなります。

初めて自動車保険へ加入する場合は、原則として6等級から始まります。一定の条件を満たす2台目以降の契約では、7等級から始められる場合があります。

ノンフリート契約とは?

ノンフリート契約とは、一般的に契約者が所有・使用する自動車の総台数が9台以下の場合に適用される契約です。

10台以上を所有・使用する契約者については、フリート契約として扱われることがあります。

元記事では「車種や運転者ごとの条件で結ぶ契約」と説明されていましたが、ノンフリートとフリートの区分は、主に契約者が所有・使用する車の台数によって判断されます。

等級はどのように上がる?

1年間の保険期間中に等級へ影響する事故がなければ、一般的には次回更新時に等級が1つ上がります。

例えば、現在10等級の人が1年間無事故で契約を更新すると、翌契約は11等級になります。

ただし、等級の上限は20等級です。

20等級の人が無事故で更新しても、21等級にはならず、20等級のまま継続します。

自動車保険の等級はいつ下がる?

自動車保険の等級は、通常、事故を起こしたその日に下がるわけではありません。

保険金の支払い対象となった事故の内容に応じて、次回の保険契約を更新するときに等級が下がります。

例えば、保険期間が2026年4月1日から2027年4月1日までで、その途中に3等級ダウン事故が1件あった場合は、原則として2027年4月1日から始まる次の契約で3等級下がります。

現在が15等級なら、次回更新時は12等級になります。

事故を保険会社へ連絡しただけでは等級は下がらない

事故が発生したことを保険会社へ連絡しただけで、直ちに等級が下がるわけではありません。

等級への影響は、最終的にその事故について保険金が支払われるか、どの補償を使うか、事故区分がどう判断されるかによって決まります。

そのため、等級が下がることを心配して事故の連絡を遅らせるのはおすすめできません。

事故が発生したら、まず警察へ届け出たうえで、保険会社や代理店へ連絡してください。

その後、修理費や将来の保険料への影響を確認してから、実際に保険金を請求するかを検討できる場合があります。

ただし、一度保険金が支払われた後に請求を取り消せるかは、保険会社や事故処理の進み方によって異なります。

自動車保険を使うと必ず等級が下がる?

