後遺障害慰謝料とは?等級別の相場や認定との関係を解説【千葉市】

📚 慰謝料シリーズ

この記事は「交通事故の慰謝料完全ガイド」シリーズの一部です。

過失割合について詳しく知りたい方は、総合ガイドをご覧ください。

交通事故で治療を続けても、首や腰の痛み、手足のしびれ、関節の動かしにくさなどの症状が残ることがあります。

症状固定後も症状が残り、後遺障害等級が認定された場合に請求できる補償の一つが後遺障害慰謝料です。

しかし、「後遺障害慰謝料はいくらもらえるの?」「入通院慰謝料とは何が違うの?」「14級や12級では金額はどれくらい違う?」「後遺障害認定を受けないともらえない?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

後遺障害慰謝料は、交通事故で後遺障害等級が認定された方だけが請求できる慰謝料です。

等級によって金額は大きく異なり、自賠責基準と弁護士基準でも差があります。

この記事では、後遺障害慰謝料の仕組みや入通院慰謝料との違い、後遺障害認定との関係、請求できる条件について、千葉市の鍼灸整骨院かまたきがわかりやすく解説します。

後遺障害慰謝料とは?

後遺障害慰謝料とは、交通事故によって後遺障害が残り、その精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

交通事故でケガをしただけでは請求できません。

治療を続けても症状が残り、後遺障害等級認定を受けた場合に請求できる慰謝料です。

例えば、首の痛みが残った・手足のしびれが続いている・関節が動かしにくくなった・視力や聴力が低下した・手足の機能に障害が残ったなど、交通事故による後遺障害が認定された場合に対象となります。

後遺障害慰謝料と入通院慰謝料の違い

交通事故では、慰謝料が一種類だけではありません。

代表的なのが、入通院慰謝料後遺障害慰謝料です。

入通院慰謝料

交通事故で入院や通院をした精神的苦痛に対して支払われる慰謝料です。

治療期間や通院状況などをもとに算定されます。

治療が終了した時点までが対象です。

後遺障害慰謝料

後遺障害等級が認定された場合に支払われる慰謝料です。

症状固定後も症状が残った精神的苦痛に対する補償になります。

つまり、治療中は入通院慰謝料、治療終了後に後遺障害等級が認定された場合は後遺障害慰謝料、という違いがあります。

後遺障害慰謝料を受け取る条件

後遺障害慰謝料を受け取るためには、いくつかの条件があります。

症状固定になっていること

まず、治療を続けてもこれ以上大きな改善が見込めない状態である「症状固定」と判断される必要があります。

症状固定前は、後遺障害慰謝料ではなく、入通院慰謝料が対象になります。

後遺障害等級が認定されていること

症状固定になっただけでは、後遺障害慰謝料は請求できません。

症状固定後に後遺障害認定を申請し、後遺障害等級が認定される必要があります。

認定されなかった場合は、原則として後遺障害慰謝料は支払われません。

後遺障害認定との関係

交通事故で症状が残ったからといって、自動的に後遺障害慰謝料が支払われるわけではありません。

一般的な流れは次のようになります。

交通事故が発生する⇒整形外科などで治療を受ける⇒症状固定になる⇒後遺障害診断書を作成してもらう⇒後遺障害認定を申請する⇒後遺障害等級が認定される⇒後遺障害慰謝料を請求する

つまり、後遺障害認定を受けることが、後遺障害慰謝料を請求するための前提になります。

後遺障害等級とは?

後遺障害等級とは、交通事故によって残った障害の程度を区分したものです。

自賠責保険では、第1級から第14級までの等級が定められています。

一般的に、数字が小さいほど障害が重く、数字が大きいほど障害が軽くなります。

そのため、1級と14級では慰謝料の金額に大きな差があります。

等級によって慰謝料が変わる理由

後遺障害慰謝料は、障害の重さに応じて精神的苦痛の大きさが異なると考えられているため、等級ごとに金額が決められています。

例えば、日常生活全体に大きな介護が必要になる障害と、軽い神経症状が残った場合では、生活への影響が異なります。

そのため、等級が高いほど慰謝料も高額になります。

ただし、実際に支払われる慰謝料は、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準など、どの基準で算定するかによっても異なります。

後遺障害慰謝料は誰が支払う?

交通事故の後遺障害慰謝料は、加害者側が加入している保険会社などから支払われます。

自賠責保険で補償される範囲を超える場合は、任意保険会社が補償するケースもあります。

事故状況や過失割合などによって補償内容が変わることもあります。

後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の違い

後遺障害慰謝料と混同されやすい補償に、後遺障害逸失利益があります。

後遺障害慰謝料は、精神的苦痛に対する補償です。

一方、後遺障害逸失利益は、後遺障害によって将来の収入が減少すると考えられる場合の補償です。

例えば、交通事故後に以前と同じ仕事ができなくなった、昇進や昇給に影響が出た、労働能力が低下したなどの場合は、後遺障害逸失利益が問題になることがあります。

後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益は別々の補償です。

後遺障害慰謝料はどのように決まる?

