「治療費は全部払うから物損にして」と言われたら要注意!被害者が知るべきリスクと対処法

交通事故でケガをしたにもかかわらず、加害者から次のように頼まれることがあります。

「人身事故になると免許停止になるかもしれないので、物損事故にしてほしい」

「治療費は全部払うから、警察にはケガがないことにしてほしい」

「会社に知られると困るので、人身事故へ切り替えないでほしい」

「保険会社には自分から話しておくから大丈夫」

事故直後は混乱していることもあり、

「治療費を払ってくれるなら問題ないだろう」

「相手にも仕事や生活があるから、協力してあげよう」

と了承してしまう方もいます。

しかし、口約束だけを信じて物損事故のままにすると、あとから治療費の支払いを拒否されたり、慰謝料や休業損害を請求しにくくなったりする可能性があります。

また、事故から受診までの期間が空くと、保険会社から「その症状は交通事故によるものではない」と因果関係を争われることもあります。

この記事では、「治療費は払うから物損事故にしてほしい」と頼まれた場合のリスク、人身事故と物損事故の違い、物損事故のままでも補償を受けられる可能性、事故後に取るべき行動について解説します。

目次

結論|ケガをしているなら口約束で物損事故にしない

交通事故によって痛みやしびれ、違和感などがある場合は、加害者の希望だけで「ケガはないこと」にしてはいけません。

被害者が取るべき基本的な対応は次のとおりです。

1.警察へ事故を届け出る
2.できるだけ早く医療機関を受診する
3.医師に事故状況とすべての症状を伝える
4.診断書を取得する
5.相手と自分の保険会社へ連絡する
6.人身事故への切り替えについて警察へ相談する
7.治療や補償が確定する前に示談しない

「治療費は払う」という言葉だけでは、支払いを法的に保証できません。

相手本人が直接払うのか、任意保険会社が対応するのか、どの治療まで認めるのか、いつまで支払うのかも分からないためです。

交通事故が起きたら警察への報告が必要

交通事故が発生した場合、車両の運転者には、負傷者の救護、道路上の危険防止、警察への報告などが求められます。

事故が小さく見えても、

「車に傷がない」

「その場では痛くない」

「相手と話がついた」

という理由だけで、警察への連絡を省略してはいけません。

警察へ届け出ていないと、交通事故証明書を取得できず、保険金請求や事故状況の立証で不利になる可能性があります。

人身事故と物損事故の違い

人身事故とは

人身事故とは、交通事故によって人が死亡または負傷した事故です。

警察庁の交通事故統計でも、人の死亡または負傷を伴う事故を人身事故としています。

対象となるケガには次のようなものがあります。

・むちうち
・打撲
・捻挫
・骨折
・脱臼
・切り傷
・頭痛やめまい
・手足のしびれ
・腰や肩の痛み

外見上の傷がなくても、医師が交通事故による負傷と診断すれば、人身事故として扱われる可能性があります。

物損事故とは

物損事故とは、人の死亡や負傷が確認されず、車、塀、ガードレール、建物、積載物などの物だけが損傷した事故です。

物損事故では、主に次の損害が問題になります。

・車両修理費
・代車費用
・レッカー費用
・壊れた物の修理・交換費
・評価損
・休車損害

人のケガに関する治療費や慰謝料は、物の損害とは別に扱われます。

警察の事故区分と保険の補償は別の問題

ここは特に誤解されやすい部分です。

警察で「物損事故」として処理されていても、それだけを理由に治療費や慰謝料が必ず支払われなくなるわけではありません。

保険会社が人身損害として対応するかどうかは、主に次の点を確認して判断します。

・実際にケガをしているか
・交通事故と症状との因果関係があるか
・治療の必要性と相当性があるか
・事故後すぐに医療機関を受診したか
・医師の診断書があるか
・治療内容や通院期間が適切か

自賠責保険は、交通事故で他人を死傷させた場合の対人損害を対象としており、傷害については治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料などが補償対象です。

ただし、自賠責保険を請求する際は、原則として人身事故の交通事故証明書などが必要です。国土交通省の案内でも、自賠責保険の請求書類として人身事故の交通事故証明書が挙げられています。

警察で物損事故として処理されている場合は、「人身事故証明書入手不能理由書」などの提出によって請求できる場合がありますが、審査が必要になり、必ず認められるとは限りません。

