
近年、自転車による重大な事故や危険運転が社会問題となり、歩行者や他の車両との衝突事故が後を絶ちません。その背景を受け、2025年4月1日から16歳以上の自転車運転者を対象に、比較的軽微な違反行為について「反則金」(いわゆる青切符)で簡易・迅速に処理する制度が導入されました。本記事では、自転車反則金制度の概要から主な違反行為と反則金額、納付手続きや未納時の対応、そして事故防止のポイントまで、3000字超のボリュームで解説します。 (自転車で交通違反するとどうなる? 反則金制度、来年4月開始へ)
1. 反則金制度とは
反則金制度(交通反則通告制度)とは、道路交通法違反のうち「現認可能」「明白」「定型的」な軽微な違反行為について、違反者が警察官から通告を受け、指定期日までに反則金を納付すれば公訴が提起されない仕組みです。自転車は従来この制度の対象外でしたが、改正道路交通法に基づき、自転車運転中の「ながら運転」や信号無視など113種類の違反が対象となります。 ([PDF] 自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用)
2. 主な違反行為と反則金額
以下に、よく見られる自転車の違反行為と反則金額をまとめます。
- スマートフォン等を手に持って使用する「ながら運転」:12,000円 (自転車で交通違反するとどうなる? 反則金制度、来年4月開始へ)
- 信号無視:6,000円 (自転車で交通違反するとどうなる? 反則金制度、来年4月開始へ)
- 通行区分違反(逆走など):6,000円 (自転車で交通違反するとどうなる? 反則金制度、来年4月開始へ)
- 並進(二台並んで走行)・二人乗り:3,000円 (自転車で交通違反するとどうなる? 反則金制度、来年4月開始へ)
- 傘さし運転・イヤホン使用・泥はね:5,000円 (警察庁が自転車「青切符」反則金額を公表 「スマホ“ながら運転”1万 …, 【解説】自転車の“青切符”反則金詳細判明 スマホ「ながら運転」は1 …)
※ 上記のほか、歩道徐行義務違反や一時停止無視など多様な違反行為が対象となり、それぞれ自動車等と同等額の反則金が設定されます。
3. 納付手続きと納付方法
- 反則告知書の交付
違反現場で警察官から「交通反則告知書」(青切符)が交付されます。 - 納付書の送付
後日、最寄りの警察署または公安委員会から納付書が郵送されます。 - 納付方法
銀行振込、コンビニエンスストア、または所定の窓口で現金納付が可能です。 - 納付期限
告知書記載の指定期日までに納付しなければなりません。
反則金の納付は「任意」とされていますが、期限を過ぎると督促が行われ、最終的には刑事手続きに移行する可能性があります。 ([PDF] 自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用)
4. 反則金未納時の対応
反則金を期日までに納付しない場合、以下の流れで処理が進みます:
- 督促状の発出:納付期日を過ぎると公安委員会から督促状が送付されます。
- 刑事手続きへの移行:督促状にも応じない場合、違反は「非反則行為」とみなされ、検察庁に送致され、略式命令や正式裁判での罰金(又は科料)が科される可能性があります。
- 前科リスク:反則金を納付せず刑事罰を受けると前科が付与されるため、必ず期限内に納付することが重要です。 ([PDF] 自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用)
5. 反則金と罰金の違い
- 反則金:刑事手続を回避し、簡易・迅速に違反処理を完了できる。前科は付かない。
- 罰金(科料):刑事罰として科され、前科が付く。飲酒運転や無免許運転など悪質・危険性の高い違反は反則金制度の対象外であり、必ず罰金・懲役等の刑事処分を受けます。
反則金制度は法的負担を軽減する一方で、違反の「軽視」を招かないよう、適切な周知と取締りが求められます。
6. 安全運転のポイント
- スマホ等の使用禁止:ながら運転は重大な事故原因となります。
- 信号・標識を遵守:見落としがちな一時停止・歩道通行のルールも厳守しましょう。
- ヘルメット着用:罰則規定はないものの、万一の事故で大きなケガを防げます。
- 夜間のライト点灯:無灯火運転も反則対象となり得るほか、安全性が大幅に低下します。
- 通行マナーの徹底:歩行者優先を意識し、右側通行や横並び走行は厳禁です。
まとめ
自転車の反則金制度導入により、これまで「取り締まりの盲点」となっていた多くの軽微違反が、より厳格に処理されることとなりました。違反行為を行えば最大12,000円の反則金が科されるだけでなく、未納により刑事手続へ進むリスクもあります。本記事で解説した主な違反行為と金額、納付手続きの流れを理解し、安全・快適な自転車生活を送ってください。