交通事故後に熱が出るのはなぜ?むちうちとの関係や受診の目安を解説

交通事故後に「熱が出た」「微熱が続く」「熱っぽくて身体がだるい」といった症状があると、「事故やむちうちが原因なのでは?」と不安になる方もいるのではないでしょうか。交通事故後には首の痛み、頭痛、めまい、吐き気、倦怠感などさまざまな症状が現れることがありますが、発熱については「むちうちが原因」と自己判断しないことが大切です。

発熱には風邪などの感染症をはじめさまざまな原因があり、交通事故で頭を打っている場合や、強い頭痛・嘔吐・意識の変化などを伴う場合には、頭部外傷を含めた確認が必要になることがあります。交通事故後に発熱した場合は、首の痛みなど他の症状も含めて医師へ伝え、原因を確認してもらいましょう。

この記事では、交通事故後に熱が出た場合に考えられること、むちうちとの関係、受診する診療科、すぐに病院へ行ったほうがよい症状、レントゲンやMRIで異常なしと言われた場合について解説します。

交通事故後に熱が出ることはある?

交通事故後に発熱や微熱を訴える方はいます。ただし、「交通事故に遭ったから熱が出た」「むちうちだから発熱した」と単純に判断することはできません。

交通事故後には身体へ強い衝撃が加わるだけでなく、事故による緊張、睡眠不足、痛みによる身体的負担などさまざまな変化が起こります。一方、事故とは関係なく風邪やインフルエンザなどの感染症によって発熱している可能性もあります。

特に頭を打った場合や、発熱とともに強い頭痛、吐き気・嘔吐、意識がおかしい、手足に力が入りにくいといった症状がある場合は、むちうちと決めつけず医療機関を受診してください。

交通事故後の発熱とむちうちは関係ある?

むちうちは、交通事故などによって首が急激に前後へ動くことで首周囲の組織に負担がかかって生じます。代表的な症状としては、首の痛みやこわばり、首を動かしにくい、頭痛、肩や背中の痛み、腕のしびれ、疲労感、めまいなどがあります。

これらの症状は事故直後から出る場合もあれば、数時間後から数日後になって現れることもあります。

一方で、発熱はむちうちの代表的な症状として一般的に挙げられているわけではありません。そのため、「首が痛くて熱もあるから、むちうちによる発熱だろう」と自己判断するのは避けたほうがよいでしょう。

交通事故後に首の痛みと発熱が同時に出ている場合には、むちうちによる症状だけでなく、感染症やその他の身体の異常がないかも含めて医師に確認してもらうことが大切です。

交通事故後に熱が出た場合に考えられる原因

交通事故後の発熱には、事故による身体への影響だけでなく、事故とは直接関係のない病気が重なっている可能性もあります。主に次のような原因を考えながら診察を受けることになります。

頭部を打っている場合

交通事故で頭を強く打った場合には、頭部外傷についての確認が必要です。特に交通事故のような高いエネルギーが加わる頭部外傷では、事故直後に大きな症状がなくても、その後に症状が出ることがあります。

強い頭痛、繰り返す嘔吐、強い眠気、意識がおかしい、言葉が出にくい、手足のしびれや脱力、歩きにくいといった症状がある場合には、速やかな医療機関での評価が必要です。

事故後の身体的・精神的な負担

交通事故後は、痛みだけでなく、事故への不安、保険会社とのやり取り、車の修理、仕事への影響などによって強いストレスがかかることがあります。また、痛みによって十分に眠れず、疲労感や倦怠感が強くなることもあります。

ただし、「ストレスで熱が出た」と自分だけで判断するのは避けましょう。発熱がある以上、まずは感染症など他の原因がないかを医療機関で確認することが重要です。

風邪や感染症など事故とは別の原因

交通事故の直後に熱が出ると、どうしても「事故が原因」と考えてしまいがちですが、偶然同じ時期に風邪や感染症を発症している可能性もあります。

咳、喉の痛み、鼻水、悪寒などを伴っている場合や、家族や職場で感染症が流行している場合などは、その可能性も医師へ伝えましょう。

むちうちで自律神経症状が出ることはある?

交通事故後のむちうちでは、首の痛みだけでなく、めまい、耳鳴り、疲労感、睡眠障害、集中しにくいなど、さまざまな症状を訴える方がいます。むちうちに伴う症状は一人ひとり異なります。

以前は、めまい、耳鳴りなどを伴う一部の症状について「バレー・リュー症候群」という名称で説明されることもありました。

ただし、発熱があるから「自律神経が乱れたことが原因」と断定することはできません。交通事故後に熱が続く場合には、自律神経だけを原因と考えず、医師による診察を受けて他の病気や外傷を除外することが重要です。

交通事故後に微熱が続く場合は何科を受診する?

