自転車保険とは?千葉県では加入義務!補償内容・選び方・事故後の保険請求まで解説

「自転車にも保険が必要なの?」

「子どもが自転車通学をしているけれど保険に入った方がいい?」

「自動車保険に入っていれば自転車保険はいらない?」

「自転車で歩行者にぶつかったら、どの保険を使うの?」

このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

自転車は手軽に利用できる乗り物ですが、道路交通法上は「軽車両」です。

自転車事故で歩行者などにケガをさせれば、自動車事故と同じように損害賠償責任が発生する可能性があります。

しかも、自動車には自賠責保険がありますが、自転車には自動車の自賠責保険に相当する強制保険制度がありません。

そのため、自転車事故によって他人へ損害を与えた場合に備えるうえで重要になるのが、個人賠償責任保険などです。日本損害保険協会も、自転車事故による損害賠償責任は個人賠償責任保険、自分自身のケガは傷害保険などで備えると説明しています。

さらに千葉県では、2022年7月1日から自転車損害賠償保険等への加入が義務化されています。

この記事では、自転車保険とは何なのか、千葉県の加入義務、必要な補償、自動車保険や火災保険との重複、自転車事故を起こした場合の対応、保険請求まで詳しく解説します。

自転車保険とは?

一般的に「自転車保険」と呼ばれているものは、自転車事故によって生じるさまざまな損害に備える保険です。

ただし、「自転車保険」という一つの統一された補償があるわけではありません。

商品によって、

他人への損害賠償
自分自身のケガ
死亡・後遺障害
入院・手術
示談交渉サービス

など、補償される内容が異なります。

そのため、「自転車保険に加入している」という事実だけではなく、何が補償される契約なのかを確認することが重要です。

自転車には自賠責保険がない

自動車やバイクと自転車の大きな違いがここです。

自動車事故では、自賠責保険という被害者救済のための強制保険があります。

一方、自転車には自動車の自賠責保険に相当する強制保険制度がありません。日本損害保険協会も、自転車事故では自動車事故と異なり、被害者救済のための強制保険がないことを説明しています。

つまり、自転車で歩行者に衝突して重大なケガを負わせた場合、十分な賠償責任保険に加入していなければ、加害者側が大きな経済的負担を抱える可能性があります。

これが、自転車事故に備える保険が重要な理由です。

千葉県では自転車保険への加入が義務

千葉県で自転車を利用する方には、特に知っておいてほしいポイントです。

千葉県では2022年7月1日から、自転車損害賠償保険等への加入が義務化されています。

したがって、

「自転車保険は入った方がいいの?」

というより、千葉県で自転車を利用する場合には、まず自分や家族が自転車事故の賠償責任を補償できる保険に加入しているか確認することが重要です。

ただし、必ず「自転車保険」という名称の商品へ新規加入しなければならないわけではありません。

「自転車保険」という名前の商品でなくてもいい?

ここは非常に重要です。

自転車事故の損害賠償を補償できる契約にすでに加入している場合、新しく自転車専用保険へ加入する必要がないケースがあります。

千葉県は、自転車事故の加害事故に備えられる保険として、自動車保険・傷害保険・火災保険・団体保険などに付帯する個人賠償責任補償、自転車向け保険、学校などを窓口とする保険、TSマーク付帯保険などを案内しています。

そのため、新しく保険を契約する前に現在加入している保険を確認しましょう。

まず「個人賠償責任特約」がないか確認する

自転車保険を検討するときに、最初に確認したいのが個人賠償責任保険・個人賠償責任特約です。

日本損害保険協会によると、個人賠償責任保険は、傷害保険、火災保険、自動車保険などの特約として契約することが一般的です。

例えば、

自動車保険
火災保険
傷害保険

などの保険証券や契約内容を確認してみましょう。

すでに個人賠償責任特約が付いていて、自転車事故による損害賠償が補償されるのであれば、同じ目的の自転車保険へ重複して加入する必要性は低くなる場合があります。

ただし、対象となる家族の範囲や補償されないケースなどは契約によって異なるため、保険会社へ確認してください。

自転車保険で最も重要な「個人賠償責任補償」

自転車事故で特に重要なのが、他人へ与えた損害への補償です。

例えば、

「歩行者に衝突してケガをさせた」

「自転車同士で衝突した」

「停車中の車へぶつかって傷をつけた」

などの場合です。

個人賠償責任保険では、自転車事故だけでなく、日常生活で誤って他人へケガをさせたり物を壊したりした場合も補償対象になる商品があります。

そのため、自転車保険を比較するときには、単に「自分の通院費がいくら出るか」だけを見るのではなく、他人へ重大な損害を与えた場合にどこまで補償できるのかを確認することが重要です。