自動車保険を使っても、必ず等級が下がるわけではありません。

事故や補償の種類によって、次の3つに分けられます。

3等級ダウン事故

次回更新時に、事故1件につき3等級下がります。

あわせて、一般的には事故有係数適用期間が3年加算されます。

1等級ダウン事故

次回更新時に、事故1件につき1等級下がります。

一般的には事故有係数適用期間が1年加算されます。

ノーカウント事故

等級計算上、事故がなかったものとして扱われます。

他に等級へ影響する事故がなければ、次回更新時に1等級上がります。

3等級下がる主なケース

3等級ダウン事故とは、保険を使った事故のうち、1等級ダウン事故やノーカウント事故に該当しない事故です。

一般的には、交通事故で相手にケガをさせた場合、相手の車や物を壊した場合、自分の車を衝突で壊した場合などが該当します。

対人賠償保険を使った場合

自分や補償対象となる運転者が交通事故を起こし、相手にケガをさせたり死亡させたりして、対人賠償保険を使った場合は、一般的に3等級ダウン事故になります。

例えば、次のようなケースです。

・追突して相手にむちうちを負わせた
・交差点で歩行者と接触した
・自転車利用者をはねてケガをさせた
・同乗者以外の第三者にケガを負わせた

対人賠償保険では損害額が高額になる可能性があるため、等級ダウンだけを理由に保険を使わないという判断は現実的ではありません。

対物賠償保険を使った場合

事故で相手の車、建物、電柱、ガードレール、店舗の商品などを壊し、対物賠償保険を使った場合も、一般的には3等級ダウン事故になります。

例えば、次のような事故です。

・駐車場で他人の車にぶつけた
・店舗へ車で衝突した
・電柱や道路標識を壊した
・相手車両の修理費を対物賠償保険で支払った

物損事故でも、修理費だけでなく代車費用、休車損害、営業損害などが発生し、賠償額が高くなる場合があります。

衝突事故で車両保険を使った場合

自分の車を電柱、壁、ガードレールなどへぶつけ、車両保険を使って修理した場合は、一般的に3等級ダウン事故です。

車同士の衝突事故で自分の車両保険を使った場合も、原則として3等級ダウン事故となります。

例えば、次のようなケースです。

・車庫入れで壁へぶつけた
・単独事故でガードレールへ衝突した
・相手車両との衝突で自分の車を修理した
・転覆や墜落によって車が損傷した

車両保険の補償範囲は契約内容によって異なるため、単独事故などが補償対象外となる商品もあります。

当て逃げで車両保険を使った場合

駐車中や走行中に当て逃げされ、相手を特定できないまま自分の車両保険を使った場合は、一般的に3等級ダウン事故となります。

被害者に過失がない事故でも、通常の車両保険を使うと等級が下がることがある点に注意が必要です。

ただし、保険会社によっては「無過失事故に関する特約」などがあり、一定の条件を満たす事故をノーカウントとして扱う商品があります。特約の有無や適用条件は保険会社によって異なるため、個別に確認してください。