交通事故後に発熱している場合、症状によって受診先が変わります。

首や背中、腰などの痛みが主症状であれば、まず整形外科で事故によるケガの有無を確認してもらいます。頭を打った、強い頭痛がある、吐き気や嘔吐がある、意識がぼんやりする、手足にしびれや力の入りにくさがある場合には、救急外来や脳神経外科などでの評価が必要になることがあります。

一方、発熱に加えて咳、喉の痛み、鼻水など感染症を疑う症状がある場合には、内科などへの相談も必要です。

どこを受診すればよいか分からない場合でも、「交通事故後から発熱している」「頭を打ったかもしれない」「首も痛い」など事故との関係を具体的に伝えて医療機関へ相談してください。

交通事故後、数日経ってから熱が出ることもある?

交通事故によるむちうちの症状は、事故直後だけでなく数時間後や数日後に気づくことがあります。首の痛み、こわばり、頭痛、肩や背中の痛み、めまいなどが後から出てくるケースがあります。

ただし、事故から数日後に発熱した場合、その発熱まで交通事故によるものとは限りません。

事故後からいつ発熱したのか、体温は何度だったのか、首や頭の痛みはいつからあるのか、頭を打ったのか、吐き気やしびれなど他の症状があるのかを整理して医師に伝えると、診断の参考になります。

レントゲンやMRIで異常なしと言われたのに熱っぽいのはなぜ?

交通事故後に医療機関で検査を受け、「レントゲンでは異常ありません」「MRIでも大きな異常は確認できません」と言われても、首の痛み、頭痛、だるさなどが残ることがあります。

むちうちそのものは画像検査だけで診断するものではなく、画像検査は骨折など、症状の原因となる別の損傷を確認するためにも使用されます。

そのため、画像検査で大きな異常が確認されなかったとしても、現在感じている症状が存在しないという意味ではありません。

ただし、発熱についても「MRIに映らない自律神経の問題だから」と決めつけるべきではありません。発熱が続く場合には、体温や他の症状の経過を医師へ伝え、必要に応じて追加の診察・検査を受けましょう。

MRIで異常なしと言われたにもかかわらず首の痛みが続いている方は、こちらの記事も参考にしてください。

MRIで異常なしと言われたのに首が痛い原因とは?交通事故後によくある症状を解説

交通事故後に発熱したときの対処法

交通事故後に発熱した場合は、「事故のストレスだから寝ていれば治る」「むちうちだから心配ない」と自己判断せず、まず現在の体温と発熱以外の症状を確認しましょう。

首の痛み、強い頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、しびれ、意識の変化などがあれば医療機関へ相談してください。頭を打っている場合は、事故直後に症状が軽くても後から体調が変化することがあるため、特に注意が必要です。

また、発熱が続く、体温が上がっている、強い倦怠感があるなどの場合にも、事故との関係だけにこだわらず医師の診察を受けましょう。

このような症状がある場合はすぐに医療機関へ

交通事故後に、強い頭痛が続く、繰り返し吐く、意識がぼんやりする・起こしても反応が悪い、けいれん、ろれつが回らない、手足に力が入りにくい・しびれる、歩行やバランスがおかしい、視覚や聴覚に異常があるなどの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。

特に交通事故で頭部へ強い衝撃を受けている場合は、頭部外傷による重大な異常を除外する必要があります。

また、高い発熱が続く場合や全身状態が悪い場合についても、「事故のせいだろう」と判断せず医療機関へ相談しましょう。

発熱以外にこのような症状はありませんか?

交通事故後に熱っぽさだけでなく、首が痛い、肩や背中が痛い、頭痛がある、めまいがする、吐き気がある、眠りにくい、疲れが抜けない、集中しづらい、耳鳴りがする、手や腕がしびれるといった症状が出ることがあります。

複数の症状がある場合は、「熱だけ」「首の痛みだけ」と分けて考えるのではなく、事故後から起こった身体の変化をすべて医師へ伝えましょう。

発熱している状態で整骨院へ通ってもいい?

交通事故後に発熱している場合は、まず整骨院より医療機関での診察を優先してください。

整骨院では医師による診断、血液検査、レントゲン・CT・MRIなどの画像検査、薬の処方はできません。そのため、発熱の原因が感染症なのか、頭部外傷など事故による問題なのか、それ以外なのかを確認するためには医療機関での診察が必要です。

特に頭を打った場合や、強い頭痛、吐き気、意識の変化、しびれなどを伴っている場合には、整骨院で施術を受ける前に医療機関を受診してください。

病院と整骨院は併用できる?

