後遺障害とは?後遺症との違い・認定条件をわかりやすく解説【千葉市】

📚 後遺障害シリーズ

この記事は「交通事故の後遺障害完全ガイド」シリーズの一部です。

過失割合について詳しく知りたい方は、総合ガイドをご覧ください。

交通事故によるケガの治療を続けても、首や腰の痛み、手足のしびれ、関節の動かしにくさなどが残ることがあります。

このような症状について、「後遺症が残れば後遺障害として認められるのか」「後遺症と後遺障害は何が違うのか」「どのような条件を満たせば認定されるのか」と疑問に思う方もいるでしょう。

後遺症と後遺障害は似た言葉ですが、交通事故の損害賠償では区別して考える必要があります。

治療後に症状が残っていても、自動的に後遺障害として認定されるわけではありません。事故との関係、治療経過、症状の継続性、検査結果などをもとに審査を受け、一定の基準に該当すると判断される必要があります。

この記事では、交通事故における後遺障害の意味、後遺症との違い、認定で確認される主な条件、後遺障害等級認定を受けるまでの流れを、千葉市の鍼灸整骨院かまたきがわかりやすく解説します。

交通事故における後遺障害とは?

交通事故における後遺障害とは、治療を続けても症状が残り、その症状が自賠責保険の後遺障害等級に該当すると認定された障害を指します。

交通事故の後に痛みやしびれが残っているだけで、すべてが後遺障害になるわけではありません。

症状固定後に残った症状について後遺障害等級認定を申請し、事故との因果関係や症状の程度、治療経過、検査結果などをもとに審査されます。

その結果、一定の基準に該当すると判断された場合に、後遺障害等級が認定されます。

後遺障害の程度は、介護を必要とする重い障害を含め、身体に残った障害の内容や程度に応じて区分されています。

後遺障害等級が認定されると、認定された等級や仕事への影響などに応じて、後遺障害慰謝料や逸失利益を請求できる可能性があります。

後遺症と後遺障害の違い

後遺症と後遺障害は、一般的な会話では同じような意味で使われることがあります。

しかし、交通事故の損害賠償では、意味が異なります。

後遺症とは治療後も残った症状のこと

後遺症とは、ケガや病気の治療を行った後も残っている症状を表す一般的な言葉です。

交通事故の場合は、次のような症状が考えられます。

首や腰の痛みが残っている

手足のしびれが続いている

肩や膝などの関節を動かしにくい

傷あとが残っている

視力や聴力に影響が残っている

記憶力や注意力に変化が残っている

このような症状が残っていれば、一般的には後遺症と呼ぶことができます。

ただし、後遺症が残っていることと、後遺障害等級が認定されることは同じではありません。

後遺障害とは一定の基準に該当すると認定された障害

後遺障害とは、交通事故後に残った症状のうち、審査によって自賠責保険の後遺障害等級に該当すると認められたものです。

つまり、違いを簡単に整理すると次のようになります。

後遺症

治療後も身体や精神に残っている症状を表す一般的な言葉です。

後遺障害

残った症状について申請を行い、一定の基準に該当すると認定された障害です。

医師から「症状が残る可能性があります」と説明された場合でも、それだけで後遺障害等級が認定されるわけではありません。

後遺障害認定では、医師の診断だけでなく、提出された診断書、画像資料、検査結果、治療経過などが確認されます。

後遺障害として認定されるための主な条件

後遺障害等級認定には、すべての症状に共通する単純な認定条件があるわけではありません。

障害の部位や内容によって、該当する等級や確認される検査結果が異なります。

ただし、後遺障害認定を検討するうえでは、次の点が重要になります。

交通事故と残った症状との関係が認められること

残っている症状が、交通事故によって生じたものと説明できることが重要です。

事故前から同じ症状があった場合や、事故から最初の受診まで長い期間が空いている場合は、事故によって発生した症状なのか判断しにくくなることがあります。

交通事故後に痛みやしびれなどがある場合は、症状が軽く感じられても、できるだけ早く整形外科などの医療機関を受診しましょう。

事故直後からどのような症状があり、どのように変化したのかが診療記録に残っていることも大切です。

治療を続けても症状が残っていること

後遺障害等級認定は、基本的に治療中ではなく、症状固定後に残った症状を対象として行われます。

症状固定とは、治療を続けても大幅な改善が見込みにくくなり、症状が安定した状態です。

症状固定は完治と同じ意味ではありません。

痛みやしびれなどが残っていても、治療による改善が見込みにくくなった場合には、主治医が症状固定と判断することがあります。

症状固定について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

症状固定とは?後遺障害認定との関係や判断時期・注意点をわかりやすく解説【千葉市】

症状が継続していること

事故直後から症状固定まで、症状が継続していることも重要です。

たとえば、事故直後から首の痛みや手のしびれを訴え、治療を継続していた場合と、治療終了の直前になって初めて症状を訴えた場合では、審査での受け止め方が異なる可能性があります。