後遺障害慰謝料は、一律の金額ではありません。

主に次の2つによって金額が決まります。

・認定された後遺障害等級

・どの算定基準で計算するか

同じ14級でも、自賠責基準と弁護士基準では慰謝料に大きな差があります。

そのため、保険会社から提示された金額だけを見て判断するのではなく、どの基準で算定されているのかを確認することも大切です。

後遺障害慰謝料の3つの算定基準

交通事故の慰謝料には、主に3つの算定基準があります。

自賠責基準

自賠責保険は、交通事故被害者を最低限補償することを目的とした制度です。

後遺障害慰謝料も、自賠責保険で定められた基準に基づいて算定されます。

3つの基準の中では、一般的に最も低い金額となります。

任意保険基準

任意保険会社が独自に用いている基準です。

現在は具体的な金額が公表されていませんが、自賠責基準をもとに保険会社ごとに運用されています。

弁護士基準

過去の裁判例をもとに作成された算定基準です。

「赤い本」の基準を参考に慰謝料が算定されることが多く、一般的には3つの基準の中で最も高額になる傾向があります。

等級別の慰謝料相場

後遺障害慰謝料は、認定された等級によって金額が異なります。

ここでは、自賠責基準と弁護士基準のおおよその目安を紹介します。

等級自賠責基準弁護士基準の目安
1級約1,150万円約2,800万円
2級約998万円約2,370万円
3級約861万円約1,990万円
4級約737万円約1,670万円
5級約618万円約1,400万円
6級約512万円約1,180万円
7級約419万円約1,000万円
8級約331万円約830万円
9級約249万円約690万円
10級約190万円約550万円
11級約136万円約420万円
12級約94万円約290万円
13級約57万円約180万円
14級約32万円約110万円

※上記は一般的な目安です。実際の金額は事故状況や算定基準などによって異なる場合があります。

むちうちで多い等級

交通事故で最も多い後遺障害の一つが、むちうちです。

その中でも比較的多く見られるのが、12級13号、14級9号です。

14級9号

14級9号は、「局部に神経症状を残すもの」とされています。

首や腰の痛み、しびれなどが残り、自覚症状と治療経過が認められる場合などに該当する可能性があります。

交通事故で最も多い後遺障害等級の一つです。

12級13号

12級13号は、「局部に頑固な神経症状を残すもの」とされています。

MRIなどの画像所見や神経学的検査など、症状を医学的に説明できる資料が重要になる場合があります。

一般的には14級よりも重い障害と評価されます。

むちうちだから必ず14級になる?

むちうちだからといって、必ず14級や12級が認定されるわけではありません。

また、症状が残っていても非該当になることもあります。

後遺障害認定では、事故との因果関係、症状の継続性、治療経過、画像や検査結果、診療記録、後遺障害診断書などを総合的に審査します。

そのため、「むちうちなら○級になる」と一概には言えません。

後遺障害診断書が重要になる理由

後遺障害慰謝料を請求するためには、後遺障害等級認定が必要です。

その審査で重要になる資料の一つが、後遺障害診断書です。

診断書には、傷病名・症状固定日・残存症状・可動域・画像所見・神経学的所見などが記載されます。

現在残っている症状が診断書へ適切に反映されているか確認することも大切です。

後遺障害認定を受けないと慰謝料はもらえない?

後遺障害慰謝料は、後遺障害等級認定を受けた場合に請求できる慰謝料です。

そのため、症状が残っているだけでは、原則として後遺障害慰謝料は支払われません。

まずは、症状固定⇒後遺障害認定申請⇒等級認定という流れになります。

保険会社の提示額がすべてではない

示談交渉では、保険会社から慰謝料の金額が提示されることがあります。

しかし、その金額が必ずしも弁護士基準で計算されているとは限りません。

どの算定基準で計算されているのかによって、慰謝料に大きな差が生じることがあります。

金額だけを見るのではなく、どの基準なのか、どの等級なのか、どの補償が含まれているのかを確認することが重要です。

後遺障害慰謝料は示談後でも請求できる?

