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信号無視の交通事故は10対0になるのか

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道路交通法において、信号機の赤信号・黄信号・矢印信号などは、運転者や歩行者の通行を厳格に制御する重要なルールです。これらを無視して交差点へ進入したり、右折や左折を行ったりすると、重大な事故を引き起こすおそれがあります。特に「信号無視」による交通事故では、加害者側の過失割合(過失相殺)が原則として“10対0”となるケースが多いと言われています。本稿では、信号無視事故の過失割合が10対0となる根拠やガイドライン、例外的なケース、そして実際の事故対応のポイントまでを詳しく解説します。

1. 過失割合(過失相殺)とは

過失割合とは、事故当事者それぞれの「責任の重さ」を数値化し、損害賠償金額を算定するための基準です。たとえば、A車とB車の事故で損害が100万円と認定され、A車の過失割合が70%、B車が30%であった場合、A車側は自己責任分を差し引いた30万円(100万円×(1−70%))を、B車側は70万円を相手に賠償します。

日本では主に以下の基準が用いられます。

  • 自動車事故紛争処理センター(紛セン)過失相殺ガイドライン
  • 裁判例
  • 保険会社の内部基準

これらの基準に照らし合わせ、事故の状況(信号の状況、車両の速度、道路環境、ドライバーの注意義務違反など)を総合的に勘案して、過失割合が決定されます。

2. 信号無視事故で10:0となる根拠

信号機による交通制御は、交差点内での衝突や歩行者との衝突を防ぐために不可欠です。道路交通法第7条では、運転者は信号機が示す停止線などで必ず停止しなければならないと規定されています。また、第17条では「赤色及び黄色(矢印含む)の信号を無視してはいけない」ことが明文化されています。

したがって、信号無視は法令違反であると同時に、重大な注意義務違反と見なされます。

  • 法的義務違反:停止義務を課す赤信号を無視した時点で、運転者は道路交通法違反(信号無視)に問われ、違反点数・罰金が科される。
  • 安全配慮義務違反:交差点の安全を確保する最後の防波堤である信号を軽視した結果、衝突リスクを格段に高めたことから、加害者側の責任が100%と評価されやすい。

このため、信号無視で交差点に進入し、他車や歩行者と衝突した場合、被害者側の違法性や過失が認められない限り、原則として加害者側の過失割合は10:0(100%)とされます。

3. 自動車事故紛争処理センターのガイドライン

紛センが公表する「過失相殺に関するガイドライン」においても、赤信号無視事故は加害車両の過失100%と明示されています。具体的には以下のように整理されています。

  1. 赤信号を無視して交差点に進入し、直進または右左折をして衝突した場合
    → 加害車100:被害者0
  2. 矢印信号無視(右折矢印・左折矢印)
    → 原則として矢印無視側100:被害者0
  3. 黄信号
    • 黄色→赤へ変わる直前のタイミングで停止可能であったにもかかわらず、減速せずに侵入→100:0
    • やむを得ず侵入したと認められる場合(制動距離不足など)→9:1または8:2と軽減されることもある

このように、信号の種類や状況によって「100%」が原則ながらも、黄信号や特殊条件下では一部過失減額の余地が認められるケースがあります。

4. 例外的に10:0とならないケース

信号無視事故でも、以下のような事情が認められる場合には、被害者側にも一定の過失が認定され、9:1~8:2程度の過失割合となることがあります。

  1. 信号機の故障・視認性不良
    • 新設間もなく、赤灯が点灯しない故障信号機
    • 樹木や看板が信号を隠し、ドライバーが視認できなかった場合
  2. 道路環境の特殊性
    • 交差点の勾配・カーブの組み合わせで、信号灯が視界から外れやすい
    • 夜間で街路灯が少なく、信号灯が不鮮明
  3. 被害者側の違法横断・速度超過
    • 横断歩行者が赤信号を無視して道路を渡っていた場合
    • 被害車両が法定速度を大きく上回るスピードで通行しており、衝突回避が困難だった場合

これらの事情は、警察捜査報告書やドライブレコーダー、防犯カメラ映像、目撃証言などの証拠によって裏付ける必要があります。

5. 信号の種類別・状況別過失割合の目安

信号の種類原則的過失割合減額余地
赤信号無視10:0故障・遮蔽・不可抗力が明確な場合は9:1
黄信号無視10:0制動距離不足等のやむを得ぬ事情で9:1
右折矢印無視10:0信号故障や警察承認の一時通行可時を除く
左折矢印無視10:0同上
黄→赤変わり目侵入10:0減速困難等で9:1または8:2

※あくまで目安であり、個別事故の状況証拠に基づく判断が最優先されます。

6. 過失割合決定の手続きとポイント

  1. 事故現場の状況確認
    • 現場写真、信号機位置、停止線までの距離測定
    • 路面状況(雨天、濡れ具合、夜間照明)
  2. ドライブレコーダー・防犯カメラ映像の収集
    • 信号の変化タイミング
    • 双方車両の速度・車間距離
  3. 目撃者・同乗者の証言
    • ドライバーの注意喚起行動(ブレーキランプ、クラクション)
  4. 法定速度・速度超過の有無
    • 刑事処分(道路交通法違反)との並行調査
  5. 保険会社への事故報告
    • 自賠責・任意保険の適用手続き
    • 示談交渉での過失割合協議

これらのプロセスを経て、最終的に紛センや裁判所、保険会社間で過失割合が確定されます。

7. 過失割合確定後の対応

  • 示談交渉:当事者間または保険会社同士で損害額と過失割合を前提に示談書を作成
  • 自賠責保険の請求:被害者は最初に自賠責保険に請求し、限度額(死亡・後遺障害の場合最大約1,200万円)を受領
  • 任意保険の利用:自賠責では賄えない部分は、加害者の任意保険で補填
  • 裁判手続き:示談が成立しない場合、民事裁判による過失割合・損害額の最終決定

8. まとめと注意喚起

  • 原則10:0:信号無視事故は、赤信号・矢印無視を問わず、加害者100%の過失割合となるのが基本。
  • 例外は限定的:信号機故障、視認性障害、被害者側の違法行為など、ごく限られた事情でのみ減額が認められる。
  • 証拠収集が重要:ドライブレコーダー映像、現場写真、目撃証言などが過失割合交渉のカギを握る。
  • 安全運転の徹底:交差点に近づいたら「赤になりかけていないか」「横断歩道に歩行者はいないか」を確認し、万が一でも信号を無視しない強い意識が最良の事故防止策となる。

信号機は、見る・止まる・進むを明確に示すシンプルな道具ですが、守らなければ重大事故を招く「命の分岐点」です。青信号だからといって油断せず、必ず周囲を確認し、安全第一の運転を心がけましょう。