そのため、ケガをしているのであれば、警察へ人身事故への切り替えを相談する方が安全です。

加害者が「物損事故にしてほしい」と頼む理由

免許の点数や行政処分を避けたい

人身事故では、事故原因となった交通違反や被害者の負傷程度などに応じて、違反点数が付加される場合があります。

その結果、免許停止や免許取消しにつながる可能性があります。

加害者が仕事で車を使っている場合、

「免許停止になると働けなくなる」

「会社に事故を知られたくない」

などの理由で、物損事故のままにするよう頼んでくることがあります。

ただし、実際にどのような行政処分になるかは、事故状況、違反内容、負傷程度、過去の違反歴などによって異なります。

人身事故にしたから必ず免許停止になるわけではありません。

刑事責任を軽くしたい

人身事故では、運転上の過失によって相手を負傷させた場合、自動車運転処罰法などに基づいて捜査される可能性があります。

一方、単純な物損事故では、原則として人を負傷させたことに対する刑事責任は問題になりません。

そのため、刑事手続きを避けたいという理由で、加害者が物損事故扱いを希望することがあります。

事故処理を早く終わらせたい

人身事故では、被害者の治療が終わるまで損害額を確定できません。

一方、物損事故は車の修理費などが確定すれば、比較的早く示談できる場合があります。

加害者や保険会社にとっては、物損事故だけの方が事故処理を早く終えられる可能性があります。

会社や家族に知られたくない

業務中の事故、社用車での事故、家族に内緒で使用していた車などの場合、加害者が事故を周囲に知られたくないと考えることがあります。

しかし、加害者側の事情と、被害者が適切な治療や補償を受ける権利は別の問題です。

被害者が自分の身体や補償を犠牲にしてまで、加害者へ配慮する必要はありません。

「治療費は全部払う」という口約束のリスク

あとから支払いを拒否される

事故直後には加害者が、

「すべて責任を持つ」

「病院代は全部払う」

と話していても、実際の治療が長引くと態度が変わることがあります。

例えば、

「そんなに長く治療が必要なはずがない」

「事故とは関係のない症状ではないか」

「整骨院の費用までは払わない」

「仕事を休んだ分は払えない」

などと主張される可能性があります。

口約束だけでは、治療費の範囲、支払期間、慰謝料、休業損害まで明確になっていません。

相手と連絡が取れなくなる

事故現場で電話番号だけを交換して別れた場合、あとから電話に出なくなる可能性があります。

聞いた氏名や住所が正しい保証もありません。

事故後は必ず警察へ連絡し、相手の次の情報を確認してください。

・氏名
・住所
・電話番号
・運転免許証
・車両ナンバー
・車検証
・自賠責保険
・任意保険会社
・勤務先

加害者が無保険の場合がある

「治療費を払う」と言っていても、相手が任意保険へ加入していない場合があります。

治療が長引いたり、後遺障害が残ったりすると、賠償額が高額になる可能性があります。

加害者本人に支払能力がなければ、判決や示談書があっても、実際に回収できないことがあります。

治療費以外の補償を受けられない

交通事故による人身損害には、治療費以外にも次の項目があります。

・通院交通費
・休業損害
・入通院慰謝料
・付添看護費
・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・将来の治療費