一般的に、示談が成立すると追加で請求することは難しくなります。

そのため、後遺障害認定を申請予定の場合は、認定結果が出る前に示談してしまわないよう注意しましょう。

示談内容に不安がある場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談することも検討しましょう。

後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れ

交通事故で後遺障害慰謝料を受け取るまでには、いくつかの手続きがあります。

一般的な流れは次のとおりです。

交通事故が発生する

整形外科などで治療を受ける

症状固定となる

医師に後遺障害診断書を作成してもらう

後遺障害認定を申請する

後遺障害等級が認定される

示談交渉を行う

後遺障害慰謝料が支払われる

交通事故直後に後遺障害慰謝料が支払われるわけではありません。

治療が終了し、後遺障害等級の認定を受けた後に、示談などを経て支払われるのが一般的です。

後遺障害慰謝料を受け取るために大切なポイント

事故後はできるだけ早く整形外科を受診する

事故直後は症状が軽く感じても、翌日以降に痛みやしびれが強くなることがあります。

早い段階で医師の診察を受けることで、交通事故との因果関係を確認しやすくなります。

症状を具体的に医師へ伝える

診察では、

・どこが痛いのか

・しびれはあるか

・いつ症状が強くなるか

・仕事や家事への影響

などを具体的に伝えましょう。

診療記録は後遺障害認定でも重要な資料になります。

整形外科への受診を継続する

整骨院へ通院している場合でも、整形外科で定期的に診察を受けることが大切です。

後遺障害診断書は医師しか作成できません。

また、診療記録や画像検査なども後遺障害認定では重要になります。

症状固定の時期は医師と相談する

保険会社から治療終了を勧められても、その場ですぐに同意する必要はありません。

症状固定かどうかを判断するのは医師です。

症状が続いている場合は、主治医へ相談し、今後の治療方針を確認しましょう。

示談を急がない

後遺障害認定を申請する予定がある場合は、認定結果が出る前に示談しないよう注意しましょう。

示談後は追加で請求できない場合があります。

千葉市で交通事故後の症状についてお悩みの方へ

鍼灸整骨院かまたきでは、交通事故後の首や腰の痛み、むちうち、手足のしびれなどについてご相談を受け付けています。

整形外科との併用や、交通事故後の通院方法についてもお気軽にご相談ください。

なお、当院では後遺障害等級の認定や慰謝料額の判断、示談交渉などの法律業務は行っておりません。

後遺障害慰謝料や逸失利益、示談、損害賠償については、交通事故に詳しい弁護士などの専門家へご相談ください。

よくある質問

後遺障害慰謝料は誰でももらえますか?

いいえ。

交通事故で症状が残っただけでは請求できません。

症状固定後に後遺障害認定を受け、後遺障害等級が認定された場合に請求できます。

後遺障害慰謝料と入通院慰謝料は両方もらえますか?

はい。

入通院慰謝料は治療期間中の精神的苦痛に対する補償です。

後遺障害慰謝料は、後遺障害等級が認定された場合の精神的苦痛に対する補償です。

条件を満たせば、それぞれ請求できる可能性があります。

後遺障害認定を受けなければ慰謝料はもらえませんか?

後遺障害慰謝料については、後遺障害等級認定が必要です。

一方、入通院慰謝料は後遺障害認定を受けなくても対象になる場合があります。

14級と12級では慰謝料はどれくらい違いますか?

一般的な目安では、自賠責基準でも弁護士基準でも12級の方が高額になります。

詳しい金額は、等級や算定基準によって異なります。

MRIで異常がなければ後遺障害慰謝料はもらえませんか?

MRIに明らかな異常がない場合でも、症状や診療経過などを総合的に審査して後遺障害等級が認定されることがあります。

一方で、画像だけで認定されるわけでもありません。

整骨院だけでも後遺障害慰謝料は請求できますか?

後遺障害診断書は医師が作成します。

整骨院へ通院する場合も、整形外科を定期的に受診することが重要です。

後遺障害慰謝料はいつ支払われますか?

一般的には、

症状固定

後遺障害認定

示談成立

の後に支払われます。

保険会社から提示された慰謝料で示談しても大丈夫ですか?

示談すると追加請求が難しくなる場合があります。

提示内容に不安がある場合は、内容を十分に確認してから判断しましょう。

まとめ

後遺障害慰謝料とは、交通事故によって後遺障害が残り、後遺障害等級が認定された場合に支払われる慰謝料です。

入通院慰謝料とは別の補償であり、後遺障害等級や算定基準によって金額が異なります。

後遺障害慰謝料を請求するためには、症状固定後に後遺障害認定を受けることが必要です。

また、事故直後から適切な治療を受け、症状を医師へ正確に伝え、整形外科への受診を継続することも重要になります。

示談は補償内容を最終的に決める手続きです。

後遺障害認定を予定している場合は、認定結果を確認する前に示談しないよう注意しましょう。

監修者

柔道整復師・鍼灸師

鍼灸整骨院かまたき

交通事故による首・腰の痛み、むちうちなどの施術を行っています。

整形外科との併用や保険会社とのやり取りについてもご相談いただけます。