交通事故で家事・育児ができないときはどうする?休業損害・子育て支援・負担を減らす方法を解説

交通事故でケガをすると、病院への通院や仕事だけでなく、毎日の家事や育児にも大きな影響が出ることがあります。

「首が痛くて子どもを抱っこできない」

「腰が痛くて掃除や洗濯ができない」

「通院時間と保育園のお迎えが重なってしまう」

「事故前は自分がほとんど家事をしていたけれど、今は家族に頼らないと生活できない」

「専業主婦・主夫でも休業損害を請求できる?」

このような不安を抱える方もいるでしょう。

交通事故後の生活では、単に「痛みがある」という問題だけではなく、

料理
掃除
洗濯
買い物
子どもの抱っこ
保育園・幼稚園への送迎
入浴や着替えの手伝い
子どもの外遊びへの付き添い

など、日常生活のさまざまな場面で負担が増える可能性があります。

家事を主に担っている人が交通事故によって家事をできなくなった場合には、家事従事者として休業損害が認められる可能性があります。 日本損害保険協会も、専業主婦・主夫などの家事従事者について、交通事故によって家事に従事できなくなった場合は休業損害の対象になると説明しています。

また、千葉市には保護者の病気などによって一時的に保育が必要となった場合に利用できる一時預かり事業や、地域で育児を助け合うファミリー・サポート・センターがあります。

この記事では、交通事故後に家事・育児ができなくなった場合にどのような問題が起こるのか、利用できる可能性のある補償や子育て支援、負担を減らす方法まで詳しく解説します。

目次

交通事故後に家事が難しくなる理由

交通事故後の症状は人によって異なります。

特に、

むちうち

腰痛

肩の痛み

手首の痛み

骨折

打撲

しびれ

などがあると、普段は何気なく行っていた家事が難しくなることがあります。

掃除ができない

掃除機をかける動作では、立った状態で身体を前後に動かしたり、腰を曲げたりする必要があります。

首や腰を負傷している場合には、こうした動作で痛みが強くなることがあります。

浴室や床の掃除では、しゃがむ、かがむ、身体をひねるといった動作も必要です。

洗濯ができない

洗濯物を持ち上げる

洗濯機から取り出す

物干し竿へ腕を上げる

乾いた衣類を取り込む

など、洗濯には意外と多くの身体動作があります。

肩や首、腰、手首などに症状がある場合には負担になりやすい家事です。

料理が難しくなる

料理では長時間立ったり、

包丁を使う

重い鍋を持つ

フライパンを振る

冷蔵庫から物を出す

などの動作が必要です。

事故後に首・肩・腰・手首などが痛い場合、以前と同じように調理できなくなることがあります。

買い物が負担になる

スーパーまで歩く

商品を持つ

買い物袋を持ち帰る

といったことも、事故後には大きな負担になる可能性があります。

交通事故後に育児が難しくなる理由

育児は家事以上に身体への負担が大きいことがあります。

特に乳幼児がいる家庭では、保護者が自由に休むことが難しいため、事故後の負担が大きくなりやすいです。

抱っこができない

乳幼児の抱っこでは、子どもの体重を首・肩・腰・腕で支えます。

事故による首や腰の痛みがある場合、

「数分なら抱っこできるけれど、長時間は無理」

ということもあります。

無理をして抱っこを続けることで症状が強くなる場合には、家族などに代わってもらうことも検討しましょう。

おむつ交換・着替えも負担になる

おむつ交換では、

床へ座る

前かがみになる

子どもの脚を持ち上げる

身体をひねる

などの動作があります。

腰や首を負傷している場合には、こうした姿勢がつらくなることがあります。

保育園・幼稚園の送迎が難しくなる

事故後に自動車を運転できない場合や、徒歩・自転車での移動が難しい場合には、子どもの送り迎えが問題になります。

さらに、

病院の予約時間

リハビリの時間

保育園のお迎え時間

が重なることもあります。

現在の記事でも、交通事故後の育児負担として園・学校への送り迎えや外遊びへの付き添いを挙げています。

子どもの入浴や寝かしつけも負担になる

子どもの入浴では、

浴槽へ入れる

身体を洗う

抱き上げる

着替えさせる

といった動作が必要です。

浴室は滑りやすいため、身体の痛みや動きにくさがある場合には無理をしないことも重要です。

「できるからやる」ではなく「やると悪化するか」を考える

交通事故後によくあるのが、

「家事はできるから大丈夫」

という判断です。

しかし、

「何とかできる」

ことと、

「身体に負担なくできる」

ことは同じではありません。

例えば掃除機をかけることはできても、その後数時間首や腰が強く痛むのであれば、事故前と同じ状態で家事ができているとはいえません。

家事や育児によって症状が悪化する場合には、

何をしたときに痛むのか

どのくらい続けると痛むのか

事故前と比べて何ができなくなったのか

を整理しておくとよいでしょう。

専業主婦・主夫でも休業損害を請求できる?