診察時には、現在感じている症状を医師へ正確に伝えましょう。

痛みを我慢して伝えなかったり、症状を簡単にしか説明しなかったりすると、診療記録に十分な情報が残らないことがあります。

症状に一貫性があること

症状の部位や内容が、事故直後から大きく変わらず、一貫しているかどうかも確認されます。

事故直後は右手のしびれを訴えていたのに、その後は理由なく左手のしびれへ変わるなど、症状の内容に不自然な変化があると、事故との関係を判断しにくくなる可能性があります。

ただし、症状が変化したからといって、必ず認定されないわけではありません。

症状の変化に医学的な理由がある場合もあるため、変化があった時点で主治医へ伝え、診察を受けることが大切です。

症状を説明できる検査結果や医学的所見があること

後遺障害認定では、残っている症状を説明できる検査結果や医学的所見が重要になります。

症状によっては、次のような資料が確認されます。

レントゲン

MRI

CT

神経学的検査

関節可動域検査

筋力検査

視力や聴力の検査

画像検査で異常が確認できる障害もあれば、画像だけでは判断しにくい障害もあります。

どのような検査が必要になるかは、ケガや症状によって異なります。

後遺障害認定のためだけに自己判断で検査を指定するのではなく、現在の症状を主治医へ具体的に伝え、必要な検査について相談しましょう。

後遺障害等級の基準に該当すること

後遺障害として認定されるためには、残った障害が後遺障害等級表に定められた基準に該当する必要があります。

後遺障害等級は、身体に残った障害の部位や程度によって分かれています。

同じように痛みが残っている場合でも、症状の程度、検査結果、日常生活や仕事への影響などによって判断が異なる可能性があります。

また、症状が残っていても、等級表に定められた基準に該当しないと判断された場合は、非該当となります。

後遺障害の認定で確認される主な資料

後遺障害等級認定は、提出された書類や医療資料を中心に審査されます。

そのため、現在の症状が診断書や検査結果に適切に反映されていることが重要です。

後遺障害診断書

後遺障害診断書は、後遺障害等級認定を申請するときの重要な書類です。

主治医が、傷病名、症状固定日、自覚症状、検査結果、他覚的所見、障害の内容、今後の見通しなどを記載します。

後遺障害診断書は医師が作成する書類です。

整骨院や接骨院では作成できないため、整骨院へ通院している場合も、整形外科などの医療機関を定期的に受診しておく必要があります。

診断書や診療報酬明細書

事故後にどのような診断を受け、どのような治療が行われたのかを確認する資料です。

初診時の症状、治療期間、通院状況なども確認されます。

MRIやレントゲンなどの画像資料

骨折、脱臼、椎間板の状態、神経への影響などを確認するため、画像資料が使用されることがあります。

ただし、画像に異常があれば必ず認定されるわけではありません。

反対に、画像で大きな異常が確認できないからといって、すべての申請が非該当になるとも限りません。

画像結果だけでなく、症状、治療経過、診察所見などを含めて審査されます。

各種検査結果

障害の種類に応じて、神経学的検査、関節可動域検査、視力検査、聴力検査などの結果が確認されます。

検査は適切な方法で行われ、その結果が診断書などへ正確に記載されていることが大切です。

後遺障害等級とは?