「治療費だけ払う」という約束では、これらの補償が含まれていない可能性があります。

治療を打ち切られる

加害者が治療費を直接払う場合、治療期間が長くなるほど負担が増えます。

そのため、途中から、

「もう十分治療しただろう」

「今月で支払いを終わりにしたい」

と一方的に言われる可能性があります。

治療終了の時期は、加害者の都合だけで決めるものではありません。

症状や医学的な必要性について、主治医と相談して判断することが大切です。

示談後に追加請求できなくなる

事故現場や治療途中で、

「この金額ですべて解決する」

という内容に合意すると、原則として追加請求が難しくなります。

あとから症状が悪化したり、後遺障害が残ったりしても、治療費や慰謝料を追加請求できない可能性があります。

治療が終了し、後遺障害申請の必要性やすべての損害を確認するまで、最終的な示談をしてはいけません。

物損事故のままにする被害者側のリスク

事故とケガの因果関係を争われやすい

事故から病院受診までの期間が空くと、保険会社から、

「事故直後にはケガがなかった」

「事故とは別の原因で痛くなったのではないか」

と主張される可能性があります。

事故後に少しでも痛みや違和感がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。

交通事故証明書が物損事故扱いになる

警察で物損事故として処理されると、人身事故の交通事故証明書を取得できません。

自賠責保険の請求では追加書類が必要になり、事故とケガとの因果関係について詳しく審査される可能性があります。

実況見分調書が作成されない可能性がある

人身事故では、必要に応じて警察が実況見分を行い、事故状況を記録します。

物損事故では、一般的に人身事故ほど詳細な実況見分が行われないことがあります。

過失割合や事故状況について双方の説明が食い違った場合、証拠が少なくなり、不利になる可能性があります。

慰謝料や休業損害を請求しにくくなる

物損事故だからという理由だけで、慰謝料や休業損害が必ず認められないわけではありません。

しかし、警察では負傷者がいない事故として処理されているため、事故によるケガを証明するための資料がより重要になります。

特に、

・初診が遅い
・通院に長い空白期間がある
・診断書がない
・症状の訴えが変わっている
・事故状況と症状が合わない

といった場合は、補償を受けにくくなる可能性があります。

後遺障害認定で不利になる可能性がある

治療後も痛みやしびれが残った場合、後遺障害等級認定を申請できる可能性があります。

しかし、警察上は物損事故で、事故後の受診も遅れている場合は、事故と後遺症との因果関係を争われる可能性があります。

後遺障害認定では、次の内容が確認されます。

・事故状況
・初診までの期間
・診断名
・画像所見
・症状の一貫性
・治療経過
・通院状況
・後遺障害診断書

物損事故から人身事故へ切り替える方法

事故直後は痛みがなく、物損事故として届け出た後に症状が現れた場合は、人身事故への切り替えを警察へ相談できます。

1.早めに医療機関を受診する

まず整形外科などの医療機関を受診します。

受診時には、

・交通事故の日時
・衝突方向
・身体を打った場所
・症状が出た時期
・現在の痛みやしびれ

を医師へ具体的に伝えてください。

2.診断書を作成してもらう

交通事故による負傷であることが記載された診断書を作成してもらいます。

診断書の記載内容は、人身事故への切り替えだけでなく、保険請求でも重要です。

3.事故現場を管轄する警察署へ相談する

診断書を持参し、事故現場を管轄する警察署へ人身事故への切り替えを申し出ます。

一般的には、次の資料を準備します。

・医師の診断書
・運転免許証
・車検証
・自賠責保険証明書
・事故車両
・印鑑
・事故日時や場所のメモ

必要書類は警察署によって異なる場合があるため、事前に確認してください。

「事故から10日以内」という絶対的な期限はない

人身事故への切り替えについて、「事故から10日以内でなければならない」と説明されることがあります。

しかし、すべての事故に共通する法律上の一律な10日という期限が定められているわけではありません。

ただし、時間が経つほど、

・事故とケガの因果関係を確認しにくい
・事故現場の状況が変わる
・相手の説明が変わる
・警察が実況見分を行いにくい

などの問題が生じます。

症状が現れたら、日数を数えて待つのではなく、すぐに医療機関と警察へ相談してください。

人身事故へ切り替えられない場合

事故から時間が経過している、事故との因果関係が確認できないなどの理由で、警察が人身事故への切り替えを行わない場合があります。

その場合でも、相手の任意保険会社や自賠責保険へ人身損害を請求できる可能性があります。

必要になる可能性がある資料は次のとおりです。

・医師の診断書
・診療報酬明細書
・事故発生状況報告書
・物損事故の交通事故証明書
・人身事故証明書入手不能理由書
・事故現場の写真
・ドライブレコーダー映像
・相手とのメッセージ
・目撃者の証言

ただし、提出すれば必ず補償されるわけではありません。

事故とケガとの因果関係、治療の必要性などについて審査されます。

相手の任意保険会社が治療費を払う場合

警察上は物損事故扱いでも、相手の任意保険会社がケガを認め、医療機関へ治療費を直接支払う「一括対応」を行う場合があります。

その場合でも、次の内容を確認してください。

・治療費対応を開始するか
・どの医療機関が対象か
・整骨院との併用が認められるか
・通院交通費の請求方法
・休業損害の必要書類
・慰謝料の算定方法
・治療費対応の終了条件