可能性があります。

「専業主婦だから給料をもらっていない」

「主夫だから仕事を休んだわけではない」

という理由だけで休業損害がないとは限りません。

日本損害保険協会は、家事従事者も休業損害の対象となり、交通事故で家事に従事できなくなった場合には休業損害を請求できると説明しています。

つまり、

料理

掃除

洗濯

買い物

育児

など、家庭内で行っていた労働にも経済的価値があると考えられるわけです。

パート勤務をしながら家事をしている場合は?

パートやアルバイトなどで収入を得ながら家事も行っている人もいます。

この場合、

仕事を休んだことによる収入減少

と、

家事に支障が出たこと

の両方が問題になる可能性があります。

ただし、同じ損害について二重に請求できるわけではありません。

実際の休業損害の算定方法は、就労状況や家事への従事状況などによって判断されます。

家事従事者の休業損害は一律の日額ではない

現在の記事には、

「日額数千円〜1万円程度が認められるケースが多い」

という記載があります。

ここは今回のリメイクでは削除します。

休業損害は事故時点の基準や被害者の状況、家事への支障などによって変わるため、

「主婦なら必ず1日○円」

という形で断定しない方が安全です。

記事では、

家事にどの程度支障が生じたのかを具体的に記録しておく

ことを重視します。

家事への支障を記録しておく

例えば、

事故前:毎日夕食を作っていた
事故後:週5日は家族が代わりに調理

事故前:毎日保育園へ送迎
事故後:夫・祖父母が送迎

事故前:週3回掃除機
事故後:痛みでほとんどできない

事故前:子どもを毎日抱っこ
事故後:5分以上抱っこすると首が痛む

など、事故前と事故後を比較して記録しておくと分かりやすくなります。

家族が代わりに家事をしても休業損害はなくなる?

必ずしも、

「家族が無料でやってくれたから損害は0円」

ということではありません。

家事従事者本人が交通事故によって家事をできなくなったこと自体が、休業損害として評価される可能性があります。

重要なのは、

事故によってどの程度家事能力が低下したのか

です。

家事代行費用は全部加害者に請求できる?

ここは現在の記事から修正した方がよい部分です。

現在の記事では、家事代行サービスの相場などを基に「家事労務費」を請求できるという説明になっています。

しかし、

実際に家事代行を利用した費用がすべて無条件に損害として認められるわけではありません。

事故との因果関係、利用する必要性、期間、金額の相当性などが問題になる可能性があります。

家事代行を利用する場合には、

領収書

利用日

利用内容

利用した理由

を残しておくことをおすすめします。

子どもの預かり費用も同じ考え方

交通事故後の通院のため、

ベビーシッター

一時保育

ファミリーサポート

などを利用する場合があります。

これらの利用料についても、

「交通事故だったら必ず加害者が全部払う」

と一律にはいえません。

事故との関係や必要性などによって判断されます。

そのため、保険会社へ事前に、

「通院のため子どもを預ける必要があるが、費用は補償対象になる可能性がありますか?」

と確認しておくのも一つの方法です。

千葉市では一時預かりを利用できる場合がある

事故後に育児が難しくなった場合は、損害賠償だけでなく地域の子育て支援制度も確認しましょう。

千葉市では、保護者の病気や育児疲れなどによって一時的に保育が必要となった場合に利用できる「一時預かり事業」があります。

対象は主として、

保育所等に在籍していない、生後3か月から小学校就学前までの千葉市在住の子ども

です。ただし、実施施設によって受入れ年齢などが異なる場合があります。

交通事故後に保護者が通院しなければならない場合なども、利用できるか実施施設へ相談してみる価値があります。

ちばしファミリー・サポート・センターも確認する

千葉市にはファミリー・サポート・センターもあります。

ファミリー・サポート・センターは、

「育児の援助を受けたい人」

と、

「育児の援助を行いたい人」

が会員となり、地域で育児を助け合う仕組みです。千葉県によると、同様の仕組みは県内37市町で設置されています。

千葉市では、

保育所・幼稚園・子どもルームなどへの送迎

保育開始前・終了後の預かり

保育施設が休日の場合の一時的な預かり

などの援助が案内されています。

事故によって一時的に送迎や育児が難しくなった家庭では、利用を検討できる制度の一つです。

家族の付き添い費用が補償される場合もある

交通事故後、ケガの程度によっては家族の付き添いが必要になる場合があります。

自賠責保険では、原則として12歳以下の子どもに近親者等が付き添う場合や、医師が看護の必要性を認めた場合などに、入院看護料や自宅・通院看護料が支払対象になる仕組みがあります。