後遺障害等級は、交通事故によって身体に残った障害の部位や程度を区分したものです。

一般的には、数字が小さい等級ほど障害が重くなります。

介護を必要とする後遺障害については別の区分が設けられており、それ以外の後遺障害は第1級から第14級までに分かれています。

後遺障害等級の対象には、次のような障害があります。

目や耳などの感覚器に残る障害

手足や指を失った場合の欠損障害

関節の動きに制限が残る機能障害

脊柱に変形や運動障害が残った場合

神経症状が残った場合

傷あとが残る外貌醜状

高次脳機能障害

脊髄損傷による障害

同じ傷病名でも、残った障害の程度によって認定される等級が異なることがあります。

具体的にどの等級へ該当するかは、医学的な資料と後遺障害等級表をもとに審査されます。

後遺障害が認定されると請求できる可能性があるもの

後遺障害等級が認定されると、傷害部分の損害とは別に、後遺障害部分の損害を請求できる可能性があります。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ったことによる精神的、肉体的な苦痛に対する補償です。

金額は認定された等級や、計算に使用する基準などによって異なります。

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、後遺障害によって労働能力が低下し、将来得られるはずだった収入が減少することに対する補償です。

認定等級だけで機械的に決まるわけではなく、仕事の内容、年齢、収入、症状による影響などが検討されます。

後遺障害等級が認定されても、具体的な事情によって逸失利益の金額や認められる期間について争いになることがあります。

慰謝料や逸失利益などの損害賠償に関する判断は、弁護士などの専門家へ相談してください。

後遺障害等級認定を受けるまでの流れ

後遺障害等級認定は、おおむね次のような流れで進みます。

交通事故後に医療機関を受診する

必要な治療やリハビリを継続する

主治医が症状固定を判断する

症状固定後に残っている症状を確認する

主治医に後遺障害診断書を作成してもらう

必要な診断書、画像資料、検査結果などをそろえる

後遺障害等級認定を申請する

提出資料をもとに審査が行われる

認定等級または非該当の結果が通知される

症状固定になったからといって、自動的に審査が始まるわけではありません。

後遺障害等級認定を受けるためには、必要書類をそろえて申請する必要があります。

後遺障害等級認定の申請方法

後遺障害等級認定の申請方法には、主に事前認定と被害者請求があります。

事前認定

事前認定は、一般に、相手方の任意保険会社を通して後遺障害等級認定を申請する方法です。

保険会社が必要書類を集めて手続きを進めるため、被害者の負担を抑えやすい点があります。

一方で、提出資料の内容を被害者自身が細かく確認しにくい場合があります。

被害者請求

被害者請求は、被害者が相手方の自賠責保険会社へ必要書類を提出して請求する方法です。

被害者側で診断書や検査資料などを確認しながら手続きを進められますが、必要書類の準備に手間がかかることがあります。

どちらの方法が適しているかは、症状や資料の内容、保険会社との関係などによって異なります。

申請方法に迷う場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談することも検討しましょう。

後遺障害が認定されにくくなる可能性があるケース

次のような状況では、事故と症状との関係や、症状の継続性を判断しにくくなる可能性があります。

事故後の受診が遅れている

事故から初診まで長期間空いていると、残った症状が事故によるものか判断しにくくなることがあります。

交通事故後に痛みや違和感がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

通院期間に長い空白がある

自己判断で長期間通院を中断すると、治療の必要性が低かった、症状が改善していたと受け取られる可能性があります。

通院できない事情がある場合は、主治医へ相談し、事情を伝えておくことが大切です。

症状を医師へ伝えていない

医師へ伝えていない症状は、診療記録や後遺障害診断書に記載されない可能性があります。

痛みやしびれの場所、頻度、日常生活への影響を具体的に伝えましょう。

必要な検査を受けていない

症状を説明するために必要な検査が行われていないと、医学的な資料が不足する可能性があります。

どの検査が必要かについては、主治医へ現在の症状を説明したうえで相談してください。

整骨院だけに通院している

整骨院では、施術を受けることはできますが、医師による診断や後遺障害診断書の作成はできません。

後遺障害等級認定を検討する可能性がある場合は、整形外科などの医療機関を継続して受診することが重要です。

整骨院へ通院している場合に確認したいこと

交通事故後に整骨院へ通院している場合も、整形外科との併用を検討しましょう。

医師は、診断、画像検査、医学的な治療方針の決定、症状固定の判断、後遺障害診断書の作成を行います。

整骨院では、医師の診断や指示を踏まえ、身体の状態に応じた施術を行います。

整骨院への通院だけになり、医療機関の受診が長期間空いてしまうと、症状の医学的な経過を確認しにくくなる可能性があります。

整形外科と整骨院を併用するときは、整骨院へ通院していることを主治医へ伝え、今後の通院方法について相談しましょう。

後遺障害等級が非該当だった場合

後遺障害等級認定を申請しても、必ず等級が認定されるわけではありません。

審査の結果、後遺障害等級に該当しないと判断された場合は、非該当となります。

非該当の結果に疑問がある場合は、認定理由を確認し、不足している医学的資料や新たな検査結果などがあるかを検討します。

新しい資料や医学的な根拠がある場合は、異議申立てを検討できることがあります。

単に同じ書類を再提出するだけでは、結果が変わらない可能性があります。

異議申立てを行うか、どのような資料を追加するかについては、交通事故と後遺障害に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。

