
事故状況別の過失割合を詳しく解説
交通事故の過失割合は、事故の種類や道路状況、信号、一時停止の有無などによって大きく異なります。過失割合は慰謝料や損害賠償額にも影響するため、ご自身の事故状況に近い記事をご確認ください。
- 追突事故の過失割合
- 右折事故の過失割合
- 出会い頭事故の過失割合
- 一時停止事故の過失割合
- 信号無視事故の過失割合
- 10対0事故とは?過失割合と注意点
- バイク事故の過失割合
- 自転車事故の過失割合
- 駐車場事故の過失割合
- ぶつけられたのに過失割合を取られたら?
- 過失割合に納得できないときの対処法
過失割合は事故の状況や証拠によって変わることがあります。示談書へ署名する前に内容を十分確認し、不明な点がある場合は保険会社へ確認しましょう。法律に関する判断や示談交渉については、弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。
交通事故に遭ったあと、「過失割合は誰が決めるの?」「保険会社から8対2と言われたけれど本当に正しいの?」「警察が決めるものだと思っていた」このような疑問を持つ方は少なくありません。
過失割合は、交通事故による賠償金や慰謝料に大きく影響する重要なポイントです。
しかし、事故の状況によって割合は大きく変わるため、正しい知識がないまま保険会社の説明だけで判断してしまうと、不利な条件で示談してしまう可能性もあります。
この記事では、交通事故の過失割合とは何か、誰がどのように決めるのか、事故別の目安や納得できない場合の対処法までわかりやすく解説します。
交通事故の過失割合とは?
過失割合とは、交通事故が発生した原因について、当事者それぞれにどの程度の責任(過失)があるのかを割合で示したものです。
例えば、過失割合が「8対2」であれば、一方に80%、もう一方に20%の責任があると判断されたことを意味します。
交通事故で発生した損害は、この過失割合をもとに双方が負担することになるため、割合が変わると最終的に受け取れる賠償金にも影響します。
そのため、交通事故後の示談では、過失割合が重要なポイントになります。
過失割合が賠償金へ与える影響
過失割合は、治療費や慰謝料、休業損害、車の修理費などの損害賠償額に影響します。
例えば、100万円の損害が認められた場合でも、ご自身の過失が20%であれば、その分が差し引かれて賠償額が計算されることがあります。
このような仕組みを「過失相殺」といいます。
そのため、過失割合は事故後の手続きの中でも特に重要な項目です。
被害者にも過失が認められることがある
交通事故では、「被害者だから必ず0%」というわけではありません。
例えば、交差点へ十分に減速せず進入した・安全確認が不十分だった・速度超過があった。
このような事情が認められる場合には、被害者にも一定の過失が認められることがあります。
一方で、停車中の追突事故などでは、被害者の過失が0%となるケースもあります。
事故状況によって判断が異なるため、一律に決まるものではありません。
過失割合は誰が決める?
「警察が過失割合を決める」と思われることがありますが、実際には異なります。
過失割合は、事故の状況や証拠をもとに、保険会社同士が話し合いを行い、最終的には当事者双方の合意によって決まるのが一般的です。
警察は過失割合を決めない
交通事故が発生すると、警察は現場検証や事情聴取を行います。
しかし、警察が行っているのは刑事事件や交通違反に関する捜査であり、民事上の損害賠償について判断する立場ではありません。
そのため、警察が「過失割合は8対2です」と決めることはありません。
保険会社が事故状況をもとに協議する
保険会社は、事故現場の状況や写真、ドライブレコーダーの映像、実況見分調書、双方の主張などをもとに事故状況を確認します。
そのうえで、過去の裁判例や事故の判断基準を参考にしながら、過失割合を協議します。
提示された割合に双方が納得すれば、その内容で示談が成立します。
過去の判例を参考に判断される
過失割合は、その場の印象だけで決まるものではありません。
実際には、過去の裁判例や交通事故の判断基準を参考にしながら検討されます。
ただし、事故当時の状況や道路環境、信号の有無、速度、天候などによって修正されることもあるため、同じ事故でも必ず同じ割合になるとは限りません。
交通事故の過失割合はどのように決まる?