つまり、

「家族が付き添ったら何でも付き添い費として認められる」

わけではありません。

必要性が重要です。

「子どもの世話」と「負傷者本人の付き添い」は分けて考える

混同しやすいところです。

例えば、

事故で負傷した母親へ夫が付き添う

というケースと、

事故で負傷した母親の代わりに夫が子どもの世話をする

というケースは、同じではありません。

自賠責保険の看護料として定められているのは、基本的に負傷者本人に対する看護・付き添いです。

子どもの預かりや育児代行費用が自動的に同じ基準で支払われるわけではありません。

人身傷害保険も確認する

事故の被害者であっても、自分が加入している任意保険の人身傷害保険を利用できる場合があります。

特に、

相手との過失割合でもめている

相手側からの支払いに時間がかかっている

相手が無保険

などの場合には、自分の契約から補償を受けられる可能性があります。

ただし、人身傷害保険で、

家事代行

ベビーシッター

育児サービス

などの費用がどこまで認められるかは、契約内容や保険会社の基準によります。

現在の記事のように、

「人身傷害保険が家事代行費用を先行して支払ってくれる」

と一般化しない方がよいでしょう。

搭乗者傷害保険は家事代行費を実費で補償する保険ではない

現在の記事では、搭乗者傷害保険について、

「通院や家事負担にかかる雑費をカバーできる」

という説明があります。

ここも表現を変えた方がよいです。

搭乗者傷害保険は、契約内容に応じて事故によるケガなどに対し定額の保険金が支払われるタイプの保険です。

そのお金を家計の支出に充てることはできますが、

「家事代行費そのものを実費補償する保険」

という意味ではありません。

交通事故後の家事・育児負担を減らす方法

事故後は、

「今まで通り全部やらないと」

と考えないことが重要です。

まず、家庭内の仕事を整理しましょう。

毎日絶対に必要なこと

食事

子どもの送迎

服薬

最低限の洗濯

などです。

数日後でもよいこと

念入りな掃除

大きな買い物

衣替え

庭仕事

などです。

一時的に家事の水準を下げることも、事故後の負担軽減につながります。

家族で役割を細かく分ける

「家事を手伝って」

だけでは、何をすればいいのか分かりにくいことがあります。

例えば、

朝の保育園送迎 → 夫

夕方のお迎え → 祖父母

洗濯 → 家族

買い物 → ネットスーパー

掃除 → 週1回だけ家事代行

など、具体的に分けると負担を調整しやすくなります。

通院時間を育児スケジュールと合わせて考える

事故後に通院が必要な場合は、

保育園のお迎え

学校の下校

習い事

子どもの食事時間

なども含めて通院時間を検討しましょう。

医療機関の予約時間を変更できる場合には、家庭への負担が少ない時間帯を相談する方法もあります。

ネットスーパー・宅配も活用する

家事の中でも負担が大きいのが買い物です。

事故後に重い荷物を持つのが難しい場合には、

ネットスーパー

食材宅配

日用品の通販

などを一時的に利用する方法があります。

これらの費用が損害賠償として認められるかどうかとは別に、身体への負担を減らす生活上の方法として利用できます。

「できなかったこと」をメモしておく

家事従事者の休業損害などを検討するときには、

単に、

「家事が大変でした」

だけではなく、

具体的な内容を記録しておくことが重要です。

例えば、

「首痛で洗濯物を干せず夫が代行」

「腰痛で子どもを抱っこできなかった」

「通院のため保育園送迎を祖母へ依頼」

「掃除機を10分かけると痛みが増した」

などです。

家事・育児日記をつける

毎日長い文章を書く必要はありません。

例えば、

8月20日
首痛7/10
料理できず夫が担当
保育園迎えは祖母
子どもの抱っこ不可

程度でも構いません。

事故前と比べて生活へどの程度影響が出ているのか整理しやすくなります。

医師にも生活への支障を具体的に伝える

診察時には、

「首が痛いです」

だけではなく、

「首が痛くて5歳の子どもを抱っこできない」

「腰痛で掃除機をかけられない」

「腕が上がらず洗濯物を干せない」

など、実際の生活上の支障も具体的に伝えましょう。