千葉市で交通事故後の症状についてお悩みの方へ

鍼灸整骨院かまたきでは、交通事故後の首や腰の痛み、手足のしびれ、身体の動かしにくさなどについてご相談を受け付けています。

整形外科と整骨院を併用したい方や、他院からの変更を検討している方もご相談ください。

後遺障害等級の認定や損害賠償について、当院が法的な判断を行うことはできません。

認定手続き、慰謝料、逸失利益、示談などについて判断が必要な場合は、医師や交通事故に詳しい弁護士などの専門家へご相談ください。

後遺障害と後遺症に関するよくある質問

後遺症が残れば後遺障害として認定されますか?

後遺症が残っているだけで、自動的に後遺障害として認定されるわけではありません。

症状固定後に後遺障害等級認定を申請し、事故との因果関係、症状の継続性、検査結果、治療経過などをもとに審査を受ける必要があります。

後遺障害と後遺症は同じものですか?

同じではありません。

後遺症は、治療後も残っている症状を表す一般的な言葉です。

後遺障害は、残った症状について審査を受け、後遺障害等級に該当すると認められた障害を指します。

後遺障害は誰が認定するのですか?

自賠責保険の後遺障害等級認定では、保険会社から送付された書類について、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所などで調査が行われます。

医師は後遺障害診断書を作成しますが、医師が最終的な後遺障害等級を決定するわけではありません。

医師が後遺症と診断すれば認定されますか?

医師から後遺症が残ると説明された場合でも、それだけで後遺障害等級が認定されるとは限りません。

後遺障害診断書、画像資料、検査結果、治療経過などをもとに、等級基準への該当性が審査されます。

症状固定前でも後遺障害を申請できますか?

後遺障害等級認定は、基本的に症状固定後に残った症状について申請します。

治療中は今後症状が改善する可能性があるため、主治医が症状固定と判断した後に、後遺障害診断書を作成してもらいます。

後遺障害診断書は整骨院で作成できますか?

後遺障害診断書は医師が作成する書類です。

整骨院や接骨院では作成できないため、整骨院へ通院している場合も、整形外科などの医療機関を継続して受診しましょう。

MRIで異常がなければ後遺障害は認定されませんか?

MRIなどの画像で異常が確認できることは重要な医学的資料になりますが、審査は画像だけで行われるものではありません。

症状の内容、事故直後からの経過、診察所見、検査結果などを含めて判断されます。

具体的な認定可能性については、医師や交通事故に詳しい弁護士へ相談してください。

後遺障害が非該当でも異議申立てはできますか?

認定結果に納得できない場合は、異議申立てを検討できます。

ただし、結果を変えるためには、認定理由を確認し、新しい検査結果や医学的な意見など、判断を見直すための資料を準備することが重要です。

まとめ

後遺症とは、交通事故によるケガの治療後も残っている症状を表す一般的な言葉です。

一方、後遺障害とは、症状固定後に残った症状について審査を受け、自賠責保険の後遺障害等級に該当すると認定された障害です。

そのため、痛みやしびれが残っているだけで、自動的に後遺障害として認められるわけではありません。

後遺障害等級認定では、事故と症状との関係、事故直後からの症状の継続性や一貫性、治療経過、検査結果、後遺障害診断書の内容などが確認されます。

交通事故後に症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、現在の症状を医師へ正確に伝えましょう。

整骨院へ通院する場合も、整形外科を定期的に受診し、医師に症状の経過を確認してもらうことが大切です。

千葉市で交通事故後の首や腰の症状、整形外科との併用、整骨院への通院方法についてお悩みの方は、鍼灸整骨院かまたきへご相談ください。

交通事故後の症状や通院方法でお悩みですか?

交通事故後の首や腰の痛みが続いている、整形外科と整骨院を併用したい、今後の通院方法がわからないなどのお悩みをご相談ください。

監修者

柔道整復師・鍼灸師

鍼灸整骨院かまたき

交通事故による首・腰の痛み、むちうちなどの施術を行っています。

整形外科との併用や保険会社とのやり取りについてもご相談いただけます。