電話だけでなく、担当者名や説明内容を記録しておくことが重要です。

相手が任意保険を使わない場合

加害者が、

「保険料が上がるから保険を使いたくない」

「自分で払う」

と話すことがあります。

しかし、治療費や慰謝料が高額になると、支払いを拒否する可能性があります。

相手の任意保険会社が分かる場合は、被害者側から事故報告が行われているか確認することも検討してください。

直接請求する場合は、示談書や支払合意書の作成について弁護士へ相談する方が安全です。

自分の人身傷害保険を確認する

相手の保険会社が対応しない場合や、相手と過失割合で争いがある場合は、自分や家族の自動車保険に付いている人身傷害保険を利用できる可能性があります。

人身傷害保険では、契約内容に応じて次の損害が補償される場合があります。

・治療費
・休業による損害
・精神的損害
・後遺障害による損害
・死亡による損害

人身傷害保険は、相手との示談成立を待たずに保険金を受け取れることがあります。

人身傷害保険を使っても必ず窓口負担0円とは限らない

人身傷害保険を使う場合でも、必ず医療機関の窓口負担が0円になるとは限りません。

保険会社が医療機関へ直接支払う場合もあれば、被害者が一度支払ってから保険金を請求する場合もあります。

契約内容や保険会社の運用によって異なるため、事前に確認してください。

人身傷害保険と等級

人身傷害保険だけを使用した事故は、ノーカウント事故として扱われ、翌年の等級が下がらない場合があります。

ただし、取扱いは保険会社や契約内容によって異なることがあるため、使用前に確認が必要です。日本損害保険協会も、人身傷害保険の支払いを受けてもノーカウント事故となる場合がある一方、各社で取扱いが異なる可能性があると案内しています。

健康保険を利用する方法

相手の保険会社による治療費対応が始まらない場合は、必要な手続きを行って健康保険を使える場合があります。

相手がいる交通事故で健康保険を使う場合は、加入している健康保険へ「第三者行為による傷病届」などの提出が必要になることがあります。

自費で治療を続ける前に、健康保険組合、全国健康保険協会、市区町村などへ確認してください。

加害者に頼まれたときの断り方

加害者から物損事故にするよう頼まれた場合は、次のように伝えてください。

「事故後に症状が出る可能性があるため、医療機関と警察へ相談します」

「補償については、個人間ではなく保険会社を通してください」

「治療や損害が確定する前に約束はできません」

「医師の診断を受けてから判断します」

「人身事故へ切り替えるかどうかは警察へ相談します」

相手を責めたり、その場で長く交渉したりする必要はありません。

警察と保険会社を通じて対応することが大切です。

加害者から圧力をかけられた場合

次のような対応をされた場合は、警察や弁護士へ相談してください。

・人身事故にしたら治療費を払わないと言われた
・事故の事実を否定された
・脅すような言葉を言われた
・何度も電話や訪問をされた
・診断書を出さないよう求められた
・虚偽の説明を警察へするよう求められた
・示談書への署名を急かされた

相手とのメッセージ、通話履歴、録音、書類などは削除せず保存してください。

事故後に被害者が行うこと

事故現場で行うこと

・警察へ通報する
・負傷者を確認する
・相手の情報を確認する
・事故現場を撮影する
・車の損傷を撮影する
・目撃者を探す
・ドライブレコーダー映像を保存する

事故当日から数日以内に行うこと

・医療機関を受診する
・すべての症状を医師へ伝える
・診断書を取得する
・警察へ人身事故への切り替えを相談する
・相手と自分の保険会社へ連絡する
・仕事への支障を記録する
・領収書を保存する

治療中に行うこと

・医師の指示に従って通院する
・症状や生活への支障を記録する
・自己判断で治療を中断しない
・通院に長い空白を作らない
・保険会社との会話を記録する
・示談書へ安易に署名しない

治療費以外に請求できる可能性がある損害

交通事故によるケガでは、次の損害を請求できる可能性があります。

・診察費
・検査費
・入院費
・手術費
・薬代
・通院交通費
・付添看護費
・休業損害
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
・逸失利益
・将来の治療費

相手から治療費だけを提示されても、それですべての損害が補償されたとは限りません。

治療費の打ち切りを言われた場合

相手の保険会社から、

「今月で治療費対応を終了します」

と言われる場合があります。

保険会社による一括対応が終了しても、それだけで治療を受けられなくなるわけではありません。

まだ治療が必要な場合は、主治医へ相談し、健康保険や自分の人身傷害保険を利用して治療を続ける方法があります。

支払済みの治療費を含め、最終的に示談交渉や被害者請求で請求できる可能性もあります。

交通事故後の治療はどこへ行く?