交通事故後のむちうちなどでは、整形外科で診察や検査を受けながら、症状に応じて整骨院へ通院する方法があります。

整形外科では医師による診察・診断、画像検査、投薬などを受けることができます。一方、整骨院では柔道整復師が首・肩・背中などの状態を確認し、症状に応じた施術を行います。

ただし、発熱が続いている場合にはまず医師による評価を優先し、発熱の原因について確認を受けてから整骨院への通院を検討しましょう。

病院で異常なしと言われたのに体調不良が続く方へ

交通事故後に医療機関で検査を受けても大きな異常が確認されず、それでも首の痛み、頭痛、身体のだるさ、めまいなどが続くことがあります。

画像検査だけですべての症状の原因が分かるわけではないため、症状が続いている場合には医師へ経過を伝えながら受診を続けることが大切です。

鍼灸整骨院かまたきでは、医療機関で事故後の状態を確認した方から、むちうちによる首・肩・背中などの症状についてご相談を受け付けています。

発熱がある場合には、まず病院で原因を確認していただき、その後も交通事故による首や肩などの症状が残っている場合にはご相談ください。

よくある質問

Q. 交通事故後に熱が出ることはありますか?

交通事故後に発熱する方はいますが、発熱だけで「むちうちが原因」と判断することはできません。感染症や頭部外傷など他の原因も考えられるため、特に症状が続く場合は医療機関へ相談してください。

Q. むちうちで発熱することはありますか?

むちうちでは首の痛み、頭痛、めまい、疲労感などさまざまな症状がみられますが、発熱は典型的なむちうち症状とはいえません。事故後に発熱した場合は、むちうちだけが原因と考えず医師の診察を受けることが重要です。

Q. 交通事故後の微熱は何日くらい続きますか?

発熱の原因によって異なるため、「交通事故後の微熱なら○日で治る」と一律にいうことはできません。数日続いている場合や悪化している場合、他の症状を伴う場合には医療機関へ相談してください。

Q. レントゲンやMRIで異常なしでも症状が続くことはありますか?

あります。画像検査で骨折などの大きな異常が確認されなくても、首の痛み、頭痛、めまいなどが続くことがあります。ただし、発熱については別の原因も考えられるため、症状が続く場合は医師へ伝えましょう。

Q. 交通事故後に発熱したら何科へ行けばいいですか?

首や身体の痛みが中心であれば整形外科、頭を打ったうえで強い頭痛、嘔吐、意識の変化などがある場合は救急外来や脳神経外科などへの受診を検討します。咳や喉の痛みなど感染症を疑う症状がある場合には内科への相談も考えられます。

Q. 発熱していても整骨院へ通院できますか?

発熱がある場合は、まず医療機関を受診して原因を確認することをおすすめします。整骨院では発熱の原因を診断するための血液検査や画像検査などはできません。

Q. 交通事故後の発熱でも自賠責保険の対象になりますか?

交通事故による傷害との因果関係や治療の必要性が認められるかなどによって判断されます。「事故後に発熱した」というだけで自動的に自賠責保険の対象になるとは限りません。医師へ事故後からの症状を具体的に伝え、保険会社にも確認してください。

Q. 保険会社に「発熱は交通事故と関係ない」と言われたらどうすればいいですか?

事故と発熱との医学的な関係については、保険会社や整骨院だけで判断するのではなく、まず医師へ相談することが大切です。首の痛み、頭痛、めまいなど事故後から出ている他の症状についても具体的に伝えましょう。

交通事故後の発熱やむちうちでお悩みの方へ

交通事故後に熱が出た場合、「むちうちだからだろう」と考えて放置するのはおすすめできません。発熱は感染症など事故とは別の原因で起きている可能性もあり、頭を打っている場合には頭部外傷について確認する必要があります。

まずは医療機関を受診し、発熱の原因や事故によるケガの有無を確認してください。そのうえで、首の痛み、肩や背中の張りなど交通事故による症状が残っている場合には、整骨院との併用を検討できます。

鍼灸整骨院かまたきでは、交通事故後のむちうちや首・肩・背中などの症状についてご相談を受け付けています。自賠責保険、整形外科との併用、他院からの転院などについてもご相談ください。

まとめ

交通事故後に発熱することはありますが、「交通事故後の発熱=むちうちや自律神経の乱れ」と決めつけることはできません。むちうちでは首の痛み、こわばり、頭痛、肩・背中の痛み、めまい、疲労感などがみられますが、発熱には感染症をはじめさまざまな原因があります。

特に頭を打った、強い頭痛や繰り返す嘔吐がある、意識や言葉がおかしい、手足にしびれや力の入りにくさがある、歩行がおかしいといった症状を伴う場合には、速やかに医療機関を受診してください。

検査で大きな異常が確認されなくても、事故後から首の痛みや頭痛、めまいなどが続く場合には、症状の経過を医師へ伝えながら適切な診察を受けることが大切です。

この記事は「交通事故後の症状完全ガイド」シリーズの一部です。交通事故後に起こるむちうち、首・背中・腰の痛み、頭痛、しびれなどについて詳しく知りたい方は、症状完全ガイドをご覧ください。

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