自分のケガは個人賠償責任保険では補償されない

ここも誤解しやすいところです。

個人賠償責任保険は基本的に、他人へ与えた損害に対する賠償責任へ備えるものです。

自転車で転倒して自分が骨折した場合など、自分自身のケガについては傷害保険などが関係します。

日本損害保険協会も、

自転車事故による損害賠償責任→個人賠償責任保険
自分自身のケガ→傷害保険

という形で説明しています。

したがって、自転車保険を選ぶときには、

「相手への賠償」と「自分のケガ」

を分けて確認すると分かりやすくなります。

自転車保険を選ぶときに確認したいポイント

個人賠償責任の補償額

最初に確認したいのが、他人を死傷させたり財物を壊したりした場合の補償限度額です。

自転車事故でも重大な人身事故になれば賠償額が高額になる可能性があります。

「保険料が安いから」という理由だけで選ばず、重大事故が起きた場合にも十分対応できる補償額か確認しましょう。

示談交渉サービス

自転車事故を起こした場合、被害者との損害賠償について話し合う必要が生じることがあります。

そこで確認したいのが示談交渉サービスです。

保険会社が契約者に代わって相手方との示談交渉を行うサービスが付いている商品があります。

ただし、利用条件や対象事故は契約によって異なるため、加入前に確認しましょう。

家族のどこまで補償されるか

子どもが自転車を利用する家庭では特に重要です。

契約によって、

本人だけ
配偶者
同居の家族
別居している未婚の子

など、補償対象となる範囲が異なる場合があります。

家族型の契約や個人賠償責任特約を利用する場合には、

「自転車に乗る家族全員が対象になっているか」

を確認してください。

自分のケガへの補償

自転車事故では、自分自身が大ケガをする可能性もあります。

入院、手術、死亡、後遺障害などに対する補償が必要な場合には、傷害補償の内容も確認しましょう。

ただし、すでに医療保険や傷害保険などへ加入している場合は、補償が重複する可能性があります。

自転車本体の補償

高額なロードバイクや電動アシスト自転車などでは、自転車本体の損害も気になるところです。

しかし、個人賠償責任保険は、自分の自転車の修理代を補償するための保険ではありません。

自転車本体の事故損害や盗難まで補償したい場合には、その補償が含まれている商品かを別途確認する必要があります。

子どもが自転車に乗る家庭は特に確認

子どもが、

学校への通学
塾への移動
友人宅への移動
休日の外出

などで自転車を利用する家庭では、保険加入状況を確認しておきましょう。

「学校で保険に入っているはず」

「親の自動車保険があるから大丈夫だと思う」

と推測するのではなく、実際の契約内容を確認することが重要です。

特に、

子ども本人が補償対象か
対人・対物の両方が対象か
補償限度額はいくらか
示談交渉サービスがあるか

まで確認しておくと安心です。

仕事で自転車を使う場合は要注意

個人賠償責任保険へ加入していれば、すべての自転車事故が補償されるわけではありません。

日本損害保険協会は、業務で自転車を使用中に起こした事故については個人賠償責任保険では補償されず、事業者用の賠償責任保険が必要と説明しています。

千葉県の案内でも同様に、業務上の自転車事故については事業者用の賠償責任保険が必要とされています。

例えば、仕事として自転車で商品や荷物を配達する場合などは、一般家庭向けの個人賠償責任特約だけで判断しないようにしましょう。

TSマーク付帯保険とは?

自転車保険について調べていると「TSマーク」という言葉を目にすることがあります。

TSマークは、自転車安全整備店で点検・整備を受けた普通自転車に貼付されるマークで、傷害補償や賠償責任補償などが付帯しています。

千葉県も、自転車損害賠償保険等の選択肢の一つとしてTSマーク付帯保険を案内しています。

ただし、一般的な個人賠償責任保険とは補償内容が異なるため、補償額や有効期間などを確認してください。

自転車事故を起こしたらどうする?