自損事故で対人・対物・車両保険を使った場合

自分の操作ミスによる単独事故でも、保険を使えば3等級ダウンとなる場合があります。

例えば、次のような事故です。

・ブレーキとアクセルを踏み間違えて建物へ衝突した
・ハンドル操作を誤ってガードレールへぶつかった
・駐車時に柱へ車体をこすった
・自宅の門扉を自分の車で壊した

ただし、自宅の門扉など、被保険者自身や一定範囲の家族が所有する物については、対物賠償保険の対象にならない場合があります。

補償されるかどうかは契約約款を確認してください。

1等級下がる主なケース

1等級ダウン事故とは、衝突や接触以外の偶然な事故などにより車両保険を使った場合に適用される事故区分です。

一般的には、運転者が注意していても防ぐことが難しい自然災害、盗難、いたずら、飛び石などが該当します。

火災や爆発による損害

自動車が火災や爆発によって損傷し、車両保険を使った場合は、一般的に1等級ダウン事故になります。

ただし、故意による事故や重大な過失がある場合など、保険金が支払われないケースもあります。

台風・竜巻・洪水・高潮による損害

台風による飛来物、洪水や高潮による水没などで車が損傷し、車両保険を使った場合は、一般的に1等級ダウン事故です。

なお、地震、噴火、津波による損害は、通常の車両保険では補償されないことが一般的です。

補償には専用特約などが必要な場合があります。

車両の盗難

契約車両が盗難に遭い、車両保険から保険金を受け取った場合は、一般的に1等級ダウン事故となります。

車内に置いていた現金やスマートフォンなどは、車両保険の補償対象外となる場合があります。

いたずらや落書き

駐車中の車に傷をつけられた、塗料をかけられた、落書きをされたなど、いたずらによる損害で車両保険を使った場合は、一般的に1等級ダウン事故です。

ただし、相手の車との衝突によって傷がついた場合や、当て逃げの場合は3等級ダウンとなることがあります。

損傷の原因によって事故区分が変わるため、保険会社による確認が必要です。

飛び石による窓ガラスの損傷

走行中の飛び石によりフロントガラスへひびが入り、車両保険を使って修理や交換をした場合は、一般的に1等級ダウン事故です。

ただし、修理費が免責金額より低ければ保険金が支払われない場合があります。

落下物・飛来物との衝突

落石、飛来物、落下物などによって車が損傷し、車両保険を使った場合も、一般的に1等級ダウン事故になることがあります。

一方で、道路上に落ちている物へ自分から衝突した場合などは、3等級ダウン事故として扱われる可能性があります。

事故の状況によって判断が異なるため、保険会社へ確認してください。

保険を使っても等級が下がらないケース

事故で保険金を受け取っても、等級計算上、事故がなかったものとして扱われる事故を「ノーカウント事故」といいます。

ノーカウント事故だけであれば、無事故の場合と同様に、次回更新時に原則として1等級上がります。

ただし、どの補償がノーカウントになるかは、保険会社や商品、特約の内容によって異なる場合があります。

人身傷害保険だけを使った場合

事故によって運転者や同乗者がケガをし、人身傷害保険だけから保険金を受け取った場合は、一般的にノーカウント事故として扱われます。

例えば、相手のいない単独事故で本人がケガをし、人身傷害保険だけを使った場合などです。

ただし、同じ事故で対人賠償保険、対物賠償保険、車両保険も使った場合は、その補償に対応した等級ダウンが発生する可能性があります。

搭乗者傷害保険だけを使った場合

搭乗者傷害保険のみを使用した場合も、一般的にはノーカウント事故です。

人身傷害保険と搭乗者傷害保険は、補償内容や保険金の支払い方法が異なります。

契約している保険の内容を確認してください。

無保険車傷害保険だけを使った場合

相手が任意保険へ加入していないなどの理由により、無保険車傷害保険のみを使った場合は、一般的にノーカウント事故として扱われます。

ただし、補償条件や支払対象は商品によって異なります。

弁護士費用特約だけを使った場合

交通事故の被害に遭い、相手方との交渉を弁護士へ依頼するために弁護士費用特約だけを使った場合は、一般的に等級へ影響しません。

そのため、もらい事故で保険会社が示談交渉を代行できない場合でも、等級ダウンを心配せず利用できる可能性があります。

ただし、保険会社へ事前連絡が必要な商品や、補償対象となる事故・費用に条件がある商品があります。

ロードサービスだけを利用した場合

バッテリー上がり、キーの閉じ込み、パンク、レッカー搬送などでロードサービスだけを利用した場合は、一般的に等級へ影響しません。

ただし、ロードサービスと同時に車両保険を使って修理した場合は、事故内容に応じて等級が下がる可能性があります。

個人賠償責任特約だけを使った場合

日常生活で他人にケガをさせたり、物を壊したりして個人賠償責任特約だけを使用した場合は、一般的に自動車保険の等級へ影響しません。

例えば、自転車で歩行者にぶつかった、子どもが他人の物を壊したなどの事故です。

ただし、補償範囲や示談交渉サービスの有無は商品によって異なります。

ファミリーバイク特約だけを使った場合

原動機付自転車などによる事故でファミリーバイク特約だけを使用した場合は、一般的に契約車両の等級へ影響しません。

ただし、対象となる車両の排気量や運転者の範囲などに条件があります。

車両無過失事故に関する特約が使える場合

信号待ちで追突された事故など、自分に過失がない事故で車両保険を使った場合でも、通常は等級が下がることがあります。

一方、無過失事故に関する特約が付いており、所定の条件を満たす場合は、車両保険を使ってもノーカウント事故として扱われる商品があります。

主な条件としては、次のようなものがあります。

・契約車両の所有者や運転者に過失がない
・相手車両との衝突・接触事故である
・相手の車や運転者が確認できる
・事故状況が客観的に確認できる
・保険会社が無過失と認める

条件は保険会社によって異なるため、事故後に必ず確認してください。

保険会社へ相談しただけならノーカウント事故にもならない

事故について保険会社へ相談し、最終的に保険金を受け取らなかった場合は、通常、等級へ影響する保険事故として数えられません。

例えば、修理費を見積もった結果、保険を使わず自己負担で修理した場合などです。

ただし、保険金を受け取った後に返金すれば必ず事故扱いを取り消せるとは限りません。

保険を使うか迷っている段階で、次回以降の保険料を試算してもらいましょう。

事故有係数適用期間とは?

等級が7等級以上の場合、同じ等級でも次の2種類の割増引率があります。

・無事故係数
・事故有係数

事故有係数は、事故歴がある契約に適用される割引率です。

同じ等級でも、事故有係数が適用される契約の方が、無事故係数の契約より保険料が高くなります。

3等級ダウン事故では3年間加算される

3等級ダウン事故が1件あると、一般的には事故有係数適用期間に3年が加算されます。

例えば、現在18等級・事故有係数適用期間0年の人が3等級ダウン事故を起こした場合、次回更新時は原則として次のようになります。

・等級:18等級から15等級
・事故有係数適用期間:0年から3年

その後、等級へ影響する事故がなければ、一般的に次のように進みます。

1年目:15等級・事故有3年
2年目:16等級・事故有2年
3年目:17等級・事故有1年
4年目:18等級・事故有0年

つまり、事故前と同じ18等級・事故有期間0年に戻るまで、通常は4回の更新が必要です。

1等級ダウン事故では1年間加算される

1等級ダウン事故が1件あると、一般的には事故有係数適用期間が1年加算されます。

例えば、15等級・事故有期間0年の人が1等級ダウン事故を起こすと、次回更新時は原則として14等級・事故有期間1年となります。

その後1年間、等級へ影響する事故がなければ、次回は15等級・事故有期間0年へ戻ります。

複数回保険を使うとどうなる?