事故後に痛みやしびれがある場合は、まず整形外科などの医療機関を受診してください。

医療機関では、必要に応じてレントゲン、CT、MRIなどの検査を行います。

整骨院では、医師による診断や画像検査、診断書の作成はできません。

整骨院への通院を希望する場合は、

1.整形外科を受診する
2.医師の診断を受ける
3.医師へ整骨院併用の希望を伝える
4.保険会社へ事前に連絡する
5.整形外科への定期通院を継続する

という流れが安全です。

鍼灸整骨院かまたきでの対応

鍼灸整骨院かまたきでは、交通事故後の首、肩、腰、手足などの痛みに関する相談を受け付けています。

ただし、交通事故後に症状がある場合は、最初に整形外科などの医療機関を受診してください。

当院では次のことはできません。

・交通事故によるケガの医学的診断
・レントゲン、CT、MRI検査
・薬の処方
・診断書の作成
・後遺障害診断書の作成
・過失割合や慰謝料の法的判断
・保険会社との法律上の示談交渉

医師の診断内容と保険会社の対応を確認したうえで、整形外科との併用についてご案内します。

「物損事故のままでも施術費が補償されるか」「人身事故へ切り替える必要があるか」については、警察、保険会社、交通事故に詳しい弁護士へ確認してください。

よくある質問

加害者に「治療費を払うから物損事故にして」と言われたら応じてもよいですか?

応じない方が安全です。治療費の範囲や期間、慰謝料、休業損害などが明確でなく、あとから支払いを拒否される可能性があります。

ケガをしていても物損事故として処理されることはありますか?

事故直後にケガを申告しなかった場合などは、警察で物損事故として処理されることがあります。症状が出たら早めに受診し、人身事故への切り替えを相談してください。

物損事故のままでも治療費を請求できますか?

交通事故とケガとの因果関係や治療の必要性が認められれば、任意保険や自賠責保険から支払われる場合があります。ただし、追加書類や詳しい審査が必要になる可能性があります。

物損事故では自賠責保険を使えませんか?

自賠責保険は人の死傷による損害を補償する保険です。警察上が物損事故扱いでも、人身損害が認められれば請求できる場合がありますが、人身事故証明書入手不能理由書などが必要になることがあります。

物損事故にすると慰謝料はもらえませんか?

物損事故扱いだからという理由だけで、必ず慰謝料が支払われないわけではありません。事故による負傷と治療の必要性を証明できれば請求できる可能性があります。

加害者が直接治療費を支払う約束は有効ですか?

口約束でも合意が成立する可能性はありますが、支払範囲や期間が不明確で、証明も難しくなります。保険会社を通した対応が安全です。

口約束を録音しておけば安心ですか?

証拠の一つにはなりますが、相手に支払能力がなければ回収できないことがあります。警察と保険会社を通じて対応してください。

加害者が任意保険を使いたくないと言っていますが、従う必要がありますか?

ありません。加害者が保険を使うかどうかと、被害者が適切な補償を受ける権利は別の問題です。

加害者が無保険の場合はどうすればよいですか?

相手本人への請求、自賠責保険への被害者請求、自分の人身傷害保険や健康保険の利用などを検討します。

人身事故にすると加害者は必ず免許停止になりますか?

必ずではありません。事故状況、違反内容、ケガの程度、過去の違反歴などに応じて判断されます。

人身事故にすると加害者は必ず逮捕されますか?

必ず逮捕されるわけではありません。逃亡や証拠隠滅の可能性、事故の悪質性などによって判断されます。

物損事故なら加害者に処分はありませんか?

物損事故でも、信号無視、速度超過、酒気帯び運転などの交通違反があれば、行政処分や刑事処分を受ける可能性があります。

物損事故から人身事故へ切り替えられますか?

医療機関で診断書を取得し、事故現場を管轄する警察署へ相談することで切り替えられる場合があります。

人身事故への切り替えには期限がありますか?

一律の法律上の期限が決められているわけではありません。ただし、時間が経つほど事故とケガの因果関係を確認しにくくなるため、早めに相談してください。

事故から10日を過ぎたら切り替えられませんか?

10日を過ぎただけで必ず切り替えられなくなるわけではありません。ただし、遅れるほど警察が事故状況を確認しにくくなります。

人身事故へ切り替えられなかった場合はどうなりますか?