過失割合は、事故現場でその場で決まるものではありません。
事故の状況や証拠をもとに、保険会社同士が協議を行い、最終的に当事者双方が合意することで決まるのが一般的です。
事故の内容によっては、弁護士が交渉に加わることもあります。
過失割合が決まる一般的な流れ
交通事故後は、次のような流れで過失割合が検討されます。
交通事故発生⇒警察へ届け出・現場検証⇒双方の保険会社へ事故連絡⇒事故状況や証拠を確認⇒保険会社同士が協議⇒過失割合を提示⇒双方が合意すると示談成立事故の内容が複雑な場合や、お互いの主張が異なる場合は、過失割合が決まるまで時間がかかることもあります。
過失割合を判断する際に確認されること
保険会社はさまざまな資料をもとに事故状況を確認します。
例えば、次のようなものが参考にされます。
・事故現場の写真
・ドライブレコーダーの映像
・実況見分調書
・双方の事故状況の説明
・目撃者の証言
・車両の損傷状況
証拠が多いほど事故状況を客観的に判断しやすくなります。
事故直後に安全を確保したうえで現場の写真を撮影しておくことも、後の手続きで役立つ場合があります。
過去の裁判例が参考になる
過失割合は担当者の判断だけで決まるものではありません。
多くの場合、過去の裁判例や交通事故の判断基準を参考にしながら協議が進められます。
ただし、事故当時の状況や道路環境、天候、速度、信号の状況などによって修正されるため、同じような事故でも過失割合が変わることがあります。
交通事故の事故パターン別の過失割合
交通事故にはさまざまなケースがあります。
ここでは代表的な事故と一般的な過失割合の目安を紹介します。
実際の過失割合は事故状況によって異なるため、あくまでも参考としてご覧ください。
追突事故
停車中の車へ後方から追突した事故では、追突した側の責任が大きいと判断されることが多く、10対0となるケースがあります。
ただし、急ブレーキや不適切な停車など特別な事情がある場合は修正されることがあります。
詳しくはこちらをご覧ください。
右折事故
交差点で右折車と直進車が衝突した場合は、一般的に右折車8:直進車2が基本となるケースがあります。
信号の状況や速度違反などによって修正されることもあります。
出会い頭事故
信号のない交差点や見通しの悪い交差点では、道路幅や一時停止規制の有無などによって過失割合が変わります。
一時停止事故
一時停止標識がある道路から進入した場合は、一時停止義務を守ったかどうかが重要になります。
停止したか、徐行だったか、速度はどうだったかなどによって割合が変わります。
信号無視事故
赤信号を無視して進入した車と青信号で進行していた車が衝突した場合は、赤信号側の責任が大きくなるのが一般的です。
過失割合が10対0になる代表的なケース
「10対0」は、被害者側に法律上の過失が認められない事故を指します。
代表的なケースは次のとおりです。
停車中の車への追突事故
信号待ちや渋滞で停止している車へ後続車が追突した事故です。
もっとも多い10対0事故の一つです。
センターラインを越えてきた車との衝突
対向車がセンターラインを越えて衝突した場合は、センターラインを越えた側の責任が大きくなるのが一般的です。
赤信号無視による衝突事故
青信号で正常に進行していた車へ、赤信号を無視した車が衝突した場合も10対0となるケースがあります。
ただし、速度超過や安全確認不足などが認められる場合は修正される可能性があります。
過失割合が修正されるケース
交通事故の過失割合には基本となる割合がありますが、実際の事故ではさまざまな事情を考慮して修正されることがあります。
同じ事故の種類でも、運転状況や道路環境によって過失割合が変わることは珍しくありません。
著しい過失がある場合
「著しい過失」とは、通常よりも危険性が高い運転と判断されるケースです。
例えば、次のような行為が該当することがあります。
・酒気帯び運転
・おおむね時速15km以上の速度超過
・脇見運転など著しい前方不注視
・スマートフォンを操作しながらの運転
・急ハンドルや急ブレーキなど著しく不適切な運転操作
このような事情が認められると、基本の過失割合から修正される可能性があります。
重過失がある場合
さらに危険性が高い行為は「重過失」と判断されることがあります。
代表例としては次のようなケースです。
・無免許運転
・酒酔い運転
・居眠り運転
・薬物や病気などにより正常な運転が困難な状態での運転
・著しい速度超過(一般的には時速30km以上が一つの目安)
事故状況によっては、過失割合に大きく影響することがあります。
ドライブレコーダーなどの証拠で修正されることもある
事故当初は一方の説明だけで過失割合が提示されることもあります。
しかし、その後にドライブレコーダーの映像や防犯カメラ、目撃者の証言などが確認されることで、過失割合が見直されるケースもあります。
事故直後は安全を確保したうえで、
・事故現場の写真
・車両の損傷状況
・ブレーキ痕
・周囲の道路状況
などを記録しておくと、後から役立つことがあります。
過失割合に納得できないときはどうする?
保険会社から提示された過失割合に納得できない場合は、その場で同意する必要はありません。
内容を十分に確認し、疑問点があれば理由を確認することが大切です。
なぜその割合になったのか確認する
まずは、保険会社へ「どのような理由でこの過失割合になったのか」を確認しましょう。
事故状況や証拠、参考にした資料などを説明してもらうことで、内容を理解しやすくなります。
証拠があれば提出する
ドライブレコーダーや写真、目撃者の情報など、新たな証拠がある場合は保険会社へ提出しましょう。
客観的な証拠があることで、過失割合が見直される可能性があります。
納得できない場合は専門家へ相談する
双方の主張が大きく異なる場合や、保険会社との話し合いが進まない場合は、弁護士へ相談することも選択肢の一つです。
弁護士費用特約が付いている保険契約であれば、自己負担を抑えて相談できる場合があります。
詳しくは、次の記事も参考にしてください。
保険会社から過失割合を提示されたときの注意点
保険会社から提示された過失割合は、必ずしも最終決定ではありません。
内容を十分に確認し、疑問があれば遠慮せず質問しましょう。
また、示談書へ署名・押印した後は内容の変更が難しくなることがあるため、十分に理解したうえで手続きを進めることが大切です。
保険会社とのやり取りに不安がある方は、次の記事も参考になります。
よくある質問
Q. 過失割合は警察が決めるのですか?
いいえ。
警察は事故状況を確認し、刑事処分や行政処分に必要な手続きを行いますが、過失割合を決定する立場ではありません。
一般的には、保険会社同士の協議を経て、当事者双方が合意することで決まります。
Q. 被害者でも過失割合が付くことはありますか?
あります。
事故の状況によっては、安全確認不足や速度超過などが認められ、被害者にも一定の過失が認められることがあります。
Q. 保険会社から提示された割合に必ず従わなければいけませんか?
いいえ。
提示内容に疑問がある場合は、その理由を確認し、必要に応じて証拠を提出したり、専門家へ相談したりすることが大切です。
Q. ドライブレコーダーは役に立ちますか?
はい。
事故状況を客観的に確認できる資料となるため、過失割合の判断に役立つことがあります。
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