同じ保険期間中に複数の等級ダウン事故があった場合は、それぞれの事故に応じた等級ダウン数と事故有係数適用期間が合算されます。

例えば、1年間に次の2件の事故があった場合です。

・3等級ダウン事故が1件
・1等級ダウン事故が1件

この場合、次回更新時には合計4等級下がり、事故有係数適用期間は合計4年加算されるのが一般的です。

ただし、事故有係数適用期間には上限が設けられています。

具体的な更新後の等級と適用期間は、保険会社へ確認してください。

等級が下がると保険料はいくら上がる?

等級が下がったときの保険料上昇額は、契約者によって異なります。

保険料は等級だけでなく、次の条件によっても変わるためです。

・現在の等級
・事故有係数適用期間
・年齢
・運転者の範囲
・免許証の色
・車種や型式
・車両料率クラス
・使用目的
・年間走行距離
・居住地域
・補償内容
・免責金額
・特約
・保険会社の料率改定

そのため、等級別の割引率だけを見ても、実際にいくら上がるかは分かりません。

古い割増引率表をそのまま使わない

元記事に掲載されていた割増引率表は、契約開始日や保険会社によって現在の料率と異なる可能性があります。

ノンフリート等級別の割増引率は、制度改定や保険会社の商品改定によって変わることがあります。

同じ等級でも、保険会社ごとに最終的な保険料は異なります。

正確な金額を知りたい場合は、契約中の保険会社へ次の2つを見積もってもらいましょう。

・保険を使わず更新した場合の保険料
・今回の事故で保険を使って更新した場合の保険料

さらに、事故前の等級へ戻るまでの数年間について、累計の保険料差額を確認することが重要です。

保険料の増額は翌年だけではない

3等級ダウン事故では、翌年だけでなく、その後数年間にわたって保険料へ影響します。

例えば、保険を使ったことで翌年の保険料が5万円上がり、その後も3万円、2万円と差額が続く場合、合計の負担増は10万円になります。

修理費が8万円で、保険を使うことによる保険料増加額が10万円なら、自己負担で修理した方が金銭的には有利となる可能性があります。

損害保険相談機関も、受け取る保険金より翌年以降の保険料増加額の方が高くなる場合があるため、少額事故では保険を使わない方がよいと案内されることがあると説明しています。

保険会社を変えれば等級ダウンを回避できる?

事故後に保険会社を乗り換えても、原則として等級ダウンや事故有係数適用期間をリセットすることはできません。

ノンフリート等級や事故有係数適用期間は、一定の条件のもとで他の損害保険会社や共済へ引き継がれます。

そのため、事故を申告せずに新しい保険会社へ加入することは避けてください。

正しく告知しなかった場合、契約解除や保険金が支払われないなどの問題につながる可能性があります。

保険の満期後に期間を空ければリセットできる?

保険契約を更新せず、一定期間空けてから新規契約として加入しても、不利な等級や事故情報が一定期間引き継がれる場合があります。

一方、高い等級を持っている人が長期間車に乗らなくなる場合は、中断証明書を取得することで、将来の契約へ等級を引き継げる可能性があります。

単純に契約を切れば不利な情報だけを消せるとは限りません。

契約を終了する前に保険会社へ確認してください。

車を買い替えても等級は引き継がれる?

一定の条件を満たして契約車両を入れ替える場合、原則として等級や事故有係数適用期間は新しい車へ引き継がれます。

事故で車が全損し、新しい車へ買い替えた場合でも、保険を使った事故による等級ダウンがなくなるわけではありません。

家族名義へ変更すれば等級ダウンを避けられる?