物損事故のままでも、人身事故証明書入手不能理由書などを提出して保険請求できる場合があります。

人身事故証明書入手不能理由書を出せば必ず補償されますか?

必ずではありません。事故とケガとの因果関係、治療の必要性などについて審査されます。

事故後は何日以内に病院へ行くべきですか?

痛みや違和感に気づいた時点ですぐに受診してください。受診が遅れるほど事故との因果関係を争われやすくなります。

事故当日は痛くありませんでしたが、翌日から痛くなりました。補償されますか?

事故状況や診断内容などから因果関係が認められれば、補償される可能性があります。早めに医療機関を受診してください。

物損事故扱いでも相手の保険会社が病院代を払うことはありますか?

あります。相手の任意保険会社が事故による負傷を認め、一括対応を行う場合があります。

相手の保険会社が治療費を払わない場合はどうしますか?

自賠責保険への被害者請求、自分の人身傷害保険、健康保険などの利用を検討します。

人身傷害保険とは何ですか?

契約内容に応じて、自分や同乗者の治療費、休業による損害、精神的損害などを補償する保険です。

人身傷害保険を使うと等級は下がりますか?

人身傷害保険だけの使用はノーカウント事故となる場合がありますが、保険会社や契約内容によって異なる可能性があるため確認が必要です。

人身傷害保険を使えば病院の窓口負担は0円ですか?

必ず0円になるとは限りません。保険会社が直接払う場合と、被害者が一度立て替える場合があります。

交通事故でも健康保険を使えますか?

必要な手続きを行うことで使える場合があります。第三者行為による傷病届などについて、加入している健康保険へ確認してください。

物損事故のまま整骨院へ通えますか?

通院自体はできますが、施術費が相手の保険から補償されるかは別の問題です。まず整形外科を受診し、医師と保険会社へ相談してください。

整形外科と整骨院は併用できますか?

医師と保険会社へ相談し、整形外科への定期通院を続けながら併用できる場合があります。

治療費以外に何を請求できますか?

通院交通費、休業損害、入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、逸失利益などを請求できる可能性があります。

治療途中で示談してもよいですか?

避けてください。治療終了前は損害額や後遺症の有無が確定していません。

示談後に症状が悪化したら追加請求できますか?

有効な示談が成立している場合、原則として追加請求は難しくなります。

相手から示談書への署名を求められました。どうすればよいですか?

その場では署名せず、保険会社や弁護士へ内容を確認してもらってください。

相手に人身事故へ切り替えないよう脅された場合はどうしますか?

メッセージ、録音、通話履歴などを保存し、警察や弁護士へ相談してください。

物損事故扱いだと後遺障害認定で不利になりますか?

直ちに認定されなくなるわけではありませんが、事故と症状との因果関係について、より慎重に確認される可能性があります。

後遺障害診断書は整骨院で作成できますか?

作成できません。後遺障害診断書は医師が作成します。

示談はいつ行うべきですか?

治療が終了し、症状固定、後遺障害申請、休業損害などを含むすべての損害を確認した後に行うのが基本です。

まとめ

加害者から、

「治療費は全部払うから物損事故にしてほしい」

と言われても、安易に応じてはいけません。

被害者にとって重要なのは、加害者の免許や仕事を守ることではなく、自分の身体を治し、適切な補償を受けることです。

物損事故のままでも治療費などを請求できる場合はありますが、次のリスクが生じます。

・事故とケガとの因果関係を争われやすい
・人身事故の交通事故証明書を取得できない
・追加書類が必要になる
・実況見分の記録が残らない可能性がある
・慰謝料や休業損害を請求しにくくなる
・後遺障害認定で不利になる可能性がある
・加害者が約束を守らない可能性がある

事故後に痛みや違和感がある場合は、加害者との口約束ではなく、次の手順で対応してください。

1.警察へ届け出る
2.早めに医療機関を受診する
3.診断書を取得する
4.人身事故への切り替えを相談する
5.相手と自分の保険会社へ連絡する
6.治療や損害が確定するまで示談しない

物損事故から人身事故へ切り替えられない場合でも、任意保険、自賠責保険、人身傷害保険、健康保険などを利用できる可能性があります。

補償を断られた場合や、加害者から物損事故のままにするよう強く求められた場合は、交通事故に詳しい弁護士へ早めに相談してください。