千葉市若葉区中央区の交通事故のむちうちで評判のいい鍼灸整骨院かまたき 鍼灸整骨院かまたき 交通事故(FAQ)

電動スクーターと自転車で事故を起こした場合について解説

style=width:376px;height:auto

近年、都市部を中心に電動スクーター(電動キックボード)の普及が進んでいます。スマートフォンアプリによるシェアリングサービスの拡大や、通勤・買い物のラストワンマイル対策として注目される一方で、自転車との事故も増加傾向にあります。電動スクーターと自転車は、外観や乗り心地が近い反面、法的分類や保険の仕組み、責任の所在が異なるため、事故発生時には関係者間でトラブルになりやすいのが実情です。

1. 電動スクーターの法的分類と規制

2023年7月1日の道路交通法改正により、一定の要件を満たす電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」として公道走行が可能となりました。具体的な要件は以下のとおりです(特定原付の要件)

  1. 車体の長さ190cm以下・幅60cm以下
  2. 原動機定格出力0.6kW以下
  3. 最高速度が時速20km以下に設定され、走行中に速度変更できない機構
  4. オートマチック(AT)
  5. 最高速度表示灯の装備

これらを満たすスクーターは、16歳以上であれば運転免許不要(ヘルメット着用は努力義務)で車道または自転車道を走行できます。一方、要件を満たさない車両は従来通り「原動機付自転車」(原付)等として扱われ、原付免許やヘルメット着用義務などが課されます。

2. 事故類型と責任の所在

電動スクーターと自転車の事故では、両者の過失割合(責任分担)が問題になります。一般的に、道路交通法上の「注意義務違反」が問われ、以下のような事例が考えられます。

  • スクーター側の過失: 最高速度超過や一時停止無視、自転車道での逆走など。
  • 自転車側の過失: 歩道走行(車両区分違反)、信号無視、スマホ操作による前方不注視など。

過失割合は事案ごとに個別判断されますが、同種事故の判例集やガイドラインを参照しながら、双方の運転態様や事故状況を踏まえて算定されます。両者とも「道路交通法の遵守義務」を負うため、違反行為がある場合は重大な過失と評価されやすくなります。

3. 保険制度による補償

3.1 自賠責保険(強制保険)

特定小型原動機付自転車には、自動車と同様に自賠責保険の加入が義務付けられています。自賠責保険の支払限度額は以下のとおりです。

  • 死亡:最高3,000万円
  • 後遺障害:最高75万円~4,000万円
  • 傷害:最高120万円

しかし、高額な医療費や休業損害には不足するケースが多く、限度額を超えた部分は加害者本人が賠償責任を負うか、任意保険でカバーする必要があります。

3.2 任意保険・特約

  • バイク保険/ファミリーバイク特約:多くの自動車保険会社では、原動機付自転車向けの特約(ファミリーバイク特約)で電動スクーターを補償対象とする場合があります。歩道通行車モード中の事故は補償対象外となることがあるため、契約内容を確認してください。
  • 日常生活賠償責任保険:家財や賠償責任を補償する特約ですが、電動スクーター事故は対象外とするケースが一般的です。代替として自動車保険のバイク特約を検討しましょう 。

4. 損害賠償請求と示談交渉

事故後、被害者は治療費、休業損害、慰謝料などの損害を加害者(またはその保険会社)に請求します。示談交渉においては、以下の点が重要です。

  1. 損害額の算定基準:治療実費、休業損害は「基準」「実損害」「定額」から選択
  2. 後遺障害等級:後遺障害が残った場合は等級認定を受け、等級に応じた賠償を請求
  3. 過失相殺:双方に過失がある場合、賠償額から割合に応じて減額

専門的な示談交渉には、弁護士や交通事故相談センターの利用が有効です。

5. 刑事責任・行政処分

電動スクーターの違反行為に対しては、違反点数制度や罰則が適用されます。東京都では試行的に「違法走行点数制度」を導入し、悪質行為に厳罰化を図っています。例えば、信号無視や一時不停止は2点、最高速度超過は1点などが課され、累積点数に応じて免許停止や取り消しの対象となります。また、飲酒運転、無免許運転は刑事罰(罰金・懲役)を科されるため、厳重な注意が必要です。

6. 事故動向と安全対策

警察庁のデータによれば、特定小型原動機付自転車に関連する事故件数は、2023年下半期の85件から2024年上半期の219件へと約2.5倍に増加しています。特に東京都・大阪府での発生が多く、死亡事故も報告されています 。

安全対策としては

  • ヘルメット着用(努力義務)を積極的に実施
  • 定期的な車両点検(タイヤ空気圧・ブレーキ動作)
  • 夜間走行時のライト・反射材の装備
  • 走行前の道路状況・交通規則の確認
  • シェアリングサービス利用時のルールテスト受験

以上を徹底し、相互の安心・安全な移動手段として活用しましょう。

まとめ

電動スクーターと自転車の事故では、法的分類の違い、保険適用範囲、責任の所在が複雑に絡み合います。公道走行の前提となる「特定小型原動機付自転車」の要件を確認し、必ず自賠責保険や任意保険に加入したうえで、安全運転を心がけてください。また、万一事故が発生した際は、適切な証拠収集、示談交渉、行政手続きが円滑に進むよう、専門家への相談も検討しましょう。安心・安全な交通社会の実現に向け、皆さまのご協力をお願いします。