形式的に家族名義へ変更するだけで、事故による等級ダウンを自由に回避できるわけではありません。

記名被保険者、車両所有者、主な運転者、同居・別居などによって、等級を引き継げる範囲が決まります。

実態と異なる名義で契約すると、告知義務違反などの問題になる可能性があります。

契約変更は保険会社へ正確な状況を伝えたうえで行ってください。

事故で保険を使うか判断する方法

保険を使うかどうかは、修理費や賠償額だけでなく、将来の保険料増加額を含めて判断します。

1.事故区分を確認する

まず、その事故が次のどれに該当するかを保険会社へ確認します。

・3等級ダウン事故
・1等級ダウン事故
・ノーカウント事故

同じ車両保険の使用でも、衝突事故、盗難、飛び石、台風などで事故区分が異なります。

2.受け取れる保険金を確認する

修理見積額から免責金額を差し引き、実際に受け取れる保険金を確認します。

例えば、修理費が15万円で免責金額が5万円なら、支払われる車両保険金は原則として10万円です。

ただし、修理方法や時価額、全損の判定などによって異なる場合があります。

3.数年間の保険料差額を確認する

保険を使った場合と使わなかった場合について、事故前の等級へ戻るまでの保険料を比較します。

確認したいのは翌年だけではなく、数年間の累計差額です。

保険会社や代理店へ、次のように依頼するとよいでしょう。

「今回、保険を使った場合と使わない場合で、今後4年間の保険料を比較してください」

4.相手への賠償額を確認する

相手にケガをさせた事故や、高額な物損事故では、損害額が後から増える可能性があります。

相手方への賠償が必要な事故では、安易に自己負担で解決しようとせず、保険会社へ相談してください。

5.示談交渉の必要性を考える

対人事故や相手のいる物損事故では、過失割合、修理範囲、代車費用、休業損害などを巡ってトラブルになることがあります。

保険を使わない場合、保険会社による示談交渉サービスを受けられない可能性があります。

金額だけでなく、交渉や手続きの負担も含めて判断しましょう。

人身事故では等級を理由に保険を使わない方がよい?

相手にケガをさせた人身事故では、等級ダウンを避けるために対人賠償保険を使わないという判断はおすすめできません。

ケガが軽いように見えても、後から症状が強くなり、治療期間が長引くことがあります。

賠償項目には、次のようなものがあります。

・治療費
・通院交通費
・休業損害
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・介護費用

将来的に賠償額が高額になる可能性があるため、速やかに保険会社へ連絡してください。

元記事には「対物賠償保険・対物賠償保険・車両保険」とありましたが、正しくは「対人賠償保険・対物賠償保険・車両保険」です。

軽微な物損事故なら保険を使わない方がよい?

修理費が少額で、相手との争いもなく、自己負担できる場合は、保険を使わない方が総支払額を抑えられる可能性があります。

ただし、次の点に注意してください。

・後から追加の損傷が見つかることがある
・代車費用などが請求されることがある
・相手がケガを訴えることがある
・当事者同士だけの示談でトラブルになることがある
・警察への届出を省略してはいけない
・示談書を作成する必要がある場合がある

まず事故を保険会社へ報告し、修理見積もりや相手の損害額が確定してから判断することが大切です。

自分が被害者でも等級が下がることはある?