保険に加入していても、事故直後の対応を間違えてはいけません。

まず、負傷者がいる場合には救護を優先します。

必要に応じて119番へ通報し、警察にも事故を届け出ます。

その後、

事故相手の氏名・連絡先を確認する
事故現場や自転車の状態を記録する
目撃者がいれば連絡先を確認する
保険会社へ事故を連絡する

などの対応を行います。

その場で相手から金銭を要求されたとしても、事故状況や損害額が確定していない段階で安易に示談を成立させるのは避け、加入している保険会社へ相談しましょう。

自転車事故で自分がケガをした場合

自転車事故では、加害者になるだけでなく被害者になることもあります。

例えば、

「自動車に衝突された」

「別の自転車と衝突した」

「歩行者を避けて転倒した」

などです。

事故後に痛みが軽かったとしても、時間が経ってから首、腰、肩、膝などの症状が強くなることがあります。

特に頭部を打った、意識を失った、強い頭痛や吐き気がある、手足のしびれがあるなどの場合には、速やかに医療機関を受診してください。

また、交通事故によるケガについて補償を受ける場合、事故と症状の関係を確認するうえでも、事故後の早い段階で医療機関を受診しておくことが重要です。

自転車事故の保険請求の流れ

事故が発生したら、加入している保険会社や共済などへ連絡します。

その際、

事故日時
事故場所
事故状況
相手方の情報
ケガの状況
警察への届出状況

などを伝えます。

必要書類や手続きは利用する保険・事故内容によって異なるため、保険会社から案内された内容に従って進めてください。

現在の記事では「24時間以内に連絡」「請求から支払いまで1~2か月が一般的」と断定していますが、商品・事故内容によって異なるため、今回のリメイクでは削除します。現在の記事のような一律の期限・支払期間を記載するより、事故後できるだけ早く契約先へ連絡し、契約ごとの手続きを確認するという表現の方が安全です。

自転車保険に入っているか分からない場合

「自転車保険に入った覚えがない」

という方でも、すでに自転車事故の賠償責任を補償できる契約を持っている可能性があります。

まず、

自動車保険
火災保険
傷害保険
学校・PTAなどの団体保険
勤務先などの団体保険
共済
クレジットカードに付帯する保険

などを確認してみましょう。

千葉県も、これらに付帯する個人賠償責任補償などによって自転車事故へ備えられる場合があると案内しています。

重要なのは「自転車保険」という商品名ではなく、自転車事故で他人へ与えた損害を補償できる契約になっているかです。

よくある質問

千葉県では自転車保険への加入は義務ですか?

はい。千葉県では2022年7月1日から、自転車損害賠償保険等への加入が義務化されています。自転車を利用する場合には、現在加入している保険で自転車事故の賠償責任が補償されているか確認しましょう。

自転車にも自賠責保険はありますか?

自動車の自賠責保険に相当する強制保険制度は自転車にはありません。そのため、個人賠償責任保険などによって他人への損害賠償に備えることが重要です。

自動車保険に入っていれば自転車保険はいりませんか?

自動車保険に個人賠償責任特約などが付いており、自転車事故による賠償責任も対象になっている場合があります。ただし、すべての自動車保険に自動的に付いているわけではないため契約内容を確認してください。

火災保険でも自転車事故を補償できますか?

火災保険に個人賠償責任特約などが付帯している場合、自転車事故による他人への賠償責任が補償されることがあります。契約内容や補償対象者を確認してください。

個人賠償責任保険で自分のケガも補償されますか?

基本的に個人賠償責任保険は他人へ与えた損害への賠償責任を補償するものです。自分自身のケガについては傷害保険などが関係します。

子どもの自転車事故も親の保険で補償できますか?

契約内容によっては家族も補償対象になります。ただし、家族の範囲や条件は保険によって異なるため、子どもが補償対象に含まれているか確認する必要があります。

仕事中の自転車事故も個人賠償責任保険で補償されますか?

業務で自転車を使用中に起こした事故は、一般的な個人賠償責任保険では補償されないため、事業者用の賠償責任保険が必要とされています。

まとめ

自転車は便利な移動手段ですが、事故を起こせば歩行者や他の自転車利用者などへ重大な損害を与える可能性があります。

しかも自転車には、自動車の自賠責保険に相当する強制保険制度がありません。そのため、他人への損害賠償には個人賠償責任保険など、自分自身のケガには傷害保険などで備えることが重要です。

さらに千葉県では、2022年7月1日から自転車損害賠償保険等への加入が義務化されています。

ただし、必ず新しく「自転車保険」という名称の商品を契約しなければならないわけではありません。

自動車保険や火災保険、傷害保険などに個人賠償責任特約が付いていて、自転車事故による賠償責任を補償できる場合があります。

そのため、自転車保険を検討するときは、いきなり新しい保険へ加入するのではなく、

現在加入している保険を確認する → 自転車事故が対象か確認する → 家族の補償範囲を確認する → 補償額や示談交渉サービスを確認する → 不足している補償だけ追加する

という順番で考えると、補償の重複を防ぎながら必要な備えを整えやすくなります。