医療上の評価と損害賠償上の評価は別ですが、症状の状態を適切に医師へ伝えることは大切です。

家事代行や保育サービスの領収書を残す

事故後に、

家事代行

一時保育

ベビーシッター

タクシー

ファミリーサポート

などを利用した場合には、領収書や利用記録を残しておきましょう。

実際の支出を確認する資料になります。

ただし、繰り返しになりますが、

支払った費用=すべて加害者に請求できる

という意味ではありません。

必要性や事故との関係などが個別に判断されます。

交通事故後に無理をして家事を続けない

事故後、

「家族に迷惑をかけたくない」

という思いから無理をしてしまう方もいます。

しかし、事故前と同じように家事・育児を続けることで症状が強くなるなら、一時的に役割を減らすことも必要です。

重要なのは、

事故前の生活へ一気に戻すことではなく、身体の状態に合わせて少しずつ生活を戻していくこと

です。

よくある質問

専業主婦でも交通事故の休業損害を請求できますか?

可能性があります。日本損害保険協会は、家事従事者も休業損害の対象であり、交通事故によって家事に従事できなくなった場合には休業損害を請求できると説明しています。

夫や家族が代わりに家事をしてくれた場合も休業損害はありますか?

家事従事者本人が交通事故によって家事をできなくなったこと自体が問題になるため、家族が代わりに行ったという理由だけで必ず休業損害がなくなるわけではありません。実際の家事への支障などを踏まえて判断されます。

家事代行の料金はすべて相手へ請求できますか?

一律にはいえません。事故によって家事代行を利用する必要性があったか、利用期間や費用が相当かなどによって判断される可能性があります。利用した場合は領収書や利用内容を保存しておきましょう。

通院中に子どもを預けた費用は請求できますか?

自動的に全額認められるわけではありません。事故との因果関係や預ける必要性などによって判断される可能性があります。利用前に保険会社へ確認しておく方法もあります。

千葉市で一時的に子どもを預けられる制度はありますか?

千葉市では、保護者の病気や育児疲れなどによって一時的に保育が必要な場合に利用できる一時預かり事業があります。主として保育所等に在籍していない生後3か月から小学校就学前までの千葉市在住の子どもが対象です。

千葉市のファミリー・サポート・センターでは何を頼めますか?

保育所・幼稚園・子どもルームなどへの送迎、保育開始前・終了後の預かり、保育施設が休日の場合などの臨時的な預かりなどが案内されています。

家族が病院へ付き添った場合は費用を請求できますか?

自賠責保険では、12歳以下の子どもへの近親者等の付き添いや、医師が看護の必要性を認めた場合などに看護料が支払対象となる仕組みがあります。すべての家族付き添いが対象になるわけではありません。

まとめ

交通事故でケガをすると、病院への通院や仕事だけではなく、家事・育児そのものが大きな負担になることがあります。

例えば、

掃除

洗濯

料理

買い物

子どもの抱っこ

保育園・幼稚園の送迎

入浴

外遊びへの付き添い

など、事故前には当たり前に行っていたことが難しくなる場合があります。

そして、専業主婦・主夫などの家事従事者が交通事故によって家事をできなくなった場合には、休業損害の対象になる可能性があります。

一方で、

家事代行費

ベビーシッター費

一時保育料

家族の付き添い費用

などが、すべて自動的に損害賠償の対象になるわけではありません。

事故との因果関係、必要性、期間、費用の相当性などを個別に確認することが重要です。

また、損害賠償だけでなく地域の子育て支援を利用する方法もあります。

千葉市では、保護者の病気などで一時的に保育が必要となった場合の一時預かり事業や、育児を地域で助け合うファミリー・サポート・センターが利用できます。

交通事故後は、

家事・育児をすべて自分で続けようとしない

家族で役割を分担する

利用できる子育て支援を確認する

家事・育児でできなくなったことを記録する

有料サービスを使ったら領収書を残す

保険会社へ補償対象になるか確認する

ことが重要です。

事故前と同じ生活へ無理に戻そうとするのではなく、身体の状態に合わせて周囲の支援を活用しながら生活を立て直していきましょう。