自分に過失がない事故でも、自分の保険から対物賠償保険や車両保険などを使うと、契約内容によっては等級が下がる可能性があります。

例えば、信号待ちで追突され、相手の保険会社からの支払いを待たずに自分の車両保険で修理した場合です。

ただし、無過失事故に関する特約が適用されれば、ノーカウントとなる場合があります。

一方、人身傷害保険や弁護士費用特約だけの利用であれば、一般的には等級へ影響しません。

事故後は「被害者だから等級は絶対に下がらない」と自己判断せず、使う補償ごとに確認してください。

等級が下がった後に保険料を抑える方法

等級ダウン自体をなかったことにはできませんが、補償内容を見直すことで保険料を抑えられる可能性があります。

運転者の範囲を見直す

実際に運転する人が限られている場合は、運転者限定条件を見直すことで保険料を抑えられる可能性があります。

ただし、補償対象外の人が運転して事故を起こすと、保険金が支払われない場合があります。

年齢条件を見直す

補償対象となる運転者の年齢に合わせて年齢条件を設定します。

家族の中で最も若い運転者が契約条件へ正しく反映されているか確認してください。

車両保険の免責金額を見直す

自己負担額である免責金額を高くすると、保険料を抑えられる場合があります。

ただし、事故時の自己負担は増えます。

不要な特約や補償の重複を確認する

弁護士費用特約、個人賠償責任特約、ファミリーバイク特約などは、家族の別の保険契約と補償が重複している場合があります。

必要な補償まで外さないように、保険会社や代理店へ確認してください。

複数の保険会社で見積もる

等級と事故有係数適用期間は引き継がれますが、基本保険料や割引、補償内容は保険会社によって異なります。

同じ条件で複数社を比較すると、保険料を抑えられる可能性があります。

よくある質問

自動車保険の等級は事故を起こした日に下がりますか?

通常は事故を起こした当日に下がるのではなく、保険金が支払われた事故の区分に応じて、次回の契約更新時に下がります。

保険会社へ事故を連絡しただけで等級は下がりますか?

連絡しただけでは通常、等級は下がりません。最終的に保険金を受け取るか、どの補償を使うかによって等級への影響が決まります。

保険を使わなければ等級は下がりませんか?

一般的には、保険金を請求せず自己負担で解決した事故は、等級ダウン事故として扱われません。ただし、事故は警察と保険会社へ速やかに報告してください。

自動車保険を使うと何等級下がりますか?

事故の内容によって、3等級ダウン、1等級ダウン、ノーカウントのいずれかになります。

3等級ダウン事故には何がありますか?

対人賠償保険や対物賠償保険を使った事故、衝突や接触事故で車両保険を使った場合などが一般的です。

1等級ダウン事故には何がありますか?

盗難、台風、洪水、火災、いたずら、飛び石などによる損害で車両保険を使った場合が一般的です。

ノーカウント事故とは何ですか?

保険金を受け取っても、等級計算上は事故がなかったものとして扱われる事故です。他に事故がなければ次回更新時に1等級上がります。

人身傷害保険を使うと等級は下がりますか?

人身傷害保険だけを使った場合は、一般的にノーカウント事故です。ただし、同時に車両保険や対人・対物賠償保険を使うと、その補償に応じて等級が下がる可能性があります。

弁護士費用特約を使うと等級は下がりますか?

弁護士費用特約だけの利用は、一般的に等級へ影響しません。ただし、利用前に保険会社への連絡が必要な場合があります。

ロードサービスを利用すると等級は下がりますか?

ロードサービスだけの利用であれば、一般的に等級へ影響しません。車両保険も使った場合は、事故内容によって等級が下がることがあります。

飛び石で車両保険を使うと何等級下がりますか?

一般的には1等級ダウン事故です。翌契約で1等級下がり、事故有係数適用期間が1年加算されることがあります。

台風で車が壊れた場合は何等級下がりますか?

台風による飛来物や洪水などで車両保険を使った場合は、一般的に1等級ダウン事故です。

当て逃げで車両保険を使うと等級は下がりますか?

一般的には3等級ダウン事故です。ただし、無過失事故に関する特約などが適用される場合は扱いが変わる可能性があります。

追突された被害者でも等級は下がりますか?

自分の車両保険を使うと、契約内容によっては等級が下がることがあります。無過失事故に関する特約が適用されれば、ノーカウントになる場合があります。

事故有係数適用期間とは何ですか?

事故歴のある契約に、同じ等級の無事故契約より低い割引率を適用する期間です。3等級ダウン事故では一般的に3年、1等級ダウン事故では1年加算されます。

3等級下がると何年で元に戻りますか?

事故前と同じ等級・事故有期間0年へ戻るには、一般的に4回の更新が必要です。ただし、その間に新たな事故がないことが前提です。

1等級下がると何年で元に戻りますか?

その後1年間、等級へ影響する事故がなければ、次の更新で事故前と同じ等級へ戻るのが一般的です。

同じ年に2回事故を起こすとどうなりますか?

事故ごとの等級ダウン数と事故有係数適用期間が合算されます。3等級ダウン事故が2件なら、次回更新時に合計6等級下がる可能性があります。

保険会社を変えれば等級ダウンはなくなりますか?

原則としてなくなりません。等級や事故有係数適用期間は、一定の条件のもとで新しい保険会社へ引き継がれます。

車を買い替えれば等級はリセットされますか?

一定の条件で車両入替を行う場合、等級と事故有係数適用期間は新しい車へ引き継がれます。

家族名義へ変更すれば等級ダウンを回避できますか?

形式的な名義変更だけで回避することはできません。実際の所有者や主な運転者と異なる契約は、告知義務違反などの問題になる可能性があります。

等級が下がると保険料はいくら上がりますか?

現在の等級、車種、年齢、補償内容、保険会社などによって異なります。保険を使った場合と使わない場合の数年間の保険料を、保険会社へ試算してもらいましょう。

修理費がいくらなら保険を使わない方がよいですか?

一律の基準はありません。受け取れる保険金と、事故前の等級へ戻るまでの累計保険料増加額を比較して判断します。

少額の事故でも保険会社へ連絡した方がよいですか?

連絡してください。後から損害が増えることや、相手がケガを訴える可能性があります。連絡後に保険を使わない判断ができる場合もあります。

人身事故では保険を使った方がよいですか?

相手にケガをさせた事故では、損害額が高額になる可能性があるため、速やかに対人賠償保険の保険会社へ連絡してください。

等級別の割引率はすべての保険会社で同じですか?

等級制度の基本的な考え方は共通していますが、具体的な割増引率や最終的な保険料は、保険会社や契約開始日、商品改定などによって異なります。

等級が下がった後に保険料を抑える方法はありますか?

運転者の範囲、年齢条件、車両保険の免責金額、特約の重複などを見直し、複数の保険会社で見積もる方法があります。

交通事故でケガをした方へ

自動車保険の等級は、契約者が支払う保険料に関係する仕組みです。

一方、交通事故によって生じた首や腰の痛み、頭痛、しびれなどは、等級とは分けて考える必要があります。

相手から「保険を使うと等級が下がるから、病院へ行かないでほしい」「自費で支払うから人身事故にしないでほしい」と言われても、受診を控える必要はありません。

事故直後は症状が軽くても、数時間後や翌日以降に痛みが強くなることがあります。

身体に痛みや違和感がある場合は、早めに医療機関を受診し、事故との関係を医師へ伝えてください。

鍼灸整骨院かまたきでは、千葉市で交通事故後のむちうち、腰痛、肩の痛みなどについてご相談を受け付けています。

整形外科での診断内容を確認したうえで、整形外科との併用や施術の進め方についてご案内します。

ただし、自動車保険の等級、保険料、補償の適用、過失割合などの最終的な判断は当院では行えません。

契約中の保険会社、保険代理店、必要に応じて交通事故に詳しい弁護士へご相談ください。

まとめ

自動車保険の等級は、事故が発生した日にすぐ下がるのではなく、一般的には保険金が支払われた事故の内容に応じて、次回更新時に下がります。

事故は次の3種類に分かれます。

・3等級ダウン事故
・1等級ダウン事故
・ノーカウント事故

対人賠償保険、対物賠償保険、衝突事故による車両保険の使用は、一般的に3等級ダウン事故です。

盗難、台風、洪水、いたずら、飛び石などによる車両保険の使用は、一般的に1等級ダウン事故です。

人身傷害保険、搭乗者傷害保険、弁護士費用特約、ロードサービスなどだけを利用した場合は、一般的にノーカウント事故となります。

ただし、事故区分や特約の取り扱いは、保険会社や契約内容によって異なる場合があります。

保険を使うか迷ったときは、次の金額を比較してください。

・実際に受け取れる保険金
・免責金額
・保険を使った場合の数年間の保険料
・保険を使わなかった場合の数年間の保険料
・相手方へ支払う可能性がある賠償額

等級ダウンを心配して事故報告や必要な受診を控えるのではなく、まず警察と保険会社へ連絡し、事故区分と将来の保険料を確認したうえで判断することが大切です。